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【3月舞踊公演「素踊りの世界」】出演者メッセージその1 吾妻徳穂

昭和を代表する名手だった祖母・初世吾妻徳穂(1909~1998)の跡を継ぎ、古典及び初世振付作品の継承に力注ぐ吾妻徳穂。長年にわたり国立劇場舞踊公演に出演してきたほか、自身のリサイタルや(公社)日本舞踊協会公演など、日本舞踊界を牽引しています。
初代国立劇場では最後となる素踊りの公演に臨む気持ちを伺いました。



吾妻徳穂

―国立劇場の舞踊公演に初めてご出演いただいたのが昭和51年9月の〈三世相錦繍文章〉(さんぜそうにしきぶんしょう)でした。当時から近年まで、ご出演の公演のことなどでどんなことが印象に残っているでしょうか?

吾妻徳穂(以下、徳穂):「三世相錦繍文章」の折はまだ十代でございまして、綺羅星の如く大先輩がご出演の中、今思えば怖いもの知らずにして出演させていただきました。
「獅子の舞踊」(昭和55年5月)では義父の故坂田藤十郎(当時中村扇雀)の「鏡獅子」で胡蝶を勤めましたが、その時はまさか私が嫁ぐことになるとは露知らず……という意味でも良い思い出になっております。
また、開場50周年記念公演の「道成寺の舞踊」(平成28年9月)では、一中節「道成寺」を踊らせていただきましたのが、心に残っております。


昭和55(1980)年5月 『獅子の舞踊』
「春興鏡獅子」胡蝶・吾妻徳彌(現=徳穂)


平成28(2016)年9月 『道成寺の舞踊』
一中節「道成寺」吾妻徳穂

―素踊りを特集する公演は昭和40年代から開催し、先代にも大変お世話になり、また先生も度々ご出演です。素踊りの魅力や、お客様に楽しんでいただきたいところなど、お考えをお教えくださいますでしょうか?

徳穂:素踊りとは、絵画で言えば墨絵のようなものだと考えております。作品のエキスを凝縮し、削ぎ落としたものといいますか。例えば扇の表情一つでも、お客様それぞれが想像を膨らませられるのが素踊りの醍醐味かと思いますので、そのようにご覧いただけましたら有難く存じます。


—劇場の主催公演のご出演はじめとして、様々な形でご協力を賜りました。閉場を10月に控えていますが、改めて今の国立劇場への思い、そして新たな劇場への期待などをお聞かせください

徳穂:主な劇場が歌舞伎座、新橋演舞場、明治座とあった時代から国立劇場ができまして、(公社)日本舞踊協会はじめ多くの舞踊会が開催され、私にとりましても様々な舞台への出演を通じて、人生の半分以上、関わらせていただきました。語り尽くせぬたくさんの思い出があり、また育てていただいた思いが強いです。新たな劇場については、1日も早い開場を願う気持ちで一杯です。


―閉場前に記念として写真を1枚残すとしたら、劇場のどの場所(光景)をお撮りになりますか?

徳穂:劇場2階に展示されております、祖母(初代吾妻徳穂)が描かれている、伊東深水画伯による「娘道成寺を踊る吾妻徳穂」の絵画の前ですね。


―ありがとうございました。

今回は古典の名作とともに、昭和・平成の作品も取り上げ、素踊りの奥深く多彩な味わいをお楽しみいただきます。
ぜひお見逃しなく!

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