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【5月文楽】初日を迎えました


 5月11日(土)、5月文楽公演が初日を迎えました。令和へと改元して最初の文楽公演となる5月文楽公演は、皇族や公家の世界を描く王代物の傑作『妹背山婦女庭訓』を、通し狂言として上演しています。

 『妹背山婦女庭訓』は、古代王朝期の政変「大化の改新」を題材とした傑作で、複雑な伏線と鮮やかな謎解きが洗練された義太夫節の演奏によって進行し、舞台一面に日本の美しい四季が展開します。
 今回、物語の発端に当たる大序「大内の段」を98年ぶりに復活し、一日がかりで総力を挙げて取り組んでいます。

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 幕開きの大序「大内の段」では、天智帝が病のため盲目となっていることや逆臣・蘇我蝦夷子と忠臣・藤原鎌足の対立など、宮中には不穏な空気が漂います。

大内の段


 大判事家の子息・久我之助と太宰家の娘・雛鳥の出会いが描かれる「小松原の段」。親同士が不和だと知らずに始まった二人の恋は、やがて「妹山背山の段」の悲劇へとつながっていきます。

小松原の段

 「蝦夷子館の段」では、いよいよ魔人・蘇我入鹿がその本性を顕します。
 息子・入鹿の進言によって、謀反の企みが明らかになり、切腹する蝦夷子。しかし、そこに現れた入鹿は、帝位を狙う大望を明かし、内裏を制圧するため出陣します。

蝦夷子館の段

 蝦夷子の傍若無人ぶりが描かれる「大内の段」の上演により、その父すら見殺しにし、野望を果たそうとする入鹿の冷酷ぶりがさらに際立ちます。

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 寵愛する采女の入水を悼む天智帝が、鎌足の子息である淡海にめぐり会う「猿沢池の段」。そこに入鹿謀反の知らせが入り、淡海は帝の供をして都を逃れます。

 続く「鹿殺しの段」では、鎌足の旧臣で今は猟師の芝六が、禁制を犯して爪黒の牝鹿を射止める姿が描かれます。
 その芝六のわび住まいには、天智帝一行が匿われています。節季の支払いにすら困るほどの芝六一家ですが、ここを内裏であると思う盲目の帝は管絃を所望します。

万歳の段

 芝六が機転を利かせて奏した万歳を聞いた帝の言葉には、民の暮らしへの思いやりが滲み、貧家にあっても帝のとしての慈悲深さ、清廉さを感じさせます。

 政変に巻き込まれた一家の悲劇を、興福寺の十三鐘伝説を盛り込んで描いた「芝六忠義の段」。
 鹿殺し詮議の話を聞いた三作は、犯人は自分であると訴え、自ら役人に捕らえられます。芝六の身を案じる三作の想い、子を気遣う芝六の女房お雉の歎き、そして、鎌足への忠義を示すための芝六の覚悟。互いに深く思い合いながらもすれ違う芝六一家の心情を描き出す、太夫の語りと三味線の音色が胸を打ちます。

芝六忠義の段

 芝六が射止めた爪黒の牝鹿は、入鹿討伐に必要であることが明かされ、入鹿に対抗する人々の決起が示されて幕となります。

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 第一部の最後は「太宰館の段」です。

太宰館の段

 金巾子の冠を付け帝位についたことを宣言した入鹿は、反目し合う大判事清澄と太宰の後室定高に、子の処遇についてそれぞれ難題を突き付けます。入鹿の圧倒的な存在感により、会場内が緊張感に包まれたまま第一部は終演となります。

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 東京では15年ぶりとなる文楽屈指の名作の通し上演。多くのお客様にご来場いただき、熱気あふれる初日となりました。次回は第二部の様子をお届けいたします。

 5月文楽公演は27日(月)まで。皆様のご来場をお待ちしております。

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