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芸術文化振興基金

てがみ座 第10回公演『汽水域』

舞台芸術等の創造普及活動 演劇

てがみ座
助成金額 2,000千円

活動概要

てがみ座は、劇作家の長田育恵による創作戯曲を上演する現代演劇の団体。2008年に設立。豊かなドラマと心の機微を捉える台詞に重点をおき、上演作品に応じて、演出家、出演者を集め、多彩な才能とコラボレートするスタイルをとっている。

上演作品の『汽水域』は、今回が初演。シアタートラム(東京都世田谷区)にて10回、愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場PLATで3回上演された。タイトルにもなっている「汽水域」は海水と淡水がまじりあう場所という意味。物語の主人公は、フィリピンに住む日系二世の父親と三世になる息子たち。フィリピン河川敷のスラム、横浜市の日雇い労働者街を舞台としてコミュニティの崩壊と個人の魂の再生を描いている。

てがみ座 第10回公演「汽水域」(撮影:伊藤雅章)

てがみ座 第10回公演「汽水域」(撮影:伊藤雅章)

助成を受けて

私たちの劇団は、発足して5年目になります。活動をするにあたり、人材、資金ともに不足気味でしたので助成金の応募を検討していました。まだ法人化もできていない状態ですが、任意団体でも応募が可能で、個人ではなく公演全体に対する助成でしたのでこちらに申請をしました。

本作品は、当初から東京に加え豊橋でも上演する予定でした。少しでも観客を増やしたいと思い、事前に豊橋へ取材に出かけ、その際に、ニホンウナギが日本から3,000km離れたマリアナ諸島西方で生まれ、潮流を漂いながらフィリピン沖で黒潮に乗り、日本の河川を目指すことを伺いました。この鰻の話から着想を得て、日本とアジアのつながりを海流というものを通して見渡すという物語を創作しました。実際にフィリピンにも取材に行き、上演のためのスタッフ、キャストを集めました。

作品は高く評価され、反響が大きかったこともあり、NHKでも放映されました。また、作品創作に関わっていただいた豊橋やフィリピンの関係者の方々との交流も大きな財産となりました。

一方、観客動員については芳しくなく、特に豊橋での公演は苦戦しました。良い作品をつくれば観客も増えると信じて活動しておりますが、劇団の運営やよりよい創作のためにも、もう少し広報を工夫していかなければならないと感じています。

これまでは、物語を通して戦後史を俯瞰し現代日本の座標をとらえることをねらいとしてきましたが、その活動には区切りがついたように感じています。今後は演劇の根本に立ち返り、人間の関係性からあぶり出されるドラマと時代性を描く試みへと移行したいと思っています。

てがみ座
URL:http://tegamiza.net(外部サイトへリンク)

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