日本芸術文化振興会トップページ  > 国立能楽堂  > 【千駄ヶ谷だより】3月公演が間もなく発売開始です!

国立能楽堂

トピックス

【千駄ヶ谷だより】3月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂3月主催公演のラインナップをご紹介いたします。徐々に寒さも緩み、日ごとに春を感じる季節、皆様のご来場をお待ちしております。

 3月の公演では、平家物語にまつわる作品を取り上げます。26日は、東日本大震災からの復興への祈りをこめて復曲上演した廃絶曲「名取ノ老女」の再演。祈りとは何かを現代にあらためて問いかけます。

3日(水) 定例公演  午後1時

折紙聟

 結婚して初めて妻の実家を訪ねる聟入りの日。妻をともなって舅のもとに赴いた聟は、祝いの引き出物がでないことに腹を立て、妻を置き去りにして帰ってしまいます。後になって「引き出物の用意が間に合わなかったから」と舅が折紙(目録)を渡したことを妻から聞かされた聟は態度を豹変し…。

吉野静

 兄・頼朝との不和により追手をかけられた源義経。吉野山の衆徒(僧兵)を頼って山へのがれましたが、衆徒たちの心変わりで山を下り逃げることになりました。しんがりを命じられた腹心の佐藤忠信は、山中で偶然に出会った義経の愛妾・静御前と、義経を落ちのびさせるため一計を案じます。衆徒たちが一堂に会する中、忠信は都からの参詣者に紛れ込んで「頼朝と義経が和解し追跡の必要がなくなった」というデマを流し、静は法楽の舞で衆徒の心をひきつけ戦意を喪失させたのです。そうして、義経が無事に落ち延びることがかなったことを見届けた後、静はひとり都へと帰っていくのでした。
 前入の小書によって、観世流では通常は演じられない前場を補っての上演となります。

13日(土) 普及公演  午後1時

墨塗

 訴訟のため長らく都に滞在していた大名が国元に帰ることになり、暇乞いのため都の女の家を訪れます。別れを告げられた女は泣きだし、大名ももらい泣きとなりますが、大名の従者の太郎冠者がふと見ると、なんと女は脇においた水を目につけて泣きまねをしているではありませんか! 太郎冠者はその事実を大名に知らせようとするのですが…。

 信濃国・木曽の山里の僧が都見物の旅に出ます。途中、鳰の海(琵琶湖)のほとりの粟津ヶ原にさしかかると、松蔭に祀られた祠の前で祈り、涙する女と出会います。言葉を交わすうちに、僧が木曽の山里の出であることがわかると、女はここが木曽義仲ゆかりの地であることを告げます。実は、女は木曽義仲の愛妾で、戦に同行し義仲の最期を見届けた女武者・巴御前の亡霊だったのです。やがて本性の姿で僧の前に現れた巴御前の亡霊は、女性であるがゆえに義仲と最期をともにできなかった無念と、自らの戦いの奮闘ぶりを語るのでした。
 女性を主人公とした唯一の修羅物の作品で、金剛流での上演は国立能楽堂主催公演では初となります。

19日(金) 定例公演 午後5時30分

蜘盗人

 大好きな連歌の集まりで、頭(もちまわりの主催者)になった男は、参加者をもてなす資金がないため、大きな屋敷に盗みに入ります。ところが物音を立ててしまい、慌てて身を隠そうとしたところ大きな蜘蛛の巣にかかって動けなくなってしまいます。それを見つけた主人は、見逃すかわりにとある提案をします。さて、男の運命やいかに?

景清

 かつて悪七兵衛の異名をとった平家の猛者・景清は、源平の戦いに敗れた後、源氏が栄える世の中など見たくないと自ら両の眼をえぐって盲目となり、日向国に暮らしています。そこに、父を探して娘の人丸がはるばる鎌倉からやってきます。乞食のような今の自身の境涯を恥じ、一度は他人のふりをした景清ですが、里人のはからいで親子の対面を果たします。娘に乞われた景清は、屋島の合戦での敵将・三保谷四郎と戦いの様を語って聞かせ、やがて人丸は鎌倉へと帰っていくのでした。

26日(金) 企画公演 午後5時30分

維盛

 熊野詣の途中に茶屋でひと休みする男はなにやら訳ありな気配で、団扇であおぐ音にさえ驚き慌てふためくありさまです。その様子から茶屋の主人は、男が水鳥の飛び立つ音を敵の来襲と勘違いして逃げ出した、おたずね者の平維盛だと気がつきます。捕らえて突き出すのかと思いきや、亭主は二発ほど頭を殴らせろと言い出して…。
 笛方の能楽師で、現代の狂言作者としてウィットの利いた作品を世に送り出した故帆足正規作の新作狂言です。

名取ノ老女

 「名取の老女という巫女を訪ねて、虫食いの跡が和歌になったこの葉をとどけよ」という夢のお告げに導かれ、熊野三山の山伏が陸奥国・名取の里にやってきます。若き日、毎年熊野詣をしていた老女ですが、年老いて参詣ができなくなり、今はこの地に熊野三山を勧請し祈りをささげていました。山伏の勧めで老女が法楽の舞を舞うと、熊野権現の使いである護法善神が現れて、篤い信仰心を祝福し加護を約束するのでした。
 別名『護法』という古作の能で、国立能楽堂で平成28年に復曲上演されました。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●3月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:2月16日(火)午前10時~
  • ・窓口販売:2月17日(水)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※3月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。

  • 歌舞伎・能楽・文楽鑑賞教室のご案内
  • バリアフリー情報
  • 会員募集中! 国立劇場友の会 あぜくら会
  • 快適なご観劇のために
  • キャンパスメンバーズのご案内
  • 伝統芸能を「調べる」「見る」「学ぶ」文化デジタルライブラリー
  • 伝統芸能に興味津々 養成事業
  • 芸術の創造・普及活動を援助する 芸術文化振興基金
  • 国立能楽堂 出版物のご案内