2023.11.01トークイベント第3回 歌舞伎音楽竹本(太夫)・竹本葵太夫と国立劇場、第4回 歌舞伎俳優・中村米吉と国立劇場 が開催されました

10月22日(日)に、銀座蔦屋書店にて「『初代国立劇場さよなら公演』開催記念トークイベント」が開催されました。このイベントは、銀座蔦屋書店で10月31日まで開催中の「初代国立劇場さよなら記念フェア」に関連した全4回の企画です。
当日は、17時から第3回「歌舞伎音楽竹本(太夫)・竹本葵太夫と国立劇場」、19時から第4回「歌舞伎俳優・中村米吉と国立劇場」が開催され、いずれも満員の盛況で、オンライン配信にも多数ご参加いただきました。


第3回「歌舞伎音楽竹本(太夫)・竹本葵太夫と国立劇場」


▲国立劇場での思い出を語る竹本葵太夫


17時の部は、初代国立劇場さよなら公演の掉尾を飾る10月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』第二部の「道行恋苧環」と「三笠山御殿」にご出演の竹本葵太夫さんをゲストにお迎えしました。聞き手は国立劇場営業課長の渡邊哲之です。
東京都大島町で伝統芸能とは縁のない家庭に生まれた少年が、竹本の太夫に憧れ、国立劇場の伝統芸能伝承者養成研修からスタートして、重要無形文化財保持者(各個認定)いわゆる人間国宝に認定されて現在に至るまでの道のりを、芸談とともに伺うことができました。
現在は講師として後進の育成にも尽力する葵太夫さん。演奏者の高齢化が進んでいた昭和54年、18歳で国立劇場の養成研修に入り、注目を集めたそうです。「当時は、明治・大正にお生まれになった方に囲まれておりました。国立劇場の養成研修がなければ、竹本は存続していなかったかもしれません。今日の私もおりません。先輩方のご指導のお蔭があり、数々の名優のお引き立てを賜り、お客様のご愛顧があって、ここまで歩んでまいりました」という感謝の言葉に、会場からは拍手が起きました。



▲(左から)渡邊哲之(国立劇場営業課長)、竹本葵太夫



▲銀座蔦屋書店 会場の様子


第4回「歌舞伎俳優・中村米吉と国立劇場」


▲国立劇場での思い出を語る中村米吉


19時の部は、同じく10月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』第二部で入鹿妹橘姫を勤める中村米吉さんをゲストにお迎えしました。聞き手は国立劇場理事の大木晃弘です。
平成5年生まれの米吉さんが初めて国立劇場に出演したのは、平成23年12月。『元禄忠臣蔵』御浜御殿の中臈お古宇で初めて女方の役を勤め、戸惑うことばかりだったそうです。その後は出演するたびに成長していく様子を舞台写真で追いながら、国立劇場での思い出を伺うことができました。泣きたくなるような失敗談も明るく聞かせる米吉さんのトークに関心したお客様から「国立劇場の歌舞伎鑑賞教室の解説役をお願いします。きっと初心者のお客さんも歌舞伎が好きになります」との提案がありました。「僕はまだ一度も歌舞伎鑑賞教室に出演したことがありません。ぜひ出演したいです」と米吉さん。
最後には、閉場記念誌『初代国立劇場の記憶』を手に撮影会。会場限定のサイン会でお開きとなりました。



▲(左から)大木晃弘(国立劇場理事)、中村米吉



▲(左)撮影会でポーズをとる中村米吉、(右)閉場記念誌にサインを書く中村米吉



様々な書籍に囲まれた銀座蔦屋書店の素敵な空間で、全4回にわたって開催されたトークイベントにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

銀座蔦屋書店での国立劇場フェアは10月31日までですが、『初代国立劇場の記憶』は引き続き、銀座蔦屋書店・京都岡崎蔦屋書店でお買い求めいただけます。


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