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歌舞伎公演ニュース

2025年6月13日

7月歌舞伎鑑賞教室

『色彩間苅豆―かさね―』

中村萬壽、中村芝翫が
成功祈願(累供養)を行いました!

 国立劇場7月歌舞伎鑑賞教室/親子で楽しむ歌舞伎教室は、『色彩間苅豆ーかさねー』を上演します。

 通称『かさね』と呼ばれる本作は歌舞伎舞踊の名作の一つで、江戸中期の浄土宗の高僧・祐天上人の霊験譚(神仏の力によって願いなどが叶う物語)として語り継がれてきた伝説をもとにした物語です。祐天寺境内にあるかさね塚は、『色彩間苅豆』の復活上演(大正9年)が好評を博したことを記念して、大正15年に六代目尾上梅幸、十五代目市村羽左衛門、五世清元延寿太夫等が施主となり、建立されました。歌舞伎で累にまつわる演目を上演する時は、かさね塚に詣で累一族を供養し、公演の無事と上演の盛会を祈願します。

 公演に先立ち、中村萬壽、中村芝翫が、東京・祐天寺で、成功祈願(累供養)を行い、公演への思いを語りました。



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中村萬壽
(かさね)

 さきほど芝翫さんと、今回上演させていただく『色彩間苅豆ーかさねー』にゆかりのあるここ祐天寺で法要をいたしました。無事に千穐楽まで勤めたいと思っております。昨年の12月にも京都・南座で息子の萬太郎と勤めましたが、芝翫さんとは初めて『かさね』を踊らせていただきます。私は今年古希で、芝翫さんは還暦でございますが、まだまだ元気でおりますので、最後のところの殺しの場面などは、2人でいっぱい動きたいなと思っております。

 初めて踊りました時、坂東玉三郎の兄さんに教えていただいたことを、しっかりと覚えていますので、今回も大切にしたいと思っております。
 お腹に子供がいることや、惚れてしまったことなど、物語を伝える前半の踊りよりも、そのあとの「駒下駄履いて~」のところの踊りが好きです。少し右足が悪くなっているというところなども、上手く見せられたらなと思っています。

 『かさね』は舞踊劇ですが、ストーリー性も強く、最後は殺しの場面もあり見どころも多い演目です。今回はお客様により分かりやすく、場面のあらすじや状況の説明を付け加え、清元の語りが分かるように字幕も表示します。
 また、劇場には、斜めの花道を作りますし、お子さんも多くご来場されるのであまり暗くしないようになど、鑑賞教室ならではの舞台を作り上げ楽しんでいただきたいです。

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中村芝翫
(与右衛門)

 国立劇場の歌舞伎鑑賞教室には3年続けて出演させていただき、恒例のようになってきております。父(七代目中村芝翫)も度々勤めた演目で、夕食の席で話が出てくることもありましたし、兄(中村福助)と一緒の舞台では、兄が後ろに反るときに、よい格好ができるように手で支えたりしていたことを覚えています。
 今回は12年ぶりです。萬壽のお兄様とご一緒させていただけるのは、すごくありがたく、精一杯勉強して勤めたいと思います。

 この演目の魅力の一つは、やはり曲ですね。清元の名曲ですし、なんて素敵な歌詞だろうといつも聞き惚れてしまいます。そして前半の絵に描いたような2人の姿、細かい芝居ではなくて、大らかさがある中で、あの2人の風情というものを感じていただけたら嬉しいです。
 与右衛門は、自分にナルシストでなければいけません。自分がいい男であるということをすり込んで出て行かないと。お兄さんに惚れられるような、魅力あふれる与右衛門にしていかなきゃいけないですね。

 鑑賞教室を観劇なさった帰り道に、お母さんと小学生のお子さんとが、お芝居の感想などを話していたり、小学生や中学生の方が(昨年出演した)『四の切』の真似をしていたりするのを見かけると、とても嬉しいですね。私も『かさね』を父がやっている時に、お芝居ごっこでいっぱい真似をしましたからね。そんなお芝居にできるといいなと思います。

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 歌舞伎鑑賞教室は、毎回趣向を凝らした解説付きで歌舞伎の親しみやすい演目をお楽しみいただける公演です。価格もお手頃で、観劇の手引きになる豆知識をまとめた歌舞伎読本やイラスト入りプログラムを無料配布いたします。
 清元の名曲にのせて繰り広げられる、歌舞伎ならではの美しさと変化に富んだ名作舞踊をお楽しみください。

 夏休み特別企画として、全日程で「親子で楽しむ歌舞伎教室」(一般・学生料金よりもお得な親子割引あり)を開催します。また、25日(金)には、英語字幕・イヤホンガイド付きで楽しめる「Discover KABUKI ―外国人のための歌舞伎鑑賞教室―」を開催いたします。

 皆様のご来場をお待ちしております。



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※親子券も販売中。
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