採用情報

先輩職員からのメッセージ(伝統芸能情報センター調査資料課 S・K)

採用年月 令和3年4月
出身学部 教育学部 教育支援課程
所属部署 伝統芸能情報センター 調査資料課
簡単な業務内容紹介 国立劇場所蔵資料の管理・活用、展示企画

質問

入職を決めた理由を教えてください。

答え

 高校時代、親戚からチケットを譲り受け、地元から東京まで足を運んでミュージカルを初めて観劇しました。目の前に別世界が広がるような没入感に圧倒され、舞台芸術に魅了されたことをきっかけに、次第に「誰かと芸術との出会いの場を創る仕事がしたい」と考えるようになりました。当初はエンタメ業界を志望し、現代舞台芸術の制作会社などの説明会に参加していましたが、事業が制作に特化していたり、会社によっては取り扱う作品のジャンルが限定されていることに物足りなさを感じるようになってしまったんです。そんなとき、日本芸術文化振興会の存在を知り、調べてみると、歌舞伎や文楽をはじめとした幅広い伝統芸能の公演を主催しているだけでなく、調査研究や伝承者の養成、芸術団体への助成活動など、多角的に芸術文化を支えていると分かり、その事業内容に共感しました。地方で暮らしていた頃に感じていた「地方でも都会と同じように芸術文化に触れられるようにしたい」という想いも叶えられる環境だと確信し、入職を決意しました。

質問

現在の仕事内容を教えてください。

答え

 入職後の3年間は基金部(現在の企画部基金・助成事務局)に所属し、現代演劇や舞踊団体への助成業務を担当していました。その後、伝統芸能情報センターに配属され、現在の業務は、国立劇場が所蔵する浮世絵や名優のコレクションをはじめとした貴重な資料を管理するとともに、企画展示での公開やデジタルアーカイブを通してその資料を広く発信することです。
 はじめて携わった大きな展示は、国立劇場おきなわで開催された「上方浮世絵展」でした。周囲のサポートを得ながら設営を進め、浮世絵がずらりと並んだ展示室を見たときの達成感は忘れられません。今は、国立文楽劇場で開催される展示の準備を進めているところで、幕末から明治時代に役者絵を多く描いた浮世絵師・三代歌川国貞にスポットを当てた「時代を描いた浮世絵師 三代歌川国貞」の展示に携わっています。展示テーマの提案から作品構成まで私たち職員が手がけることもあり、ゼロから展示を作り上げるやりがいを感じています。

質問

今後の目標を教えてください。

答え

 最近では、国立劇場の所蔵資料を紹介するウェブ連載も持ち回りで担当し、幕末期の江戸で人気を誇った歌舞伎俳優・八代目市川團十郎の「死絵(しにえ)」を紹介しました。江戸時代後期に登場した「死絵」は、スターの死を民衆に伝える浮世絵です。この「死絵」に、現代のSNSにおける追悼文化との共通点を見出し、自分なりの切り口で記事を作成したところ、読者から多くの反応をいただくことができ、手応えを感じました。
 また、日本芸術文化振興会と連携協定を結んでいる韓国の国立釜山国楽院を視察し、デジタル技術を活用した体験型の展示に触れたことも大きな刺激になりました。ジョブローテーションを通して経験できる一つひとつの仕事を次の挑戦に繋げながら、誰かと芸術が出会う感動の瞬間に多く立ち会えたら嬉しいです。
 就職活動中の学生には、「好き」を仕事にすることを躊躇しないでほしいと伝えたいです。自分の気持ちに正直に突き進んだ結果、今の私は毎日楽しく働けています。公的機関でありながら自由度が高く、多彩な角度から芸術に関われるこの場所で、皆さんと出会えるのを楽しみにしています!