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【11月舞踊】井上八千代が「京舞」への思いを語りました


 11月舞踊公演は、雅やかで格調高い美に満ちた「京舞」を上演します。
 京都・祇園の花街を中心に育まれ、独自の世界を築いてきた井上流による京舞。21年ぶりの東京公演を前に五世家元・井上八千代が思いを語りました。



井上八千代(京舞井上流五世家元)

 

井上八千代
 前回、平成10年(1998)の折は、祖母(四世井上八千代)が公演の直前に体調を崩しまして、やむを得ずお休みさせていただきました。その後、平成12年に、五世八千代を襲名いたしまして、瞬く間の21年でございます。

 ここ10年ほどの間に、舞台の上も含め、世の中も随分と変わってまいりました。果たして今までと同じようなことをしていて良いのかと思う中で、祇園に伝わる「手打」を披露し、井上流の伝統だけではなく、祇園の伝統もご覧いただきます。また、演目には京舞の特徴的なものを揃えておりますが、番組にメリハリを付けるためにも、芸妓姿の舞だけではなく 、『三つ面椀久』『信乃』『鳥辺山』といった衣裳をつけ、“座敷を取り払った”舞台の作品も披露いたします。そして今回は、将来を見据えて、若い人にも大勢参加してもらいます。流儀の者ばかりで舞台に立つ晴れがましさを感じながら、緊張感をもって勤めてもらえればと思っています。

 井上流は、女性ばかりで繋いできた流儀ですから、洒落っ気のようなものはあまりないかもしれません。それと京都の風土というのが“こってり”したものとは違う、どちらかと言えば、訴えかけの強くないものです。馴染んでいただければ、“噛めば噛むほど味わいがある”ので、ぜひそういう楽しみ方をしていただきたいです。

 例えば、東京のお客様は、“椀久物”というと、『二人椀久』『幻椀久』など、どちらかといえば、粋なもの、物悲しいもの、というような受け止め方をするかもしれませんが、私どもの『三つ面椀久』は、“もっさり”とした“近代以前の椀久物”と言われるような舞です。美しい夢の中の椀久とは少し違った世界をご覧いただきたいと思っております。

 また、『虫の音』は私がライフワークにしていきたい作品で、四世も好んだ曲です。『虫の音』を舞っている四世八千代というものに惹かれて、京舞への思いを深くしました。せっかく芸妓の地唄で舞える機会ですので、今回上演いたします。

 国立劇場には、19歳の頃から舞踊公演「舞の会-京阪の座敷舞-」に継続して出演させていただいております。毎年、多くの作品を次々に舞って来たことは、本当に勉強になり、この舞台に育てていただいたと思っております。

 今回の公演のチラシには英語の表記もありますが、今年4月、京都南座での「都をどり」も、大勢の海外のお客様がご覧になり、とても楽しかったとおっしゃっていました。今回の公演は、様々な形の舞踊があるということを知るきっかけになると思います。日本にいらっしゃる多くの外国の方に、日本の舞踊というものを知っていただきたいと願っています。



21年ぶりの東京公演が行われる国立劇場を背に

 

◆◆◆


 五世家元・井上八千代を中心に総勢約60人の祇園甲部の芸妓、舞妓が出演し、その真髄を余すところなく伝える<京舞>。
 どうぞご期待ください。

11月舞踊公演「京舞」は、
11月29日(金)午後3時開演
30日(土)午前11時開演、午後3時開演

公演情報の詳細はこちら

 


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