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【千駄ヶ谷だより】国立能楽堂令和8年7月主催公演がまもなく発売です!

狂言 秀句傘
近ごろ、あちらこちらの集まりで、秀句(気の利いた洒落や言葉遊び)が大流行り。世の中に乗り遅れまいと、秀句を得意とする者を召し抱えて習うことにした大名は、太郎冠者に適任者を探してくるよう命じます。やがて太郎冠者に連れられて、元傘張りで傘に関する秀句を得意とする男がやって来ました。大名の所望に応じて男は秀句を繰り出しますが、洒落のわからない大名はそれが秀句とは気づかず…。
能 通盛
阿波国・鳴門の磯で一夏(いちげ)(夏の一定期間、寺にこもって行う修行)を過ごす僧は、夜ごと浜に出て、源平の合戦で亡くなった平家の人々の霊を弔っていました。ある夜、読経する僧の前に、老人と若い女が船にのって現れます。ふたりは、須磨の浦で討死した平通盛と、跡を追い入水した愛妾・小宰相(こざいしょう)の最期を語り、姿を消してしまいました。
やがて、鎧に身を包んだ通盛と美しい小宰相の亡霊が海から姿を現します。そして、自分たちの最期の有様を再現して見せ、僧の供養によって成仏を遂げるのでした。
狂言 文荷
主人が思いを寄せる少人(しょうにん)(少年)・千満(せんみつ)のもとに手紙を届けるよう命じられた太郎冠者と次郎冠者。恋文の中身が気になるふたりは、あろうことか道中で盗み読みをはじめます。面白がって奪い合ううちに、手紙はふたつに裂けてしまい…。取り返しのつかないこの状況を、ふたりはどう切り抜けるのでしょうか。
能 山姥
山姥が山を廻る様子を舞にした芸を得意とし、世間で「百万山姥(ひゃくまやまんば)」と呼ばれている遊女が、供を連れ信濃国・善光寺へと向かっています。山道に差し掛かると、にわかに日が落ち、辺りは暗くなってしまいました。そこに女が現れ、一行に宿を貸そうと申し出ます。不思議なことにその女は遊女が百万山姥であることを知っていて、自らが真の山姥であることを明かします。そして、百万山姥が山廻りの芸を見せたなら、自分も真の姿となり舞を見せようと言い残し、姿を消してしまいました。
やがて真の姿で現れた山姥は、自らの境涯を語り、大いなる自然の有様に仏教の摂理を重ね、山から山へと廻る様子を謡い舞いながら、何処ともなく消えて行くのでした。
白頭の小書(特殊演出)では、後シテが白頭をつけ神格を増した存在として表現されます。
能・狂言を初めてご覧になる方にも親しみやすい作品を選んで、コンパクトに上演する入門向けの公演です。当日の上演前には、ロビーに能楽体験コーナーを設け、舞台では能楽師による簡単なプレトーク(解説)を行ないます。
息子の成人祝いに黄金造りの太刀をつくろうと思った主人が、太郎冠者に「鎌倉へ行って“かねのね”(金の値)を聞いてこい」と命じます。さっそく家を出た太郎冠者は、鎌倉に着くなりお寺めぐりをはじめました。うっかり者の太郎冠者は、どうやら「金の値」と「鐘の音」を取り違えたようで…。
太郎冠者が訪れる寺は流派によって違いがあり、和泉流では寿福寺、円覚寺、極楽寺、建長寺となります。寺ごとの鐘の音の違いをお楽しみください。
能 天鼓
中国・後漢の時代。天から降ってきた不思議な鼓をもつ少年・天鼓は、「鼓を差し出せ」という皇帝の命に背き、呂水(ろすい)に沈められてしまいます。以来、その鼓は誰が打っても鳴ることはありませんでした。けれど、天鼓の父・王伯(おうはく)を召し出して打たせたところ、鼓からは妙なる音が響きわたったのです。皇帝は王伯に恩賞を与え、天鼓の魂を弔うことを約束します。やがて管絃講(音楽を奏す法会)がはじまると、天鼓の霊が現れ、鼓との再会を喜び、弔いに感謝して舞うのでした。
7月25日(土)企画公演 午後1時開演
共通のテーマのもとに、能と民俗芸能をお楽しみいただく企画です。今回は、古から人々が捧げてきた「豊かな実りと大漁への祈り」をテーマに、風流や田楽といった中世歌謡の影響を現代まで伝える芸能をご覧いただきます。
チャッキラコ
神奈川県三浦半島で、江戸時代から毎年小正月(1月15日)に奉納されてきた芸能です。赤い晴れ着姿の少女たちがチャッキラコと呼ばれる綾竹を打ち鳴らして舞い踊り、一年の豊作・豊漁の祈りを神に捧げます。能 加茂
京都・加茂社(上賀茂神社と下鴨神社、二社一体の社)を参詣した播磨国・室明神(むろのみょうじん)の神職は、下鴨神社の糺(ただす)の森を流れる御手洗(みたらし)川のほとりで、新しく築かれた祭壇に白羽の矢が祀られていることに目を留めます。そこに水汲みにやってきた女を呼び止めて矢の謂れを尋ねると、「この矢こそ上賀茂の祭神・別雷神(わけいかずちのしん)のご神体である」と言うのでした。さらに女は、昔、川上から流れてきたこの矢を拾った秦氏女(はだのうじにょ)が別雷神の子を宿して生み、その後、下鴨の御祖(みおや)の神(しん)となったという社の由緒を語り、実は自らが神の化身であることを明かして姿を消してしまいました。夜になり、御祖神が姿を現して御代を寿ぐ舞を舞うと、大地が鳴動し別雷神が来臨します。別雷神は、轟く雷となって恵みの雨を降らせ、豊穣を約束するのでした。
「御田」の小書により中入(なかいり)で演じる間(あい)狂言が替間(かえあい)(常とは異なる特殊な演出の間狂言)となります。神職と早乙女の掛け合いで賑やかに田植の神事の様子を繰り広げる、華やかな演出です。
【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】
●令和8年7月主催公演発売日
- 電話インターネット予約:令和8年6月10日(水)午前10時~
- 国立能楽堂チケット売場窓口・自動発券機は国立能楽堂主催公演日(*)のみの営業(午前10時~午後6時)です。
*販売開始は電話・インターネット予約開始日の翌日以降 - 国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
https://ticket.ntj.jac.go.jp/





