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【9月舞踊公演】出演者メッセージその2 「粟餅」西川扇与一

江戸時代の粟餅売は、遠くに離れた木鉢にちぎった餅を投げ入れたりする「曲搗き」で人気を博していました。その姿を生き生きと描いているのが「粟餅」です。
二人立ちで上演されることがほとんどですが、宗家西川流では初演に近い七人立ちの演出が残っており、今回はその形での上演となります。



西川扇与一

―扇与一さんと国立劇場との歴史、お付き合いはどれくらいになるのでしょうか。

西川扇与一(以下、扇与一):初めて舞台に立ったのは中学3年生の頃だったと思います。今はなかなかやる機会がありませんが、女方というか、女性の役での出演でした(笑)。もちろん、それまでにも観客として訪れたことはありました。
座席のカバーは変わったりしていますが、劇場が醸し出す空気、雰囲気といったものは変わっていない気がします。


―その劇場も閉場が来年10月と決まりました。

扇与一:思い出は数多くありますが、やはり御宗家(十世宗家西川扇藏)が新作を手掛ける場にいることができ、劇場で作品を作り上げるということ、そして例えば小劇場なら小劇場で何をどういう風に生かしていくか、ということを学べたのは大きな財産です。
作品づくりということで言えば、日本舞踊協会の新作公演で、今は亡き方々も含めて、色々な先生たちの作品に出演させていただいたり、作品づくりを間近で拝見できたり、といったことも得難い経験です。
劇場が閉まってしまう感慨よりも、(再開場までの)その間に日本舞踊の火が消えないようにという思いもありますね。ぜひ国立劇場にも、東京以外の場所での公演のプロデュースなど、これまでの形にとらわれない活動をお願いしたいです。


―ご自身の舞台では、どの公演が印象に残っていますか?

扇与一:やはり「花形」*ですね。「喜撰」の喜撰法師(平成22年8月)や「かさね」の与右衛門(平成24年8月)など大役を勤めさせていただき、今の自分にとって大きな力となったことを感じています。「花形」には育ててもらったという気持ちが強いです。
*「花形・名作舞踊鑑賞会」のこと。中堅・若手による名作鑑賞の場として平成17年より開催。扇与一さんは7回出演。



平成24(2012)年8月 『花形・名作舞踊鑑賞会』
「かさね」 与右衛門=西川扇与一、かさね=花柳せいら


―今回は西川流ならではの「粟餅」です。

扇与一:流派を超えたメンバーですが、みんなで力を合わせて、和やかに、おおらかに江戸の空気を伝えたいですね。色々な人物が登場して楽しいと思いますし、お客様もかしこまらず、リラックスして、ご覧いただければうれしいです。


―劇場の思い出として1枚、写真に残すとしたらどこを撮影しますか?

扇与一:難しいですけど……所作台も大道具も何もない、空の舞台ですね。こんな広い空間で自分が一人で踊って大丈夫なんだろうか、という気持ちとか、ここからどんな作品が生まれるんだろうか、というわくわくした感じだとか、いろんな思いが湧き上がってくる光景で、好きなんです。


―ありがとうございました。


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