日本芸術文化振興会トップページ > 国立劇場 > 【新刊】『木下闇緑林』登場‼
国立劇場では歌舞伎をはじめとする伝統芸能の調査研究を行い、刊行物として出版しています。
この度12月歌舞伎公演「増補双級巴」に合わせて、正本写合巻集『木下闇緑林』(こしたやみみどりのはやし)の影印・翻刻を刊行しました。
合巻とは江戸後期に書かれた挿絵入の小説本で、歌舞伎脚本を原作としたものを特に正本写(しょうほんうつし)とよんでいます。
今回ご紹介する正本写は、「木下曽我恵石聚路」(きのしたそがめぐみのまさごじ、[石][聚]は一つの漢字です)という、嘉永4年(1851)中村座正月の上演をもとに書かれています。石川五右衛門の釜煎が江戸で初めて上演され、三月までロングランとなった作品。また四代目市川子団次の出世作ともなり、のちに12月上演の「増補双級巴」へと繋がっていきます(公演解説書(プログラム)や上演資料集もご参照ください)。
実は、この「木下曽我恵石聚路」の正本写は三種類存在し、ともに主要人物は上演時の役者の似顔で描かれています。ところが、今回刊行する『木下闇緑林』は他の二書と比べて創作性が高く、上演された芝居とは異なる五右衛門一代記になっています。国立劇場では、実際の上演とは異なる内容や成立事情を含んだ正本写に注目し、この度ご紹介させていただきます。
挿絵ながら、当時の名優による迫力ある演技が甦り、とても見応えがあります。
今回も正本写のほか、錦絵等の資料等も併載しています。その魅力を存分にお楽しみください。
国立劇場ロビー売店にて好評販売中(税込1,500円)。12月歌舞伎公演のご観劇の際には、ぜひお求めください。国立劇場隣接の伝統芸能情報館図書閲覧室でもご覧いただけます。
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