連載企画「まくがあいたら」
【お茶の水女子大学附属小学校×国立劇場】図画工作科授業「まくがあいたら」
授業レポート③ みんなの幕を味わう
伝統芸能をみんなに知ってもらうとりくみの一つとして、国立劇場は、お茶の水女子大学附属小学校の図画工作の授業に協力したよ。その一連の授業をシリーズ企画「まくがあいたら」としてリポート中!今回は最後となる3つ目の授業レポート。まだの人は、1つ目・2つ目のレポート記事もぜひ読んでみてね!
「授業レポート➀ 幕ってなんだろう?」の記事はこちら
「授業レポート➁ 自分の幕をつくろう!」の記事はこちら
さて、1回目の授業で「歌舞伎の幕」をテーマに先生たちのお話をきいて、2回目の授業で自分のオリジナルの幕を描いたんだったね。今回はまとめの回で、自分の幕についてコメントを書いて、ほかの人とこうかんしたり、みんなに紹介したりして、ふりかえりや鑑賞をするよ。
小沼先生(以下「こ)」)いくつかのテーマで何枚か描いた人も、ひとつのテーマでじっくり描いた人もいたんだったね。みんなの幕を見てみよう。
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感想がいっぱいとんで盛り上がってる!
それに、「これ、Aさんのだ!」「これはBさんっぽい!」とすぐに描いた人の名前が出たりして、お互いをよく見ているんだね。
作品をたくさん見てしげきされたように「もう一枚描かせてー」という声も。
こ)ほかの人の作品を見てみるとおもしろいよね。それで、今日はみんなが描いてくれた幕のお話を丁寧にききたいな。前回描いているところを見てまわったときに、作品を見るだけではわからなかったことが、お話をきいて「そういうことだったんだ~」って見方が変わったりしたんだ。だから、今日はこのワークシートを書いてじっくりほかの人と見せあって、そのあとすこし発表の時間をとるので、自分の幕を紹介してほしいです。
書きはじめるみんな。ワークシートには「じぶんがかいたまくについて(色・かたちなどのりゆう)」を書くよ。
こ)いま、「なにも考えないで描きはじめたから理由を書くのがむずかしい」ってきこえたけど、それもいいね。あとづけで「これってこういうことかも」ということでもいいよ。
そして、ほかの子のワークシートを見せてもらう時間。
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にぎやかだね~。ともだちの作品を見てしつもんしたり、自分の作品に感想をもらったりするのってたのしいよね。
きこえてくる声に耳をすますと…?
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「歌舞伎がはじまるまえのワクワクする気持ちになりそうな色をさがした」「好きなピンクで描いてたらおもしろくなってどんどん思いうかんで…」「歌舞伎の色は濃いから、逆にうすくしてみた」「この波は前に葛飾北斎展で見た波を思いだして描いた」「このお花はおくり幕にあった役者さんの紋をイメージしてて…(「おくり幕」は一回目の授業に出てきた、ファンから俳優さんへのプレゼントの幕だよ)」
…などなど、ぜんぶは書ききれないくらい色々な声が!たしかに話をきいてみると、作品それぞれにアイデアやインスピレーションがあることがわかって楽しいね。
こ)じゃあ、自分の作品を紹介したい人いますか?
「はーい!」と手がたくさんあがったよ!
まずは紹介してくれる人の話をきいて、そのあとみんなからのしつもんや感想もきいてみよう。
最初はこちら。
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「これは、緑はキャベツ、水色は水、白はキャベツのしんで、線は土です。」
こ)線も実は土を表してたんだ!なるほどね~。風景じゃなくてそこにあったものを模様にしたんだね。
「浪幕みたいに見えてきた!」「色の組み合わせがきれいだと思った」
たしかにさわやかな色合いだな~と思ったけど、実はもとになるイメージがあったんだね。
次はこちら。
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「真ん中から描き始めて広げていったらこうなって、いちばん上の三角もなんとなく描きました。右上と左上は鳥と雨で、これはさみしい感じだったから足してみました。」
こ)なるほど、あれを描こうってことじゃなくて、なんとなく描いていってみたんだね。作品に名前をつけるならどうなるかな?
「レインボークリスマスツリー!」「ロケットみたい」「よこにすると魚みたい」「着物みたい」
自由に描いたことで、いろんな見え方をする作品になったんだ。見ているみんなの想像力もすごいね。
その次は…?
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「これは色んな幕をくみあわせてこんな幕になったんだけど、まんなかの山は山幕、横のなみなみの線は浪幕、左は霞幕です。」
「上が定式幕だ!」「左の青が水引幕っぽい」「浅黄幕じゃない?」
「もうひとつ描いてて、これも組み合わせです。下が定式幕と霞幕、左は浅黄幕で、右側はオリジナル。上の星もオリジナルで、クロスした線は定式幕をイメージしてます。でも山幕みたいにも見えるかも。」
どちらも幕をくみあわせた作品だけど、モチーフの配置によってがらっと印象が変わっているね。
次は…?
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「定式幕からヒントをえて描きました。ななめとかよこが入ってるのは、たてだけだとつまらないから。ここで問題です、これには丸とバツ、どっちが入ってるでしょう。」
「バツ~!」
「正解、バツが入ってます。」
「左に丸っぽいのが見えるよー!」
「左の丸っぽく色があるところは、緑をぬろうとしてオレンジをぬっちゃった。」
これも色がきれい!たしかに四隅のぬり分けがむずかしそうだけど、4か所ともクロスの重なり方がちがっていて考えた跡が見えるね。
次はどんな作品かな?
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「まんなかの丸の上と下に葉っぱがあって、あとは黄色い線のうえに緑の点々があります。点々はこの時間につけたしてて、ほかの人の作品にあった、ペンを置いてにじませるっていうのをやってみました。はしっこまでぬりつぶしたらきれいに見えたと思います。水色の橋みたいなのは小川みたいな感じにしました。」
「これは丸がいっぱい!」「角の丸いやつの色の順番がぜんぶちがうのがすごい」「ほんとだー!」
「順番を変えたのは、おなじだとつまんないと思ったから。」
「でもぜんぶおなじでそろえるのがおもしろいこともあるかも」「たしかにー」
ふしぎなもようにおしゃれな色だな~と思ったけど、じつはちいさな自然がまざっていたんだ。同じだとつまらないからっていう理由もいいね。
「これはまだ途中だけどよく見るとドラゴンがいて、いろんな色がまざってるのは時空間がまざってるってことです。そこにまちがってドラゴンが入って、上にさつまいもがあります。」
「なんでさつまいも?」
「さつまいもの看板とかにしてたけど、やっぱりやめてさつまいもになりました。下はカミナリがあって、異世界。これからドラゴンが飛ぼうとしてます。このドラゴンは神で、天国にいて、レインボーカーテンに会えると地上にもどっていけるって感じです。」
「ほんとだ、頭にわっかがあるー」「ええーすごいお話だ」
みりょくてきなお話だね!ストライプは定式幕から着想をえたのかな?でもそこからゆうだいな世界を考えたんだね。
「これは色にこだわって、形はあんまり考えなかったです。人の感情をイメージしていて、赤は愛、黄色やオレンジは喜び、水色や青は涙、紫と緑は病気、黒や茶色や灰色は闇、白は無、あと黄緑は元気です。」
「ピカソみたい!」「馬みたいに見える」「カミナリはどうしてあるの?」
「オレンジは喜びだから、カミナリにうたれても全然平気だから。」
「それくらいの喜びを表現したってことか~」
どうやって考えついたんだろう?と思ったら色と感情がむすびついていたんだ。そう聞くと、じっと見ているといろんな気持ちがしげきされるような気がしてくるね。
これで最後の授業もおわり。小沼先生からの「幕の授業はどうだった?」という問いかけに、「歌舞伎は知ってたけど幕のことを知らなかった。そんなにいっぱい種類があると思ってなかった」、「よこに引くだけじゃなく上から落とす幕もあっておもしろかった」、「いままでの授業でいちばんいっしょうけんめい描いた!」、「幕をかざってほんものの歌舞伎をやりたい」などなどうれしい感想が。
一回目の授業をきいて、あいたりとじたりする幕を紙で作ってきてくれた子もいたよ!幕をとおして歌舞伎がみんなの心に残ったみたいでうれしいな。
さいごに作品がしゅうごう~!ここにすこしだけのせるよ。
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すてきな作品ばかりだね。どの作品からも、歌舞伎の幕らしいあざやかな色づかいや、大胆でわかりやすい形を感じられて、歌舞伎の幕がみんなの中で新しく生まれ変わったみたい。ここからさらに、この幕があいたら…あの幕の前でお芝居をしたら…と想像をふくらませていったらどうなるかな?きっともっともっと楽しいよね。
歌舞伎をよく見る人にとっても、幕や歌舞伎について新鮮にとらえなおすきっかけになったんじゃないかな?読んでくれている人もぜひ自分オリジナルの幕を描いてみてね!
この連載企画では3つの授業レポートのほかにも、作品の紹介や、先生たちが1回目の授業で使った資料もアップされるからぜひチェックしてね。























