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国立文楽劇場

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国立文楽劇場開場三十五周年記念 9月民俗芸能公演『ふるさとの人形芝居』
9月8日「淡路人形芝居の魅力」

「ふるさとの人形芝居」9月8日に単独でご出演の淡路人形座支配人の坂東千秋さんに、上演する『玉藻前曦袂』の魅力などを伺いました。

淡路にとっての「玉三(玉藻前曦袂 道春館の段)」

【聞き手】今回上演していただく『玉藻前曦袂』は淡路島で最も人気が高く、また大切な演目といわれているようですが。
【坂東氏】そうですね。聴き所が多く、また聴かせどころも多い「玉三」が好まれていますね。聴くだけではなく自らも語る、というように浄瑠璃が人々に浸透している淡路ならではの視点があるからでしょうか。ほかにも「太十(絵本太功記 尼ヶ崎の段)」なども好まれますが、やはり「玉三」でしょうね。淡路に伝わる民俗芸能「淡路だんじり唄」(※1)でも取り上げられています。
【聞き手】では、それだけ島民に好まれる「玉三」を上演する時、演者さんたちには特別な思いなどはあるのでしょうか。
【坂東氏】それはありますよ。多くの人たちがストーリーを知っていますし、また年配の方々は昔の浄瑠璃も知っていますので比較されます。特別な大きなプレッシャーを感じながら演じています。



「神泉苑の段」の復活

【聞き手】この「玉三」に続くのが、平成22年3月に復活した「神泉苑の段」ですね。淡路ではこの作品の復活を皮切りに毎年1作ずつ演目の復活をされますが大変ではないですか?
【坂東氏】それまではレパートリーを増やしたいという思いはあっても座員数が足りない等の課題も多くありました。平成15年の国立劇場公演以降大学で浄瑠璃の研究をされている先生と出会い、今の文楽では上演しておらず、淡路だけに残る〝淡路が上演すべき演目〟を教えていただき、補助事業で演目を復活できたことも大きな要因です。
特に「神泉苑の段」の復活は、これまで上演していた「玉三」と「狐七化けの段」の間の段の復活上演で、完全ではないですが浄瑠璃の魅力の一つである物語の筋を通す〝通し狂言〟の意味合いを持つことができたことも大きかったです。



【聞き手】今回は今年の2月に復活した「衣裳山」も上演しますね。
【坂東氏】「衣裳山」は、かつて淡路の人形座の「妹背山婦女庭訓」の上演の時に披露していたもので、いつかはやりたいと思っていました。他にはない豪華な衣裳は、総額で1億円は超えるといわれています。
【聞き手】それはすごい金額ですね。楽しみにしておきます。



華やかな「狐七化けの段」

【聞き手】最後に「狐七化けの段」を上演していただきます。
【坂東氏】これは私が入った時からありました。人形遣いの衣裳の早替わりがあるんですが、衣裳が派手なんです。
【聞き手】そういえば花柄の衣裳とかありますよね。
【坂東氏】そうなんです。若い頃になんで花柄のような着物にしたのだろうと疑問に思って柄物でない着物に変えたことがあるんですが、ただそうしたらお客さんが早替りに気づかなかったんです。そこで、お客さんに印象付けるため、派手な衣裳にしているんだと気づかされました。

【聞き手】正直、花柄は合わないんじゃないか、と思っていたのですが意味があったんですね。さて、淡路の「狐七化けの段」といえば、昭和49年に文楽で『玉藻前曦袂』「化粧殺生石」を復曲した際に参考にされたとお聞きしています。
【坂東氏】そうですね。復曲された野澤松之輔さんのご意見で、淡路の曲を参考にした(※2)とは伺っています。また当時文楽の人形遣いさんが、淡路まで来られて人形の調査もしたと聞いています。
【聞き手】平成27年に文楽劇場でも『玉藻前曦袂』を上演しています。その際にご覧いただいた方が今回の淡路の「狐七化けの段」をご覧になって見比べるのも面白いかもしれませんね。



本番に向けて

【聞き手】さて、淡路人形座としては文楽劇場主催公演には初出演となりますね。
【坂東氏】我々にとってはよく寄せていただく身近な劇場ですし、やはり文楽の本拠地というイメージがあります。目の肥えたお客様も多い事でしょうし今から緊張していますが、淡路人形の特徴や良さをしっかりと出せるように頑張ります。
【聞き手】是非、9月8日の『衣裳山』、そして『玉藻前曦袂』をご覧いただければと思います。本日はどうもありがとうございました。

このように今回演じる『玉藻前曦袂』の魅力を話してくれた坂東支配人。実はご本人も坂東千太郎という名前で人形遣いとして文楽劇場の舞台に上がります。淡路人形座がこのように話を通して演じる『玉藻前曦袂』を見る機会は、実はあまりございません。
淡路人形に興味のある方はもちろん、文楽の同演目をご覧いただいた方に見比べていただく貴重な機会ともなります。どうぞご来場いただき、お楽しみください。

※1 淡路だんじり唄は別名「浄瑠璃くずし」ともいわれ、淡路人形浄瑠璃の演目や歌謡浪曲などの名場面を抜き取って脚色し、浄瑠璃や民謡調の節回しを付けて唄う集団芸で、淡路島独自の代表的な郷土芸能。
※2 昭和49年文楽9月公演のプログラムに「景事の殺生石だけは淡路に残っている曲が面白いので、この方を使いたいという作曲者の意向に従って詞章も淡路のものに拠ったわけである」とある。


9月民俗芸能公演『ふるさとの人形芝居』 公演情報はこちら

公演関連プレ講座「淡路人形芝居の世界」開催!

公演に先立ち、淡路人形芝居をご紹介するプレ講座を開催します。
今回の記事でもお話を伺った淡路人形座支配人の坂東千秋さんにお越しいただき、その魅力や上演する演目の見どころについてより詳しくお聞きします。また人形遣いによる淡路人形の解説も交えるなど、淡路人形芝居をより深く知っていただく貴重な機会となりますので、是非ご来場ください!

【日時】令和元年8月27日(火曜)午後7時~8時(予定)
【場所】国立文楽劇場3階小ホール
【お話】坂東千秋氏(淡路人形座支配人)
【参加費】無料
【募集人数】先着30名様
【応募方法】電子メールにてご応募ください。申込用メールアドレス:kikaku-nbt@ntj.jac.go.jp
件名を「プレ講座参加希望」とし、本文に郵便番号・住所・氏名・電話番号を記入の上、送信してください。折り返し応募受付メールを返信します。
※お一人様1名1通のご応募に限ります。
※申込締切:令和元年8月25日(日曜)必着
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