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国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】狂言「空腹」の初演に向けて(9月23日企画公演《復曲の会》)



復曲狂言「空腹」稽古風景

 

 9月23日(金・祝)の企画公演《復曲の会》では、狂言「空腹」が上演されます。この作品の初演に向けて先日、稽古が行われました。「空腹」は長らく演じて来られなかった演目で、今回が復曲初演となります。



復曲狂言「空腹」稽古風景

 


 シテは野村又三郎さん。今年3月に初演された狂言「袴裂」で主演・演出をつとめ、高い評価を得たのも記憶に新しいところです。又三郎家ゆかりの「空腹」がどのような工夫で演じられるか、この秋必見の舞台です。


野村又三郎さんより


 復曲にあたっては、奇をてらわず、現行の作品にある言い回しや動きをフルに活用して臨むよう努めています。ご覧になるお客様に『普通の』狂言と仰っていただければ、何よりの賛辞と思っています。

 お金の借り手(シテ)が男(アド)の家を一旦辞去し、その後再びその家に押しかけるところへの場面転換など、いろいろと試行錯誤しているところです。どのような工夫になるか、ぜひご期待下さい。


 空腹〈そらはら/そらばら〉とは、切腹のふりをすること。能では「忠信」の最後の場面に出てくる言葉として、ご存じの方も多いかもしれません。その空腹が本作品ではどのような意味合いを持つのか、気になるところです。

 併演の復曲能「薄」とともに、今日よみがえる能・狂言の姿をお楽しみいただく《復曲の会》。皆様のご来場を心よりお待ちしております。