国立文楽劇場友の会

イベントレポート

第129回文楽のつどいを開催しました。<国立文楽劇場友の会>

12月22日(木)、初春文楽公演に因み、第129回文楽のつどいは国立文楽劇場と大阪歴史博物館においての、コラボ企画を初開催しました。

はじめに、大阪歴史博物館の澤井浩一学芸員に「大阪歴史博物館所蔵資料でたどる文楽の歴史-初春文楽公演によせて-」と題し、文楽と大阪にまつわるお話を、貴重な写真や資料を交えながら解説していただきました。江戸から現代までの芝居小屋や、戦時中は文楽でも戦争に関連するような演目もしていた事など、各年代ごとに構成されたお話に会員の皆様も所々メモを取りながら熱心に聞いておられました。

休憩をはさんで、竹本織太夫と澤井浩一学芸員との「文楽と発祥の町大阪」と題した対談でお楽しみいただきました。

織太夫「大阪育ちなので、道頓堀は子供の頃からよく行っていました。堺筋近くに知り合いの喫茶店があり、そこもよく行きましたが、昔からある風景は少なくなりましたね。」

続いて、澤井学芸員から織太夫の文楽の家系についての質問がありました。
織太夫「小さい頃は芸人さんが泊まる旅館をしていたので、長唄や三味線など家に有名な芸人さんがいっぱいいて、一緒にご飯を食べていた。ユニークなエピソードもたくさんあるが、ここでは言えない(笑)」の発言に会場中に笑いがあふれていました。

厳しいお稽古の話に及ぶと、「僕の世代が厳しいお稽古を受けた最後の世代、師匠方は怖かったが、今はとても感謝しているし財産だと思っています。」と当時のお稽古の様子を振り返り、「浄瑠璃の稽古をしないと浄瑠璃の筋肉はつかない」との言葉に皆様、深くうなずいておりました。また、「文楽が栄える事で、大阪の町やお店もうるおう。ミナミで育った自分の恩返しだと思います。」と締めくくりました。

最後に、サプライズとして竹本織太夫のサイン入り卓上カレンダーのプレゼント抽選を行い、当選された方からは、「サイン入りでとても嬉しい!」とのご感想をいただきました。

この後、会員の皆様は大阪歴史博物館の常設展示(大大阪の時代など)を自由に見学されました。

次回のつどいも、会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております!