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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】10月公演が間もなく発売開始です

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂10月主催公演のラインナップをご紹介いたします。心地よい秋風が吹き抜ける好季節に、皆様のご来場をお待ちしております。

6日(水) 定例公演  午後1時

蟹山伏

 修行を終えて国元へともどる途中の山伏が沢にさしかかると、何やら得体の知れないものが飛び出してきました。なんとそれは蟹の精でした。杖で打つと、蟹のハサミで耳をはさまれてしまい…。さて、このピンチ、山伏はどう切り抜けるのでしょう?

仏原

 加賀国・仏原にさしかかった旅の僧の前に里の女が現れます。女は、ここは舞の名手として都で名を上げた白拍子・仏御前が亡くなった場所だと言い、昔語りをはじめます。かつて平清盛が、祇王という白拍子から仏御前へと心を移したこと。仏御前は、祇王の境遇は明日のわが身と悟って出家し、祇王を訪ねて心を通わせたこと。そうして、女は自分が仏御前の亡霊であることをほのめかします。
 弔う僧の前にかつての姿で現れた仏御前の亡霊は、悟りの境地を表す舞を舞うのでした。

9日(土) 普及公演  午後1時

清水

 茶の湯に用いたいので、野中に湧く名水を汲んでくるよう主人から命じられた太郎冠者。毎度汲みに行かされてはかなわないので、鬼が出てあわや喰われそうになったと嘘をつき、逃げ帰ってきたふりをします。すると主人は、太郎冠者が置き忘れてきた手桶を惜しみ、自ら取りに行くと言い出します。嘘がバレては大変と、太郎冠者は先回りをし、鬼の面をかぶって主人を脅すのですが…。

蟬丸

 延喜帝の第四皇子・蟬丸は生まれつきの盲目ゆえ、逢坂山に捨てられます。出家の姿となり悲しみにくれながら琵琶を弾じていると、髪が逆立った異様な姿で長らく諸国を彷徨ってきた蟬丸の姉・逆髪が、偶然、通りがかります。琵琶の音にひかれ再会した、狂乱の姉と盲目の弟。ふたりは手を取りあい、互いの身の不幸を嘆きます。やがて逆髪は、再びさすらいの身にもどり、蟬丸は逢坂山にひとりまたとどまるのでした。

15日(金) 定例公演 午後5時30分

小傘

 村に草堂が建ったので、堂守を雇うため街道に出向いた田舎者。タイミングよく僧と新発意(仏門に入ったばかりの者)に出会い、ふたりを連れて村にもどります。ところがこのふたり、博奕で食い詰めて出家を余儀なくされた、にわか僧とその使用人だったのです!

春栄

 鎌倉幕府の家臣・高橋権頭のもとに、捕虜となっている春栄との面会を求めて兄・種直が訪ねてきます。兄に危険が及ばぬよう、春栄は兄弟ではないと言って拒みますが、兄の必死の説得を受け入れ、ふたりは面会を果たします。再会もつかのま、春栄の処刑が目前となって、種直は身代わりを申し出るもかなわず、弟とともに死ぬ決意をします。ついに春栄の首が落とされようとしたその時、赦免の使者が駆けつけて、ふたりは命を救われます。高橋は春栄を養子に迎えることとして祝言を執り行い、一行はそろって鎌倉へと向かうのでした。

21日(木) 外国人のための能楽鑑賞教室 Discover NOH & KYOGEN  午後6時

 英語による解説の後、狂言、能を6ヵ国語(日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語)の字幕付きで上演します。

口真似

 ひとりで飲むのもつまらないからと、主人は太郎冠者に酒の相手を探してくるよう言いつけます。ところが太郎冠者が連れてきたのは、酒乱で有名な男! 主人は困惑しますが、ここは穏便におひきとり願おうと考えます。気の利かない太郎冠者が余計なことをして事を荒立てないよう、自分と同じようにふるまえと命じたのですが…。

高砂

 肥後国・阿蘇神社の神主の友成が都への旅の途中、播磨国・高砂の浦で、松の木陰を掃き清める老夫婦と出会います。老人は、高砂の松と住の江の松を「相生の松」と呼ぶいわれを語り、繁栄の象徴である常緑の松葉になぞらえて、和歌が栄える今の世のめでたさを讃えます。そうして自分たちがこの相生の松の化身だと明かし、友成と住吉で再会することを約して沖へと消えていきました。
 やがて住吉の岸に着いた友成一行の前に、颯爽とした姿の住吉明神が出現し、天下の泰平を祝福し、舞を舞うのでした。

30日(土) 特別公演 午後1時

頼政

 旅の僧が、宇治で出会った老人に名所の案内を請うと、老人は最後に平等院へと向かい、かつてここで源平の合戦があり、今日がその合戦の日だと語ります。老人は、合戦で自刃した源頼政の亡霊だったのです。
 やがて、頼政を弔う僧の前に往時の姿で現れた頼政の霊は、僧の回向に感謝し、合戦へと至った経緯や戦の様子を再現した後に、さらなる供養を願いつつ消えて行くのでした。

飛越

 茶の湯に招かれた男が、寺の新発意を連れて出かけます。途中の小川を、男は軽々と飛び越えますが、臆病な新発意はどうやっても飛べません。見かねた男が手をとって一緒に飛びますが、新発意だけが川に落ち、ずぶぬれになってしまいます。その姿を見て男が大笑いすると、ムッとした新発意は…。

三井寺

 わが子と生き別れになった母親が、清水寺の観世音の霊夢を蒙って、三井寺へと向かいます。
 今宵、仲秋の名月の三井寺では、寺に仕える稚児たちが僧に伴われ月見をしています。子への思いで物狂いとなり、鐘の音に心乱れた母親は、境内にたどり着くと僧の制止を振り切って自らも鐘をつき、月光のもとで舞い興じます。やがて心の落ち着きを取り戻した母は、三井寺の稚児となっていたわが子とめでたく再会を果たすのでした。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●10月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:9月8日(水)午前10時~
  • ・窓口販売:9月9日(木)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

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