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【11月舞踊公演「舞の会」】出演者メッセージその2 井上八千代

京舞井上流は、能や人形浄瑠璃の要素も取り入れた多彩な表現力と、独自のレパートリーを持ち、舞の世界の一翼を担う一方、京都の春を彩る「都をどり」でも知られています。
当代の五世家元は、昭和50年代から〈舞の会〉にご出演で、本公演を支え、牽引してこられました。



井上八千代

—「舞の会」には長年ご出演いただき、いよいよ現在の国立劇場では最後の〈舞の会〉です。お気持ちをお聞かせください。

井上八千代(以下、八千代):十代最後の舞台が〈舞の会〉での「相模あま」でした(昭和51年11月)。その後、レギュラー出演させていただき、育ててくださいました大切な公演です。新しい劇場が再開場の後に再び〈舞の会〉がこちらに戻りました折にも、勤めさせていただけますよう、精進したいと思います。


—「舞の会」でとくに印象に残っている舞台はありますでしょうか?

八千代:裾を引きずる衣裳で舞った「葵上」(平成13年11月)と、初めて素で取り組んだ「珠取海士(海女)」(平成16年11月)が記憶として残っています。また、座敷舞ではありませんが、「舞の会」で長らくご出演の山村楽正さん(1923~2008)の「歌右衛門狂乱」には驚きました。



平成13(2001)年11月 『舞の会』
「葵上」 井上八千代



平成16(2004)年11月 『舞の会』
「珠取海士」 井上八千代


―「珠取海女」は井上流を代表する名作の一つで、家元は「舞の会」では昭和55年、平成16年に続き3回目の上演です。

八千代:大阪で初演しまして、その後、20代、30代に一番多く舞わせていただいた曲であり、私にとって青春の象徴とも言える演目です。初めて全曲舞った時の師匠(祖母・四世井上八千代、1905~2004)の熱のこもった稽古、今もテープに残っております。そして、不思議なことに、ホームグラウンドの祇園甲部歌舞練場ではなぜか一度も舞っていません。


―上演を重ねてきたことで、お感じになることはありますか?

八千代:年を経るほどにできなくなることもありますが、逆に新たな発見もあります。体力的には厳しい演目ですが、70才を目標に舞い続けていきたいです。また、この曲の稽古は、自身のその時点でのバロメーターとなっているように思えます。


―〈舞の会〉に限らず、〈京舞〉や企画公演などでも大変お世話になりました。

八千代:初めて国立の大劇場の舞台に立たせていただいたのは、〈京舞〉での「柱立」でした(昭和49年10月)。翌50年5月には〈獅子の舞踊〉という企画で地唄の「石橋」を。出演者の一人ではありましたが、ご一緒させていただいた大先輩方の舞台には息をのんだ記憶があります。とくに(五世)中村富十郎さん(1929~2011)の「鏡獅子」は衝撃的でした。当時の上演資料集も充実しており、参考になりました。


—劇場の思い出として1枚、写真に残すとしたらどこを撮影しますか?

八千代:富十郎さんの「鏡獅子」の印象もあってか、やはり「鏡獅子」像ですね。当時は現在よりも手前、エスカレーターの間のあたりに置かれており、舞台の記憶とともに、正面で見た時の力感に圧倒されました。


―ありがとうございました。


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