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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】4月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂4月主催公演のラインナップをご紹介いたします。春の気配もようやく濃くなりつつある季節、皆様のご来場をお待ちしております。
 国立能楽堂では文化の祭典「日本博」の総合テーマによせて、≪日本人と自然≫をテーマに作品を特集します。4月は「春夏秋冬」として、日本の四季を象徴する演目を取り上げます。
 なお、昨年中止となりました公演を、一部変更して開催いたします。

7日(水) 定例公演  午後1時

土筆

 友と連れ立って春の野に遊びに出た男が土筆を見て「土筆の首しおれてぐんなり」と歌を詠みます。「ぐんなり」はおかしいと友が笑うので、古歌にも「わが恋は松を時雨の染かねて真葛ヶ原に風さわぐんなり」とあると反論します。けれど「それは“さわぐんなり”ではなく“さわぐなり”だ」とさらに笑われて…。文字でなく耳から覚える言葉は、ときとして思いがけない間違いをひきおこします。

熊野

 時の権力者・平宗盛は、遠江国(静岡県)・池田の宿の熊野を寵愛し都に留めおいています。故郷の老母の危篤を知らせる手紙が届き、熊野は暇を請いますが、宗盛は花見に行くのだと言って暇を許してくれません。花盛りの道を東山へと向かう熊野の心は愁いに沈んでいます。清水寺に着くと、熊野は母を思って仏前で祈ります。酒宴がはじまると、宗盛は熊野に舞を命じます。舞の途中、にわかに降り出す雨。雨に打たれて散る花に母の命を重ねて熊野が和歌をしたためると、心を動かされた宗盛は、ついに熊野の帰郷を許すのでした。

10日(土) 普及公演  午後1時

呂蓮

 旅の僧の話を聞いた宿の亭主は、ぜひ出家をしたいと願い出ます。親類家族はみな了解しているというので、僧は亭主の髪を剃り、法名を授けます。そこに食事の支度が調ったと、宿の女房が現れたのですが…。

夕顔

 旅の僧が京都・五条辺りを通りかかると、廃屋の中から歌を吟じる女の声が聞こえてきます。女はこの場所が源氏物語に書かれた某の院の跡だと言い、ここで命を落とした夕顔と光源氏のはかない恋を物語り、自分はその夕顔の亡霊だと打ち明けて姿を消します。夜になり、僧が弔っていると、夕顔の亡霊が在りし日の姿で現れます。ここで源氏と過ごした夜、物の怪に襲われた恐ろしさと、源氏だけを頼りにするしかなかった孤独。当時を思い返しつつ舞う夕顔の亡霊は、法華経の功徳によって救われたことを喜び、夜明けとともに消えていくのでした。
 金春流の現行曲にはない作品でしたが、平成30年2月に約400年ぶりに復曲上演されました。

16日(金) 定例公演 午後5時30分

栗焼

 客にふるまう栗を焼くことを主人から命じられた太郎冠者。焼きあがった栗はいかにもおいしそうです。味見と称してひとつ食べると、あまりのおいしさに手がとまらなくなり…。

小督

 高倉院が寵愛する小督の局は、中宮徳子の父・平清盛の権勢を恐れて宮中を去り、嵯峨野に身を隠しています。嘆き悲しんだ院は、行方を探すよう源仲国に命じます。今宵は仲秋の名月。琴の名手の小督は月に誘われて琴を弾くに違いないと思った仲国は、嵯峨野に馬を走らせます。予想は的中し、聞こえてきた「想夫恋」の曲で隠れ家をつきとめます。一度は対面を拒む小督でしたが、熱意に打たれて仲国を招き入れます。院からの親書を受け取った小督は、返事を仲国に託します。名残の酒宴の後、仲国は小督に見送られ、馬に乗り都へと帰っていくのでした。

22日(木) 企画公演「日本人と自然」 午後1時

木六駄

 冬になると都の伯父に薪と炭を贈っている主人。今年も届けるようにと命じられた太郎冠者は、大雪のなか、薪を積んだ牛六頭(木六駄)と炭を積んだ牛六頭(炭六駄)を引き、酒樽を携えて都へ向かいます。あまりの寒さに峠の茶屋で酒を飲もうとするとあいにくの品切れで、届けるはずの酒樽に手をつけてしまいます。茶屋の亭主と酒盛りがはじまり、すっかり気が大きくなった太郎冠者は木六駄も亭主に与えてしまい…。

泰山木

 風雅を愛する桜町中納言は、桜の花の命が短いことを残念に思い、寿命を司る神・泰山府君を祀って、桜花の延命を祈念します。同じように桜の美しさに魅せられた天女は、花を愛でるあまり一枝を手折って、天に昇ります。やがて天女の狼藉が発覚すると、泰山府君が姿を現して、天女から枝を取り戻します。そうして散りかけた花を蘇らせ、わずか七日間だった桜花の寿命を三倍に伸ばすのでした。
 金剛流のみが現行曲としていた『泰山府君』を、平成12年にワキ方の福王茂十郎氏が世阿弥時代の地謡の形で上演した作品。国立能楽堂では平成14年以来の再演です。

29日(木・祝) 企画公演「女性能楽師による」 午後1時

 第一線で活躍する女性能楽師による公演です。性別の差に拠らない、より普遍的な能の表現を探ります。

葛城

 大和国(奈良)葛城山の奥深くで大雪にみまわれた山伏一行。そこに現れた里の女は、一行を庵に招いて火を焚いてもてなし、自分を救うための加持祈祷をしてほしいと頼みます。いにしえ、役行者から岩橋を架けることを命じられたものの、醜い容貌を見られるのが嫌で夜しか作業ができず橋が完成しなかったこと――。実は自分は、その咎で今も蔦葛で縛られ苦しんでいる葛城の神だと名乗って消えます。夜が更けて、読経する山伏たちの前にふたたび現れた葛城の神は、祈りに感謝し、神代の昔から伝わる大和舞を舞って、夜が明けないうちにと姿を消していくのでした。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●4月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:3月8日(月)午前10時~
  • ・窓口販売:3月9日(火)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※4月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。

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