歌舞伎公演ニュース
2020年11月24日
『松本幸四郎の歌舞伎を知ろう』
第3回「歌舞伎の生物多様性」
~動物・物の怪・霊獣~を深掘り!
現在、イープラスのStreaming+で好評配信中の歌舞伎入門動画『松本幸四郎の歌舞伎を知ろう』。歌舞伎俳優・松本幸四郎と俳優・八嶋智人が、歌舞伎にふれる機会の少ないビギナーの方向けに、歌舞伎の魅力や特徴を楽しく、面白く、分かりやすくご紹介しています。

↑『松本幸四郎の歌舞伎を知ろう』の詳細は画像をクリック/タップ
このトピックスでは、第3回「歌舞伎の生物多様性」をご覧になられた皆さまに、より深く歌舞伎を知り、親しんでいただけるように、日本芸術文化振興会のWEBコンテンツ「文化デジタルライブラリー」と「歌舞伎への誘い」より、各回に関連している箇所をまとめました。動画をご覧になって、「もっと!歌舞伎を知りたい」と思った方は、ぜひ深掘りしてみてください!


〈前編〉
八嶋智人一人で迎えたオープニング。
なかなか出てこない幸四郎の登場を待っているところ、次々と動物たちが現れます。
歌舞伎では、役者が着ぐるみを着て動物の役を演じることがあります。
こういった着ぐるみは、実は【小道具】に分類されます。
▶ 小道具を

そして、意外なところから幸四郎が登場。八嶋智人を驚かせます。

今回登場した着ぐるみの犬、猪はそれぞれ、どんな作品に登場するのでしょうか。
▶「犬」の登場する作品
・『高時』
鎌倉時代末期に幕府の権力をほしいままに操った北条高時を描いた作品です。
冒頭で、高時が大事にしていた闘犬たちが、老婆を襲います。老婆を助けるために闘犬を殺した浪人・安達三郎が、高時の怒りを買ってしまい……。
鎌倉時代末期に幕府の権力をほしいままに操った北条高時を描いた作品です。
冒頭で、高時が大事にしていた闘犬たちが、老婆を襲います。老婆を助けるために闘犬を殺した浪人・安達三郎が、高時の怒りを買ってしまい……。
▶「猪」の登場する作品
・『仮名手本忠臣蔵』(五段目)を
娘・お軽が祇園に身を売り、手付金の五十両を持ち帰る与市兵衛。その与市兵衛を襲って金を奪った定九郎を、猪が追い回します。無事、猪をやりすごしたかに見えた定九郎ですが、勘平が猪を狙い放った鉄砲の玉に撃たれます……。

娘・お軽が祇園に身を売り、手付金の五十両を持ち帰る与市兵衛。その与市兵衛を襲って金を奪った定九郎を、猪が追い回します。無事、猪をやりすごしたかに見えた定九郎ですが、勘平が猪を狙い放った鉄砲の玉に撃たれます……。
そして、八嶋智人も興味深々だった蝦蟇の妖術を駆使したスペクタクル作品『天竺徳兵衛韓噺』はこちら。
▶ 『天竺徳兵衛韓噺』を

また、錦絵で紹介した作品は、
などなど。このほかにも、歌舞伎には馬や牛などさまざまな動物が登場します。一説によると、十二支はすべて歌舞伎に出て来るとのこと。皆さんも、歌舞伎を観ていくうちに、十二支すべてと舞台で出会えるかもしれません!
前半の最後に、またもや八嶋智人を驚かせた幸四郎。
幸四郎が話題にした蜘蛛の精が人間に害を及ぼそうとする作品とは『土蜘』のことです。
・『土蜘』
土蜘が天下を狙い、その手始めに源頼光を襲う話です。源頼光は大江山の鬼退治をした英雄として名高い人物でした。前後2段の構成で、比叡山の僧・智籌(ちちゅう)、実は土蜘の精が主人公です。
土蜘が天下を狙い、その手始めに源頼光を襲う話です。源頼光は大江山の鬼退治をした英雄として名高い人物でした。前後2段の構成で、比叡山の僧・智籌(ちちゅう)、実は土蜘の精が主人公です。
〈後編〉
今度は、小さな生き物たちが、差し金と呼ばれる黒い棒に操られて登場します。こういった小道具を扱うのは「黒衣の後見」と呼ばれる人たちで、歌舞伎役者が勤めています。
▶黒衣の後見を

また、動物が登場する時に、さまざまな音や音楽が聞こえてきましたね。これは、舞台の下手にある「黒御簾」と呼ばれる小部屋のなかで演奏される「黒御簾音楽」です。天候や情景などのほか、動物の鳴き声までも表現することがあります。
▶ 黒御簾音楽を

その後、話題は八嶋智人が操る狐に移ります。佐藤忠信に化けた狐が活躍する作品は歌舞伎の三大名作の一つ『義経千本桜』です。
▶ 義経千本桜を

▶ 狐忠信を

▶ 静御前を

そして、第3回の最後を飾るのは、松本幸四郎と市川染五郎の親子共演による『連獅子』です。二人の息の合った獅子の舞をダイナミックな映像でお楽しみください。

▶ 連獅子を

第3回のテーマは「歌舞伎の生物多様性」~動物・物の怪・霊獣~ということで、歌舞伎に登場する小さい動物から大きな動物、はたまた伝説上の生き物までご紹介しました。ご紹介した「文化デジタルライブラリー」や「歌舞伎への誘い」で深掘りした後は、もう一度「松本幸四郎の歌舞伎を知ろう」をお楽しみください!(※一度ご購入いただいた方は、視聴可能期間内であれば、何度でもご覧いただけます)
まだご覧いただいていない方も、松本幸四郎と八嶋智人の息の合った軽妙なやり取りで歌舞伎について楽しく学べる『松本幸四郎の歌舞伎を知ろう』をこの機会にぜひご覧ください。
(イープラスへのリンクです)
[関連ニュース]
◆第1回「歌舞伎役者は神出鬼没」~舞台と大道具~を

◆第2回「映(ば)える歌舞伎役者」~化粧・かつら・衣裳~を

歌舞伎について興味が湧いてきた方は、もっと調べてみましょう!
歌舞伎への誘い / 文化デジタルライブラリー( はじめての歌舞伎 / 歌舞伎事典 )
