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芸術文化振興基金

芸術文化振興基金助成事業令和4年度助成事業事例集

楽市楽座(第二回)

特定非営利活動法人 ACT.JT(助成金額:1,000千円)

ロビーでお出迎え

活動概要

特定非営利活動法人ACT.JT
古典芸能、中世芸能による地域活性化、情報発信、海外文化交流を行っているNPO法人。
設立は2003年12月。理事長は人間国宝、公社)日本芸能実演家団体協議会会長 野村萬。

助成を受けた活動は「楽市楽座」です。

信長が行った商業改革は「らくいちらくざ」ですが、ACT.JTが開催しているこの催しは「がくいちがくざ」と読みます。伎楽、雅楽、散楽、田楽、申楽など大陸から渡来して日本で独自に発展した芸能は〇〇楽と呼ばれました。楽市楽座はこうした日本の芸能と、中国、韓国、インド、インドネシア、タイなどシルクロードを通ってわたってきたふるさとの音楽や舞踊も一つの場に集い、市場のように楽しく展開することを表しています。

2022年度の「楽市楽座」は第二回目。奈良時代から現代に継承されている雅楽に始まり、琵琶、狂言、箏、津軽三味線と歴史を追う縦軸と、北はアイヌ楽から南の沖縄琉楽にいたる日本縦断の横軸、そして、宮中公家から侍、庶民の老若男女が熱中しやがて消えた芸能田楽の再生というプログラムにて開催しました。一つ一つの演奏はもちろんのこと、最後の「大田楽」では能の「土蜘蛛」で用いる蜘蛛の糸を放ち、客席と舞台の一体感のうちに終了しました。終演後のロビーや帰路の人の流れの中では異口同音に「楽しかった」という声が聞こえたとのこと。ACT.JTが意図した「日本の文化芸能の多様性、豊かさ、懐の深さ」は確実に観客に伝わったと感じております。

狂言(野村万之丞)と琵琶(友吉鶴心)

左:アイヌ楽(OKI&MAREWREW)、右:津軽三味線(浅野祥)

助成を受けて

「楽市楽座」を初演しましたのはコロナ禍の真っただ中でした。日程は2回延期し、客席の半数制限を遵守して実施しましたが、集客は大変厳しいものでした。続く第二回もコロナは終息には至らず苦労は続きました。新しい企画をコロナ禍からあえてスタートさせたのは、こういう時期だからこそ華やかに多様な芸能を披露する場を作り、お客様にお楽しみいただきたいという強い思いがあってのことで、その点をご理解いただけ感謝しております。助成をいただかなければ開催そのものが難しかったと思います。

助成の意義

ACT.JTは多様なジャンルを一つにまとめて構成する公演を様々に行っています。例えば狂言の流派、家を超えて若手狂言師を集結させた公演「立合狂言会」や桜の季節に邦楽の多ジャンルが集まる「桜楽」などです。

公演終了後に回収するお客様のアンケートを拝見すると、「この楽器演奏は知っていたが、こちらは初めてでとても素晴らしかった」という内容のものが数多くありました。一度に御覧いただくことの大きな意味はそこであり、お客様と芸能の出会いの場を作ることができました。

東日本大震災の時も、新型コロナウィルス蔓延の時も、「文化芸術には何ができるのか」という事と向き合いました。文化芸術がそこにあることで、人々が生きていく励ましになり、立ち上がるきっかけになり、進んでいく応援になったというたくさんの声が、私たち文化芸術に関わる者たちの大きな力となっています。公的な支援をいただけることで、そのような催しが実施でき継続できております。

今後の活動

多様なジャンルの実演家の方々とご一緒していくうちに、そのジャンルが抱えている課題と一緒に向き合う機会が増えました。日本の伝統芸能が置かれている現実は大変厳しいものであり、支援だけでは乗り越えられない状況がそこにはあります。ACT.JTは多くの演奏家、舞踊家の皆さんとともに、未来へ向かって道を拓く活動をこれからも続けていこうと思っています。

カーテンコール

撮影 あかさかくみ

特定非営利活動法人 ACT.JT

  • 住所〒170-0013
    東京都豊島区東池袋5-7-4 マーブル東池袋7階
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  • Webサイトhttps://act-jt.jp/