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鑑賞教室

ご利用校の取り組み

鑑賞教室ご利用校の取り組みを取材させていただきました。

取材先 頌栄女子学院中学校
平成22年7月歌舞伎鑑賞教室(演目「身替座禅」)を観劇
取材日 平成22年7月9日 午前11時~午後1時

1. 事前学習について

観劇日に先だち校内で行われた「歌舞伎鑑賞事前講義」の模様を見学させていただきました。

今回講義を受けたのは中学校の全校生徒700人。頌栄女子学院では、毎年全校で歌舞伎鑑賞教室を観劇しており、2年生以上は歌舞伎鑑賞も事前講義も前年に体験済みとのことです。

はじめに「身替座禅」が狂言「花子」を基にしていることに触れた後、あらすじ解説を中心に講義が進められました。主なセリフはプリントにして配り、ポイントとなるセリフは口語体に直しながら解説。

「山の神」「持仏堂」などの用語についても丁寧に説明され、全体として「言葉の聞き取りにくさ、分かりにくさを解消していこう」という意図が感じられました。

講義の最後は、観劇態度についてのお話し。といっても「行儀を良くしなさい」、ということではなく「生の舞台を観るのは、テレビや映画とは全然違います。演じ手と観客が一体となって作りあげるのが演劇です。面白いところでは笑ってもいいし、拍手もどんどんしてください。」という言葉で、約40分の講座は終了しました。

2.担当の先生のお話

担当の益川敦先生(国語科)に事前講義の狙いなどを聞きました。

『本校では、中学、高校の6年間、毎年生徒に歌舞伎鑑賞教室を観劇させています。事前講義は中学3年生までを対象にしていますが、高校生になればもう自分なりにお芝居を楽しめるだろうと考えています。

この講義を担当してもう十年になります。はじめのうちは歌舞伎の歴史なども解説していましたが、これらのことは後から調べれば分かることですし、公演でも、解説ステージ「歌舞伎のみかた」で触れられています。試行錯誤した結果、やはり、せっかくの生の舞台を体験する機会を退屈なものにさせない、観劇をサポートすることが一番、と今は考えています。今回の講義もこの考え方に立ち、あらすじと言葉の理解を深めることを重視しています。

事前講義にあたっては、鑑賞の手引きとして国立劇場から事前に送られてくる「上演資料集」を読み、見どころをはじめ講義のポイントを整理します。少し難しい資料ですが、「ここが見どころです。」というお仕着せの鑑賞ガイドでない分、先入観なく講義のプランを立てることができ重宝しています。

今回の「身替座禅」は、夫婦の微妙な問題を扱ったいわば大人のコメディで、中学生にはその面白みが伝わりにくいかな、と思いましたが、講義をしていて生徒たちの反応はよかったですね。長い物語の一部を上演するような演目の場合は、実際に鑑賞する場面にいたるまでの説明に時間を割かなければいけませんが、その点「身替座禅」ではお芝居の中で物語が完結するので、生徒にとっても観やすい演目かもしれませんね。』