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【千駄ヶ谷だより】国立能楽堂令和8年4月主催公演がまもなく発売です!

四月の月間特集は、絵画とともに能の魅力を味わう「絵画と能」シリーズとして、能を題材にした作品も多く描いた日本画家・下村観山をクローズアップします。同時期に開催中の東京国立近代美術館「下村観山展」とともに、絵画と能、双方の魅力をお楽しみください。
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狂言 鶯
鳥好きの男が野辺に出て、籠に入れた秘蔵の鶯の鳴き声を楽しんでいます。そこに梅若という稚児に仕える家来が鶯を捕りにやってきました。家来は鶯を譲ってほしいと頼みますが、男は承知してくれません。そこで家来は、自らの刀を賭け、籠の中の鶯をみごとに刺す(とり餅を塗った竿で生け捕る)ことができたら鶯をもらう約束をして挑むのですが…。
能 熊野
東国・池田の宿の長の娘・熊野は、時の権力者・平宗盛の寵愛を受け、長らく都に留め置かれています。そこに、遠く離れた故郷の老母の危篤を知らせる手紙が届きました。暇(いとま)を願う熊野ですが、宗盛は聞き入れず、牛車を仕立て強引に熊野を花見に連れ出します。心配と悲しみを胸に押し込め、熊野は宗盛とともに牛車に乗り込み東山へと向かいます。花も盛りの清水寺に着くと、熊野はひとり観音堂にこもり、母の無事を祈ります。やがて満開の桜の下で酒宴がはじまり、宗盛の命で熊野が舞い始めると、村雨が降り出しました。雨に打たれて散る花に母の命を重ねて熊野がしたためた和歌に、宗盛は心を動かされます。帰郷を許された熊野は、観音の利益に感謝し、母が待つ故郷へと急ぐのでした。
絵画作品=《熊野観花》
※終演後、能舞台でアフタートークがございます。
日時:4月 8 日(水)定例公演終演後(午後3時50分頃)
登壇:小林健二(国文学研究資料館名誉教授)、中村麗子(東京国立近代美術館主任研究員)
内容:小林健二氏と中村麗子氏をお招きし、下村観山と能の関わりについて解説いたします。
※4月8日定例公演のチケットをお持ちの方のみご参加いただけます。
狂言 岡太夫
今日は最上吉日、聟入り(結婚後、夫が初めて妻の父親を訪ねて対面する儀式)の日です。めでたく酒杯を納めた後、舅は用意のわらび餅を聟に勧めます。初めて食べた聟が名を訊ねると、舅は、わらび餅だと答え、延喜帝の好物として官位をくだされ「岡太夫」とも呼ばれるもので、『和漢朗詠集』にも詠まれていると教えます。その作り方を妻が知っていると聞いた聟は、家に帰るとさっそく妻に作ってもらおうとしますが、名前が思い出せません。「朗詠の詩」を手掛かりに、妻は詩を吟じてみるのですが…
能 鞍馬天狗
鞍馬山・東谷の僧が、大勢の平家の稚児を引き連れて桜の盛りの西谷へとやってきました。花見を楽しむうち、傍らに不審な山伏がいることに気づいた僧は、警戒して稚児たちを連れて引き揚げてしまいます。ひとり残った稚児は、山伏に牛若と名乗り、平家一門の子供たちに囲まれたなかで源氏の子である自分は肩身が狭いと嘆きます。山伏は、牛若を励ますため、験力(げんりき)を使って数々の桜の名所へ案内します。そして、実は自分の正体は鞍馬の奥僧正が谷に棲む大天狗だと明かして、牛若に兵法を伝授し、守護することを約束するのでした。
絵画作品=《山寺の春》
妻のわわしさ(口うるささ)に心底愛想が尽き、離婚したいと思っている男。けれど妻が簡単には承知してくれないだろうと考え、まずは労わるふりをして里帰りを勧め、「五年でも十年でも好きなだけ実家で休んでこい」と言います。その言葉に夫の本心を見抜いた妻は、激怒して、「離婚を承知するので“暇いとまの印(離縁の証となる物)”が欲しい」と言います。これ幸いと、男が「なんでも好きなものを持っていけ」と言うと…。果たして妻は何を選ぶのでしょうか?
能 弱法師
讒言(ざんげん)を信じて息子の俊徳丸を家から追放したことを悔やむ高安の長者・通俊は、天王寺で七日間の施行(せぎょう)(施し)を行っています。結願(けちがん)の今日は、春の彼岸の中日(ちゅうにち)で、天王寺では、落日を見つめて西方極楽浄土を観想する行事「日想観(じっそうかん)」が催されます。人でにぎわう境内で、通俊は、施行を受ける物乞いのなかに変わり果てた我が子がいることに気づきますが、人目をはばかって声をかけることができません。やがて時刻となり、今は弱法師とあだ名される盲目の俊徳丸は、心眼で夕日を見つめ、日想観に臨みます。瞼の裏に、かつて見た難波の海の景色を感得して、感極まる俊徳丸。やがて西海の彼方に日が沈むと、再会を果たした父と子は、ともに高安の里へと帰っていくのでした。
絵画作品=《俊徳丸》《弱法師》
仕舞 枕慈童
不老長寿を寿ぐ祝言の能『枕慈童』。仕舞では、能の一部を、地謡の謡にのせて、シテが装束をつけずに舞います。狂言 柑子
酒宴の席で、一本の枝先に三つの実がついた珍しい三つ成りの柑子(ミカンの一種)を土産にもらった主人。翌日になって、お供をした太郎冠者に、預けたその柑子をもってこいと命じます。ところが太郎冠者は、昨晩のうちに三つとも食べてしまったので…。さて、太郎冠者はどんな言い訳をしてこの場を乗り切るのでしょうか?
能 松風
西国行脚の僧が須磨の浦に立ち寄り、いわくありげな一本の松に目をとめます。それは、かつてこの土地に暮らしていた海女の姉妹、松風と村雨にゆかりの松でした。姉妹の菩提を弔う僧の前に、ふたりの海女少女(あまおとめ)が現れて、自分たちが松風・村雨の亡霊であることを打ち明けます。そして、その昔、この地に蟄居(ちっきょ)した中納言・在原行平に姉妹で共に仕えた日々を懐かしく振り返るのでした。行平が都に戻った後、形見に残された烏帽子と狩衣を手に取り涙した記憶を語るうちに、思いが募った松風の亡霊は、形見の装束を身に着けて狂乱の舞を舞いはじめます。妄執に苦しむ姉妹の姿は、やがて夜明けとともに消えて行き、浜には松と吹き渡る風の音だけが残るのでした。
見留の小書(特殊演出)により、舞の最後に松風が扇をかざして松を見る型が加わります。松の木に行平の面影を重ねる松風の恋慕の情がより強調される演出です。
絵画作品=《中納言行平・松風・村雨》
【演目解説文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】
●令和8年4月主催公演発売日
- 電話インターネット予約:令和8年3月10日(火)午前10時~
- 国立能楽堂チケット売場窓口・自動発券機は国立能楽堂主催公演日(*)のみの営業(午前10時~午後6時)です。
*販売開始は電話・インターネット予約開始日の翌日以降 - 国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
https://ticket.ntj.jac.go.jp/





