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【5月文楽】好評上演中!


 東京では15年ぶりとなる通し上演で、連日ご好評いただいている5月文楽公演『妹背山婦女庭訓』。文楽屈指の大作に1日がかりで文楽が総力を挙げて取り組んでいます。
 第二部は「妹山背山の段」からの上演です。

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 頃は桃の節句、桜が咲き誇る吉野川を中央にはさみ、上手には背山の質素な大判事家、下手には妹山の雛人形が飾られた華やかな太宰家と、対照的な舞台が設えられています。「妹山背山の段」は、上手には背山を語る本床、下手に妹山を語る仮床が置かれ、掛合で演奏します。

妹山背山の段

 前半は、川に隔てられた若い二人の恋物語が展開します。入鹿に従う父の胸中を図りかねる久我之助と、久我之助を慕って下館に逗留する雛鳥。両岸で顔を合わせた二人は、お互いの気持ちを確かめ合います。

 そこに、入鹿から難題を突き付けられた大判事と定高が登場し、二組の親子の葛藤が、妹山と背山で交互に展開します。四者四様の心情が、太夫、三味線、人形遣いによって丁寧に描かれ、胸を打ちます。

妹山背山の段(妹山)


妹山背山の段(背山)

 背山では大判事が息子の切腹を許し、妹山では定高が久我之助への恋を貫かせるため娘の首を討つ覚悟を決めます。
 互いに相手の子の命を救おうとする二人でしたが、久我之助と雛鳥の最期が明らかになります。死後の嫁入りとして、雛鳥の首が雛人形とともに吉野川を渡る情景が、三味線と琴の演奏によって哀しくも美しく彩られます。


 「杉酒屋の段」では、七夕の夜の三輪の里へと移ります。恋人の求馬の元に、被衣姿の高貴な女が訪れていることを知り、嫉妬する杉酒屋の娘・お三輪。心変わりのないようにと求馬に赤い苧環(麻糸を玉状に巻いたもの)を手渡します。

杉酒屋の段

 しかし、その女が求馬を訪ねてきて、求馬を奪い合い、口論になります。女が杉酒屋を出ると、その跡を求馬が追い、さらに求馬を追うお三輪が続きます。

 数ある道行の中でもとりわけ人気の高い「道行恋苧環」。求馬を中心に、恋を争う姫と町娘が対称的に配置されます。

道行恋苧環

 女が鐘の音を聞いてその場を立ち去ろうとすると、求馬はその袖に、お三輪は求馬の裾に苧環の糸を付け、跡を追っていきます。

道行恋苧環


 続く「鱶七上使の段」は、豪勢を尽くした入鹿の御殿で催される酒宴の情景から始まります。傲慢に振る舞う入鹿は、「万歳の段」で描かれる貧家の聖帝・天智帝と対照的な描かれ方がされています。
 そこに鎌足の使者として訪れたのは漁師の鱶七。不敵な中にも愛嬌のある鱶七の態度に、さすがの入鹿もあしらいかねます。

鱶七上使の段

 鱶七が詮議のため奥へ行くと、被衣の女、実は入鹿の妹・橘姫が御殿へと戻ります。跡を追ってきた求馬、実は藤原鎌足の息子・藤原淡海は、橘姫に入鹿が奪った宝剣を取り戻したなら夫婦になると伝えます。兄への義理と恋とで思い悩む橘姫ですが、ついにはその申し出を受け入れるのでした。

 はぐれてしまったお三輪が、金殿へとたどり着きます。求馬と橘姫の内祝言を聞いてうろたえるお三輪を、官女達はひどくからかい冷たくあしらいます。嫉妬と屈辱で逆上したお三輪の前に現れた鱶七は、突然、お三輪の脇腹に刀を突き立てます。

金殿の段

 鱶七、実は鎌足の旧臣・金輪五郎は、求馬の正体とお三輪の犠牲が入鹿討伐に必要であることを告げます。恋しい人のためなら、というお三輪のいじらしくも切ない最期の姿が涙を誘います。

金殿の段

 捕手を蹴散らす鱶七の大立廻りが天智帝・鎌足方の勝利を予感させ、めでたく幕が下ります。

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 5月文楽公演は27日(月)まで。総力を挙げて取り組む1日がかりの熱演をどうぞお楽しみください。

好評上演中! 特設サイトはこちらから



 

 

 

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