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【12月文楽鑑賞教室・文楽公演】初日を迎えました!


 12月3日(火)、12月文楽鑑賞教室・文楽公演が初日を迎えました。

 文楽鑑賞教室では、幕開きに、命がけの恋に身を焦がす八百屋お七を描いた『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』を上演。恋人を救うため、決死の想いで火の見櫓に上り、半鐘を打ち鳴らすお七の姿が、雪の中に浮かび上がります。



火の見櫓の段

 続いては、文楽がどういうものかをご紹介する『解説 文楽の魅力』です。太夫・三味線・人形遣いという文楽の舞台を勤める三業が登場し、それぞれの役割について初めて文楽を観る方にも分かりやすく解説します。



『解説 文楽の魅力』

 解説の後は、『平家女護島』を上演。「作者の氏神」とも称される浄瑠璃作者・近松門左衛門の作品で、『平家物語』を題材にした時代物(江戸時代以前のことを描いた時代劇)です。今回上演する「鬼界が島の段」では、平家打倒の計画(鹿ケ谷[ししがたに]の陰謀)が失敗し、罪人として鬼界ヶ島に流された俊寛僧都(しゅんかんそうず)を主人公とした物語が展開します。
 流罪となって三年、俊寛・丹波少将成経(たんばのしょうしょうなりつね)・平判官康頼(へいはんがんやすより)が暮らす鬼界ヶ島に、都から赦免船が訪れます。赦免状には俊寛の名前はありませんでしたが、平重盛の温情により俊寛も船に乗ることが叶います。しかし、妻の死を知った俊寛は、成経と夫婦になった島の娘・千鳥を船に乗せるため、自ら島に残ることを決意します。



鬼界が島の段

 次第に遠ざかる船を追って、俊寛は岩を登り、船に呼びかけます。俊寛の孤独と絶望が義太夫、三味線、人形遣いによって鮮明に描き出されます。都へと帰る船をいつまでも見送る俊寛の姿が胸に迫ります。



鬼界が島の段

◆◆◆


 文楽公演は、源平合戦を描いた時代物の名作『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』から、源氏方の熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)が平家方の無官太夫敦盛(むかんのたゆうあつもり)を討った物語を中心に上演しています。

 今回が初陣となる熊谷の息子・小次郎直家(こじろうなおいえ)が、敦盛が守りを固める一ノ谷の陣所に切り込む姿が語られる「陣門の段」。続く「須磨浦の段」では、許婚である敦盛を慕い、須磨の浦辺を彷徨う玉織姫(たまおりひめ)の悲劇的な姿が描かれます。



陣門の段



須磨浦の段

 そして、「組討の段」へと続きます。敗走する敦盛を呼び戻し、組み敷いた熊谷は、小次郎と変わらない年頃の若武者をためらいながらも討ち取ります。しかし、そこには熊谷の苦渋の決断が秘められていました。後の「熊谷陣屋の段」につながる核心部分です。



組討の段

 舞台は、須磨の浦辺から熊谷の陣屋へと移ります。
 「熊谷桜の段」で、小次郎を案じる熊谷の妻・相模(さがみ)、敦盛の死を知って悲しみと憎しみに暮れるその母・藤の局(ふじのつぼね)、そして石屋の弥陀六(みだろく)を引き連れた梶原平次景高(かじわらへいじかげたか)が、それぞれに熊谷の陣屋を訪れ、物語の重要な人物が揃います。陣屋の庭に、桜の木と共に立てられているのは、「一枝を伐(き)らば一指を剪(き)るべし」と記された制札。源義経から熊谷に与えらたものです。この制札の文言こそ、物語の発端であり、重要な鍵となっています。



熊谷桜の段

 そして、眼目の「熊谷陣屋の段」。藤の局と相模に敦盛の最期の様子を語って聞かせる熊谷。須磨の浦での戦いの様子を人形の大きな動きが臨場感たっぷりに表現します。
 義経が首実検のために陣屋を訪れると、熊谷は二人の母親の前で制札に従ったと首桶を差し出します。果たして、義経が制札に込めた真意とは? 須磨の浦辺でなにが起こっていたのか? そして、腹に一物ありそうな石屋の親仁の正体とは?
 随所に散りばめられていた謎が、怒涛の語りによって明らかにされていきます。



熊谷陣屋の段



熊谷陣屋の段

 出家し、墨染めの衣をまとった熊谷の胸中が、「十六年もひと昔」という義太夫と三味線によってしみじみと表現されます。弥陀六、藤の局、義経、そして熊谷と相模、登場人物たちの様々な想いが重なり合い、見ごたえ聴きごたえに溢れた重厚な一幕となっています。
◆◆◆

 今月は、文楽鑑賞教室と文楽公演共に『平家物語』を扱った作品を上演しています。両作品とも移り変わりの激しい時代の中で、無常を感じ、葛藤を抱えながら生きる人々の心の動きを、緻密に描き上げた文楽屈指の人間ドラマです。
 解説付きで、初めて文楽をご覧になる方にもお楽しみいただける文楽鑑賞教室。時代物の名作中の名作をじっくり味わっていただける文楽公演。
 それぞれ魅力的な舞台をお楽しみください。

 12月文楽鑑賞教室・文楽公演 12月15日(日)まで


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