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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】12月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂12月主催公演のラインナップをご紹介いたします。凛とした冬空が美しい年の瀬の季節、皆様のご来場をお待ちしております。

 12月は《月間特集 所縁の能・狂言―勧進能―》と題してお届けします。勧進能とは、社寺や仏像の建立・修理に際し広く寄附を募るための興行で、室町時代から江戸時代にかけて盛んに行われました。12月の公演では、なかでも有名な4つの勧進能で演じられた作品を、ゆかりの演者で上演します。

1日(火) 定例公演  午後1時

伊文字

 清水の観世音のお告げで、妻となる女とめぐり会えた男。住む場所を問われた女はヒントとなる和歌を詠んで立ち去ってしまいます。ところが男は、肝心な和歌の下の句を忘れてしまい…。

実盛

 時宗の指導者・遊行上人が加賀国篠原で説法会を行っています。連日熱心に通ってくる老人に上人は声をかけますが、どうやら周囲の人々には老人の姿は見えていないようです。上人から名を問われた老人は、かつて篠原の合戦で討たれた斎藤実盛のことを語りはじめます。老いぼれと敵にあなどられないよう髪や髭を黒く染め、一期の思い出にと大将のみに許される錦の直垂を着用する許しを総大将・平宗盛から取り付けて、死を覚悟して出陣した実盛。実は老人は、その実盛の亡霊だったのです。

12日(土) 普及公演 午後1時

猿聟

 聟入り(聟が結婚してはじめて舅の家を訪れる儀式)で、吉野山の猿が妻や大勢の供を引き連れて嵐山に住む舅猿のもとにやってきます。盃事が行われ、猿たちは舞い謡い、賑やかな酒宴が繰り広げられます。
能『嵐山』の替間を独立した作品として上演する替間狂言です。

舎利

 旅の僧が京都・泉涌寺を訪れ、秘宝の仏舎利(釈迦の遺骨)を拝み感涙していると、ひとりの男が現れます。旅僧とともに釈迦在りし昔に思いを馳せ拝みはじめた男ですが、突如、鬼と化して舎利を奪い取り虚空へと飛び去ってしまいます。実はこの男こそ、釈迦入滅の折に舎利を奪って逃げた足疾鬼の執心だったのです。
 泉涌寺の僧の祈りによって、かつて足疾鬼から舎利を奪い返した韋駄天が出現します。韋駄天は足疾鬼を天上まで追いかけて行き、みごと舎利を奪還するのでした。

18日(金) 定例公演 午後6時30分

悪坊

 旅の僧が道中で道連れになった男に脅され、無理やり男の定宿に連れ込まれてしまいます。僧は、男が酔っ払って寝込んだ隙に逃げようとしますが、これまでの成り行きを思い返すとどうにも腹の虫がおさまりません。そこで僧は仕返しに…。

邯鄲

 山奥での平凡な暮らしを悔いて、進むべき道の教えを乞うため、尊い僧のもとへと旅をする青年・盧生。途中、ひと休みした邯鄲の里の宿で「行く末を悟ることができる」という不思議な枕を借り、つかのまの眠りにつきます。夢のなかの盧生は皇帝として迎えられ、華やかな王宮での日々を送ります。在位五十年を迎えたある日、不老不死の霊酒を飲み、ついに仙人の身となります。
 やがて目が覚めると、そこはもとの宿屋。栄耀栄華の五十年も、粟の飯が炊けるまでのつかのまの夢でしかない――。人生とこの世の真理を悟った盧生は、母が待つ故郷へと帰っていくのでした。
 中国を舞台とした作品で、舞楽を模したとされる独特な舞「楽」が舞われます。盤渉の小書により、笛の調子が高く変化に富んだものとなり舞に華やぎを添えます。

26日(土) 企画公演 午後1時

米市

 暮らしが苦しく正月を迎える準備ができない男。毎年、年の瀬になると有徳人(新興の富裕者)が剛力米(生活支援の施米)を送ってくれるのですが、今年は大晦日だというのにまだ届きません。しかたなく有徳人の家を訪ねてみると、うっかり送るのを忘れていたのだといいます。けれど、すでに蔵は閉められていて、米俵を出すことができず…。

鞍馬天狗

 鞍馬山の僧が大勢の平家の稚児を引き連れて花見にやってきます。花見を楽しむ一行の傍らに不審な山伏がやってきたので、僧は警戒して稚児たちを連れて帰ってしまいます。あとにはひとりの稚児と山伏が残ります。稚児が源氏の牛若と名乗り、平家一門の子供たちのなかで肩身の狭い身であることを嘆くと、山伏は験力を使い数々の桜の名所へ案内して牛若を励まします。そうして、実はこの山の大天狗だと明かして、牛若に兵法を伝授し守護することを約束するのでした。
 通常、シテの大天狗のみの後場が、「天狗揃」の小書によりツレの小天狗7人が加わって、牛若に兵法の稽古をつける演出となります。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●12月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:11月16日(月)午前10時~
  • ・窓口販売:11月17日(火)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※12月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。

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