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歌舞伎公演ニュース

2026年10月2日

【10月歌舞伎公演】

『本朝廿四孝 ―筍掘り―』
好評上演中!!

新国立劇場中劇場で20日(火)まで!

(舞台写真あり)

 文化庁芸術祭オープニングを飾る10月歌舞伎公演では、『本朝廿四孝』から通称「筍掘り」と呼ばれる物語をご覧いただきます。新国立劇場中劇場で、初日の幕が開きました!
 雪中の迫力ある立廻りと、次々に明かされる驚きの真相が圧巻の知られざる名場面です。27年ぶりとなるこの貴重な上演を、中村又五郎の横蔵、中村錦之助の慈悲蔵、中村魁春の越路ほか、充実の配役でお届けいたします。

 舞台写真とともに、物語のあらすじをご紹介します。

◆◆◆

 武田信玄と長尾(上杉)謙信が対立する戦国の世。将軍・足利義晴暗殺の責任を負わされた信玄と謙信は、三回忌までに真犯人を見つけられなければ、それぞれの嫡子・勝頼と景勝の首を差し出すことを約束します。しかし約束の期日が過ぎても犯人は見つからず、両家は窮地に陥っていました。

 そんな折、諏訪明神で狼藉を働き、あげくに長尾家の家来を蹴散らした横蔵(中村又五郎)。拝殿から現れた景勝(坂東彦三郎)は、観念して斬られようとする横蔵の顔を見て、自身と似ていることに気付くとその命を助けます。

刀を収めたかげかつと、斬られず驚くよこぞう

序幕 諏訪明神お百度石の場
[左より] 横蔵 後ニ山本勘助(中村又五郎)、
長尾景勝(坂東彦三郎)

 一方、横蔵の弟の慈悲蔵(中村錦之助)は、母への孝行のため甲斐と越後の国境・桔梗ヶ原へ幼い我が子の峰松を捨てに来ます。程なくして武田家の執権・高坂弾正(片岡松之助)とその妻唐織(市村萬次郎)、長尾家の執権・越名弾正(中村松江)とその妻入江(市川齊入)が捨てられた赤子を見つけます。
 着物についていた札を見て、それぞれの主君が召し抱えたいと願っている名軍師・山本勘助ゆかりの子に違いないと考えた両者が争った結果、赤子は高坂夫婦が連れ帰ります。

我が子を捨てに来たじひぞう
二幕目 桔梗ヶ原の場
慈悲蔵 実ハ直江山城之助(中村錦之助)

赤子をうばい合った武田家と長尾家の執権夫婦
二幕目 桔梗ヶ原の場
[左より] 高坂弾正妻唐織(市村萬次郎)、
高坂弾正(片岡松之助)
越名弾正(中村松江)、
越名弾正妻入江(市川齊入)

 雪深い山里に、亡き山本勘助の名を預かる妻の越路(中村魁春)と、息子の横蔵、慈悲蔵が暮らしています。越路はなぜか兄の横蔵ばかり可愛がり、弟の慈悲蔵には雪中にあるはずもない筍を掘るよう言いつけます。しかし、訪ねてきた景勝が自身の身替りとして横蔵の首を要求すると、越路は意外にもそれを受け入れます。

じひぞうに冷たく接するこしじ
大詰 勘助住家の場
[左より] 慈悲蔵 実ハ直江山城之助(中村錦之助)、
母越路(中村魁春)

かげかつと話をするこしじ
大詰 勘助住家の場
[左より] 母越路(中村魁春)、
長尾景勝(坂東彦三郎)

よこぞうの足をさすり甘やかすこしじ
大詰 勘助住家の場
[左より] 横蔵 後ニ山本勘助(中村又五郎)、
母越路(中村魁春)

 一方、手に入れた峰松を盾に、慈悲蔵を武田家の軍師に迎えようと高坂弾正の妻の唐織が来訪すると、慈悲蔵は母の言に従ってそれを拒み、非情にも雪の降りしきる戸外に我が子を残したまま裏の竹藪へ向かいます。慈悲蔵の妻のお種(市川高麗蔵)は堪えきれず、力づくで門口を開けて峰松を抱き上げます。唐織はこれで慈悲蔵が味方になったと喜びますが、突然手裏剣が飛んできて峰松は息絶えます。お種は横蔵の仕業かと、怒りの形相で跡を追います。

みねまつを抱えてやって来たからおりと話すじひぞう夫婦
大詰 勘助住家の場
[左より] 慈悲蔵女房お種(市川高麗蔵)、
慈悲蔵 実ハ直江山城之助(中村錦之助)
高坂弾正妻唐織(市村萬次郎)

息絶えたみねまつを抱え怒るおたね
大詰 勘助住家の場
慈悲蔵女房お種(市川高麗蔵)

 慈悲蔵が母のため一心に筍を探していると、白鳩が集まってきました。父の軍法の奥義書が埋まっているに違いないと喜ぶ慈悲蔵のもとへ横蔵が現れ、二人は掘り出した箱を巡って争います。

鍬と鋤を持って争う、よこぞうとじひぞう兄弟
大詰 勘助住家裏手竹藪の場
[左より] 慈悲蔵 実ハ直江山城之助(中村錦之助)、
横蔵 後ニ山本勘助(中村又五郎)

掘り出した箱を巡って争う、よこぞうとじひぞう兄弟
大詰 勘助物語の場
[左より] 慈悲蔵 実ハ直江山城之助(中村錦之助)、
横蔵 後ニ山本勘助(中村又五郎)

 争う兄弟を制した越路に景勝の身替りとして切腹するよう迫られた横蔵は、自らの右目を短刀で抉り、人相を変えてそれを拒みます。そこへ、慈悲蔵が長尾家の家来・直江山城之助として現れます。実は慈悲蔵は長尾家に仕えており、主君の身替りとして横蔵の命を狙っていたのでした。一方、横蔵もすでに武田信玄に召し抱えられており、将軍家を守るために人知れず行動していました。雪中の箱の中身は将軍家の白旗で、横蔵がひそかに隠しておいたものでした。
 越路に器量を認められ、「山本勘助」の名跡と奥義書を与えられた横蔵は、その奥義書を慈悲蔵に譲ります。兄弟は戦場で再会し、勝負を決することを誓うのでした。

右目を抉り身替りを拒否するよこぞう
大詰 勘助物語の場
山本勘助(中村又五郎)

戦場での再会を誓った兄弟と、こしじ、おたね、からおり
大詰 勘助物語の場
[左から]慈悲蔵女房お種(市川高麗蔵)、
直江山城之助(中村錦之助)
山本勘助(中村又五郎)、
母越路(中村魁春)、
高坂弾正妻唐織(市村萬次郎)

◆◆◆

 雪深い山里を舞台にした親孝行がテーマのおとぎ話のような世界が一転、登場人物たちの思惑と駆け引きが交錯する、重厚な歴史ドラマに変貌します。その驚きに満ちた展開と歌舞伎ならではの美しい舞台を、心ゆくまでお楽しみください。
 皆様のご来場をお待ちしております。

【あらすじ紹介マンガ・動画のご案内】
物語のあらすじをご紹介するマンガ・動画をご用意いたしました。観劇前の「予習」や、観劇後のふりかえりにもピッタリです。ぜひご覧ください。
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