日本芸術文化振興会トップページ > 伝統芸能情報館 > 企画展示 「見世物の精華」
国立劇場調査養成部調査資料課
かつて見世物は、庶民に最も親しまれた身近な芸能娯楽であった。とくに江戸時代後期には、江戸の両国や浅草、大坂の難波新地などで盛んに興行され、都市の盛り場にはつきものの楽しみであり、内容としては「曲芸」「細工見世物」「動物見世物」の3つが主なジャンルであった。なお、「細工見世物」とは、よく知られた物語や歴史の場面、伝奇伝説人物、名所風景などを、各種素材の細工と、からくり、大道具大仕掛、人形ほかで仕組んで見せたものである。見世物は当時の庶民共有の話題であり、錦絵や絵番付など関連する出版物が数多く刊行されている。
このたび国立劇場では、四十年前後の長い時間をかけて収集してきた錦絵や絵番付などの見世物資料509点を、図版オールカラーで『国立劇場所蔵 見世物資料図録』として令和3年(2021)2月に刊行する運びとなった。
そこでそれに合わせて、所蔵資料の粋を紹介する企画展示『見世物の精華』を2月6日から5月26日まで、伝統芸能情報館で開催する。多くの方々にたくさんの見世物資料の優品、稀品、貴重な品を直接ご覧いただき、私たちが拠って立つ過去の時代と文化を、これまで以上に知っていただくきっかけとなれば幸いである。
監修:川添裕(横浜国立大学大学院教授)
会期 | 令和3年2月6日(土) ~ 5月26日(水) |
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開館時間 | 午前10時から午後6時 |
休室日 | 令和3年3月11日(木) |
場所 | 国立劇場伝統芸能情報館 1階 情報展示室 |
入場制限 | 25名以内 ※展示室内の混雑緩和のため |
入場料 | 無料 |
主な展示資料のご紹介です。展示資料一覧(PDF)のダウンロードはこちらから。
浮世絵 あらわし岩尾 丈六尺三寸(女力持) 明和~安永頃カ 江戸・両国
錦絵 東都名所 両国橋夕涼全図 ※見世物小屋(両岸) 天保頃 江戸・両国
錦絵 ふきや町小芝居にて 花桐繁十郎 曲まくら(曲枕) 天明3年(1783)頃 江戸・葺屋町
摺物 なんばしんち大すずみゑづ(難波新地大涼み絵図、見世物の集覧) 天明2年(1782) 大坂・難波新地
錦絵 両国於而 早竹虎吉かる業図(石橋、木舞渡り) 安政4年(1857) 江戸・両国
錦絵 雷のはなれわざ 大坂下り・早竹虎吉(軽業 一念雷と筑紫の飛梅) 安政4年(1857) 江戸・両国
絵本番付 早竹虎吉大当り(軽業) 江戸末期
錦絵 駱駝之図(駱駝の見世物) 文政7年(1824) 江戸・両国
錦絵 ギヤマン舩(ギヤマンガラス細工) 弘化4年(1847) 江戸・浅草
錦絵 籠細工 浪花細工人・一田庄七郎(豊干禅師と虎) 文政2年(1819) 江戸・浅草
絵番付 からくり御曹子嶋巡 細工人・竹田近江大掾(竹田からくり) 元文5年~寛保2年(1740~42)カ
絵番付 新工夫風からくり 細工人・田中儀右衛門(蒸気からくり) 天保頃
錦絵 (曲独楽竹沢藤次道成寺、誉れの的) 弘化元年(1844) 江戸・両国
錦絵 風流生人形(松本喜三郎 遊女黛) 安政3年(1856) 江戸・浅草
錦絵 人形之図(松本喜三郎生人形 鏡山) 安政3年(1856) 江戸・浅草
絵番付 西国順礼三十三所観音霊験記 松本喜三郎(生人形) 明治12年(1879) 大阪・千日前
かつて見世物は、庶民に最も親しまれた身近な芸能娯楽でした。とくに江戸時代後期には、江戸の両国や浅草、大坂の難波新地で盛んに興行され、都市の盛り場にはつきものの楽しみでした。
このたび国立劇場では、錦絵や絵番付など所蔵の見世物資料509点を図版オールカラーで『国立劇場所蔵 見世物資料図録』として令和3(2021)年2月に刊行し、その粋を直接ご覧いただく企画展示『見世物の精華』を2月6日から5月26日まで伝統芸能情報館で開催します。
長年、見世物の研究をおこない、図録と展示の監修者でもある川添裕氏が、見世物とその資料を見る楽しみを、たっぷりと語ります。
日時 | 令和3年3月13日(土)午後2時~ (午後3時30分終了予定) |
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講師 | 川添 裕 (横浜国立大学大学院教授) |
会場 | 伝統芸能情報館3階レクチャー室 |
募集人数 | 56名 全席座席指定(応募者多数の場合は抽選) |
受講料 | 500円 (当日現金にてお支払いいただきます) |
応募締切 | 令和3年2月26日(金)当日消印有効 ※ご応募は締め切らせていただきました。 |
応募方法 |
往復はがき1枚で1名様(重複応募分は無効) 往復はがきの往信裏に①ご住所②お名前③電話番号④講座の日付➄講座のタイトルを、返信表にご住所とお名前を明記の上、下記の宛先にご応募ください。 〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1 ※結果は返信はがきでお知らせします。お寄せいただいた個人情報は、今回の募集以外の目的では一切使用いたしません。 ※令和元年10月1日より郵便料金が改定になりましたので、ご注意ください。 |
お問い合わせ先 | 調査資料課図書・資料係 TEL 03-3265-7061(直通) |
監修:川添裕(横浜国立大学大学院教授)、樋口保美(見世物研究家)
発行:独立行政法人日本芸術文化振興会
A4判縦・208頁・フルカラー
販売価格:2,700円(税込)
かつて見世物は、庶民に最も親しまれた身近な芸能娯楽でした。
とくに江戸時代後期には、浅草や両国、大坂の難波新地といった都市の盛り場で、軽業・曲馬などの「曲芸」、からくり・生人形などの「細工見世物」、ゾウ・ラクダなどの「動物見世物」ほかの掛小屋が華やかに競い合いました。近代以後も、西洋文化の影響のもと、装いを変えた新しい見世物が生まれています。
このたび国立劇場では、四十年前後の長い時間をかけて収集してきた錦絵や絵番付などの見世物資料509点を、図版オールカラーで『国立劇場所蔵 見世物資料図録』として刊行します。
所在地 | 〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1 | |
TEL | 03-3265-7411 | |
最寄り駅 | [地下鉄] | 半蔵門線 「半蔵門駅」 下車 1・6番出口から 徒歩 約5分 有楽町線・半蔵門線・南北線 「永田町駅」 下車 4番出口から 徒歩 約8分 2番出口から 徒歩 約10分 |