日本芸術文化振興会トップページ > 国立能楽堂 > 2022年度 > 【公演特設ページ】Discover NOH & KYOGEN(10月14日(金)外国人のための能楽鑑賞教室)
国立能楽堂では、令和4年10月14日(金)に Discover NOH & KYOGEN を開催します。
英語による解説に続き、狂言「墨塗」と能「鍾馗」をお楽しみいただきます。日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語の6ヵ国語の字幕で皆様の鑑賞をサポート。狂言・能の説明やセリフに加えて、解説の翻訳も表示されますので、英語が苦手なお客様でも安心。
海外からのお客様を含め、能楽(能と狂言)を初めて観る方にピッタリの公演です!
Discover NOH & KYOGEN
令和4年10月14日(金)午後5時30分開演
解説(英語)
小山 龍介(名古屋商科大学大学院ビジネススクール准教授)
狂言 墨 塗
善竹 隆司(大蔵流)
能 鍾 馗
佐野 登(宝生流)
(左)善竹隆司 (右)佐野登
善竹隆司(ぜんちく・たかし)
狂言方大蔵流、1973年生、善竹彌五郎の長男、父及び祖父の故初世善竹忠一郎に師事、日本能楽会員、神戸市在住。
佐野 登(さの・のぼる)
シテ方宝生流、1960年生、故佐野萌の甥、故宝生英雄に師事、日本能楽会員。
墨塗 善竹十郎
狂言「墨塗」
長らく滞在していた都を離れて国元に帰ることになった大名。都で馴染みになった女に別れ話に行くと、女がしきりに泣くのでついほだされます。ところが女の涙は、側に置いた水を顔につけた偽りの涙。そうと気づいた大名の家来・太郎冠者が、こっそり水を墨とすり替えます。女はすり替えに気づかないまま嘘泣きを続け……。
鍾馗 東川光夫 撮影=亀田邦平
能「鍾馗」
官吏試験に落第し憤死した鍾馗。しかし死後に及第を得、守護神となった鍾馗は、悪鬼を平らげ、国土安穏を約束します。
中国・唐の時代に玄宗皇帝の夢に鍾馗と名乗る霊が現れ、病を祓ったという故事があります。鍾馗は右手に剣を持った鬼神の姿で描かれ、日本でも疫病退散の神として大切にされてきました。古来鍾馗にかけられた願いがより切実に感じられる今、疫病退散の祈りも込めてお届けします。
葛飾北斎 筆 「朱描鐘馗図」 メトロポリタン美術館蔵
鍾馗とは中国で広く信仰された神様で、能「鍾馗」では彼が信仰されるに至った逸話を題材にしています。
中国・唐代、玄宗皇帝の夢の中で病を払った鍾馗、目覚めた皇帝が鍾馗の姿を当時の著名な絵師に描かせたところ、夢で見たままの鍾馗の図が出来上がったそうで、以来鍾馗の図は疫病除けとして大切にされてきました。
この信仰は日本にも伝わり、特に端午の節句には幟や五月人形として鍾馗が飾られ、子どもの健やかな成長を祈願したのだとか。中でも朱描きの鍾馗は疱瘡(天然痘)除けの力があると信じられました。また京都の町屋等では屋根の上に瓦でできた鍾馗を飾って、今でも守り神としています。
日本文化の中で多くの庶民に長く愛されてきた神様、鍾馗にまつわる本曲にご期待ください。
Discover NOH & KYOGEN
電話・インターネット予約=9月10日(土)午前10時より
窓口販売=9月11日(日)より