助成事業事例

芸術文化振興基金助成事業令和3年度助成事業事例集

長唄 稀曲の試み

長唄 稀曲の試み(助成金額:346千円)

末広

活動概要

長唄演奏家で研究家でもある稀音家義丸が2012年発足した団体で長唄の曲の中でも稀曲と呼ばれる演奏普及率の低い曲の演奏や文献等で辛うじて残された曲の研究と復元演奏をおこなっている。単なる学術的な復元に留まらず、初演での演奏形態や曲の持っている美的要素を各同人が深く考察し、議論を積み重ね、そして長唄演奏家としての経験を用いて生き生きとした演奏曲に蘇らせる事を目的とする。2021年は9月23日、紀尾井小ホール(東京都千代田区)にて開催された。

助成を受けて

邦楽の中でも稀曲を取り上げている演奏会の性格上、集客が難しく同人の負担が増えてしまいます。本助成を受けることにより、予算に悩まされることがなく研究・演奏に集中できる点で非常にありがたいと感じております。

助成の意義

稀曲は難しい・つまらないと思われがちですが、曲として優れていても時代背景や縁がなく埋もれてしまう曲が数多くあります。「長唄稀曲の試み」ではその埋もれてしまった曲を発掘・復曲し公演を行っています。しかし、「稀曲」というだけで二の足を踏んでしまうのが現状です。本助成は活動資金を助成していただくだけではなく、チラシに助成の表記があることで「長唄稀曲の試み」への評価があがると考えます。公演へ足を運んでいただける方が増えることで、少しでも多くの方に稀曲の良さを感じていただけるきっかけになると思われます。

公演を開催するにあたり、新型コロナウイルス感染症の影響による対策に悩まされました。感染リスクを下げるため受付や客席、出演者の動線を考え公演を行いました。特にディスタンスを守るため客席の使用率を50%に制限しました。当然この分集客率が悪くなり予算的には難しいことがありましたが、助成のおかげで無事に開催することができました。また、地方在住で新型コロナウイルス感染症の影響で来場することが難しい方のため、細かい解説が記載されているプログラムとDVDの製作・販売を行ったところたくさんの反響がありました。

草刈

長唄の伝承について

春の色

寿丹前

今後の活動

未だに埋もれている名曲は数多くあると考えています。今後も助成を活用させていただき、研究・復曲を続け一つでも多くの曲を発信していきたいと思います。また日本文化の一つである邦楽、大事な伝統芸能を広めるために様々な活動を行っていきたいと考えています。

長唄 稀曲の試み

  • 住所〒150-0021
    東京都渋谷区恵比寿西2−18−6 杵家会館内
  • TEL03-3461-1953 (代)
  • E-mail
  • Webサイトhttps://nagauta-kikyoku.com/