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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】2月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂2月主催公演のラインナップをご紹介いたします。梅の香りに春の訪れを待ちわびる季節、皆様のご来場をお待ちしております。

 2月は、月間特集《絵画と能・狂言》と題した恒例のシリーズで、演目と同じ題材が描かれた絵画とともに能の魅力を味わう企画です。これまでは近代絵画を取り上げてきましたが、今回スポットを当てるのは近世の絵画。また、狂言は江戸時代の『狂言絵』に描かれた曲目から、当時と現在で演出が異なると思われる作品を取り上げてご紹介します。

3日(水) 定例公演  午後1時

粟田口

 世の中では、所蔵の道具の優劣を競う「道具競べ」が流行中です。なかでも最近の流行りは「粟田口(刀)競べ」だと聞いた大名は、粟田口を手に入れるため太郎冠者を都に遣わせます。ところが粟田口が何かを知らない太郎冠者は、とんでもないものを買ってきてしまい…。

杜若

 旅の僧が、今を盛りと杜若が群れ咲く三河国八橋にやってきました。そこに、どこからともなく女が現れて、ここはかつて在原業平が「かきつばた」の五文字を句の頭に置いた歌(唐衣着つつなれにし妻しあればはるばる着ぬる旅をしぞ思う)を詠んだ名所であることを教え、僧に一夜の宿を貸します。女は、自分は杜若の精であり、歌舞の菩薩の化身であった在原業平の歌に詠まれたことで、草木ながら成仏がかなったと語るのでした。草木国土悉皆成仏。人だけでなく草木でさえも仏性を持ち、成仏ができるという思想を杜若の精に託して描いています。
 取り上げる絵画作品は、尾形光琳の《八橋図屏風》(米国・メトロポリタン美術館蔵)。国宝《燕子花図屏風》(根津美術館蔵)と同じテーマで燕子花(杜若)と八橋を描いた六曲一双の屏風です。

19日(金) 定例公演 午後5時30分

塗附

 連れ立って歳暮の挨拶に出かけたふたりの大名。どちらも日々の忙しさにかまけて烏帽子の塗りがすっかり剥げたままになっていて、いささか見た目が気になります。そこにちょうど塗師が通りかかり、これ幸いとふたりは烏帽子を着けたままその場で塗り直してもらうことにしたのですが…。

 訴訟のため都に長期滞在中の夫は、地元九州芦屋の里で自分の帰りを待つ妻を気にかけ、侍女を遣わします。妻は侍女を迎え入れると、里人が打つ砧(布をやわらかくし艶を出すのに用いる木槌)の音を聞くうちに、孤独の慰めに自らも砧を打とうと思い立ちます。しんしんと冷えさびる秋の夜に、妻の心を託した砧の音が響き渡ります。そこに夫から、この年末も戻れなくなったという知らせが入ります。希望を失った妻は、重い病を得て息をひきとりました。急ぎ帰郷した夫のもとに妻の亡霊が現れて、待つ日々の疑心暗鬼の辛さや恋慕の妄執を切々と訴えます。やがて亡霊は、夫の厚い弔いの功徳により成仏をはたすのでした。
 絵画作品は葛飾応為の《月下砧打ち美人図》(東京国立博物館蔵)。北斎の娘で近年注目が集まっている応為は、確認されている現存作品が世界で10点ほど。謎多き女浮世絵師です。

27日(土) 普及公演 午後1時

仁王

 博打で一文無しになった男。仲間に相談をすると、近ごろあちこちに「仏が降る」という噂が立っているのに乗じて、男を仁王像に仕立てて人々から賽物をまきあげようという計画が立てられます。うまくことが運んで、参詣客がつぎつぎやってきたのですが…。

通小町

 比叡山の麓・八瀬の僧のもとに、薪や木の実を届けに毎日通ってくる女がいます。身元をたずねても答えませんが、かわす言葉から僧は女が小野小町の亡霊であろうと推察します。女の言葉と故事を手掛かりに僧が市原野に赴いて弔うと、供養を喜んで小町の亡霊が現れ、続いて深草少将の亡霊が姿を現しました。深草少将は、「百夜通ったら思いをかなえましょう」という小町の言葉を信じて毎日通い続け、あと一夜で願いがかなう九十九日目についに力尽き命を落としたのです。その無念からともに愛欲地獄にとどまろうと小町の亡霊につきまとい、成仏を妨げていたのでした。
 絵画作品は葛飾北斎の肉筆画《七小町屏風》から雪の中を百夜通いをする深草少将を描いた「通小町」(北斎館所蔵)です。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●2月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:1月16日(土)午前10時~
  • ・窓口販売:1月17日(日)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※2月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。

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