国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】1月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂1月主催公演のラインナップをご紹介いたします。すがすがしく心身あらたまる初春の季節、皆様のご来場をお待ちしております。

6日(水) 定例公演  午後1時

神歌

 新年最初の公演は、能「翁」を素謡形式で上演する「神歌」で幕を開けます。

弓八幡

 後宇多院に仕える陪従(神前で楽人として祭に列する臣下)が、男山八幡宮(石清水八幡宮)の二月初卯の御神事に詣でると、弓を持つ老人と出会います。老人は、この桑の弓は大君への捧げものだと言い、弓矢の威徳や八幡宮の由来を語ります。実はこの老人は八幡の末社・高良の神でした。やがて本性となって顕現した高良の神は、颯爽とした舞を舞い、めでたき御代と石清水八幡宮の神徳を称えるのでした。  作者・世阿弥が「直なる体」と記した、新年にふさわしい寿ぎの能です。

靱猿

 狩に出た大名と太郎冠者は、道で猿回しの男と出会います。大名は、靭(弓を入れる筒状の容器)に皮をかけて飾りたいので男が連れている猿を譲れと迫ります。男は弓矢で脅され、泣く泣く承知します。猿に因果を含めて打ち杖で殺めようとすると、猿はその杖を取って芸をはじめ、その無邪気な姿を見た大名は…。

9日(土) 普及公演 午後1時

昆布売

 太刀持ちの供がなく自ら太刀をもって出かけた大名は、通りがかりの昆布売を太刀で脅して太刀持ちの役目を押し付けます。無理強いされ、従者扱いに我慢のならない昆布売。さて、どんな反撃に出るのでしょうか?

雲林院

 幼い頃から『伊勢物語』を愛読してきた公光は、夢のお告げに導かれて京都紫野の雲林院にやってきます。見事に咲く桜を一枝折ろうとすると、ひとりの老人が現れて咎めます。ふたりは古歌を引いた問答で互いの風流心を認めて打ち解け、公光は自分が見た霊夢を老人に語ります。――花のもとに『伊勢物語』の本を手にたたずむ男女。近くにいた老翁は、ここは雲林院で、ふたりは物語の主人公の在原業平と二条后だと教えるのでした。話を聞いた老人は、それは業平の計らいだと告げ、自身が業平の化身であることを匂わせます。やがて公光は、夢の続きの世界へ誘われていきます。

15日(金) 定例公演 午後6時30分

松囃子

 年の初めの祝儀に、毎年、松囃子を舞いにくる万歳太郎。今年はまだやってこないと心配しながら待つ兄と弟。実は、いつも年の瀬に万歳太郎に送っていた米を、ふたりとも去年はうっかり送り忘れていたのでした。それでも祝儀事だからと、やってきた万歳太郎は、なんとかふたりに米のことを気づかせようと…。

弱法師

 讒言を信じて息子の俊徳丸を家から追放したことを悔やむ高安の長者・通俊は、天王寺で七日間の施行(施し)を行っています。結願の今日は春の彼岸の中日で、天王寺では、落日を見つめることで西方極楽浄土を観想する行事「日想観」が催されます。人でにぎわう境内で、通俊は、施行を受ける乞食の中に変わり果てた我が子がいることに気づきます。今は弱法師とあだ名される盲目の俊徳丸は、心眼で夕日を見つめ、日想観に臨みます。瞼の裏に、かつて見た難波の海の景色を感得し、感極まる俊徳丸。やがて西海の彼方に日が沈み、再会を果たした父と子は、ともに高安の里へと帰っていくのでした。

22日(金) 狂言の会 午後6時30分

餅酒

 年が明けて、年貢の菊酒を納める加賀のお百姓と、鏡餅を納める越前のお百姓が、連れ立って都へやってきました。年末に納めるべき年貢が遅れた罰として、ふたりは歌を詠まされることになり…。

泣尼

 説法が苦手で自信がない僧。それらしくみせるために、泣き上手で知られる老尼をお布施の折半を条件に雇って、施主のもとへ向かいます。ところが、説法をはじめても、泣くはずの尼がいっこうに泣きません。あろうことか尼は居眠りをしていたのです!

牛盗人

 法皇の車を曳く牛が盗まれ、盗人を告発した者には望みのままの褒美を与えるとの高札が立ちました。ひとりの子どもが、犯人は兵庫三郎だと訴え出ますが、なんとこの子どもは三郎の息子でした。親を訴えるとは情けないと泣く三郎をしり目に、褒美を催促する子ども。さて、何が欲しいと望むのでしょうか?

30日(土) 特別公演 午後1時

誓願寺

 京都・誓願寺で、念仏の教えを広める一遍上人が「六十万人決定往生」と書いた御札を配っていると、ひとりの女が、六十万人しか往生できないのかと問いかけてきました。一遍は「六十万人」は阿弥陀の慈悲の真髄を説いた熊野権現の託宣を略した文字だと説明します。女はその言葉に深く打たれ、上人自筆の六字の名号(南無阿弥陀仏)を堂の扁額として掲げたいと請い、自らが和泉式部の霊だと名乗ります。やがて和歌の徳により歌舞の菩薩と変じた和泉式部の霊が現れて、一遍自筆の名号を拝み、念仏の功徳を讃嘆して舞うのでした。

節分

 節分の夜、夫が不在でひとり留守番をする女。そこに蓬莱の島から鬼がやってきます。美しい女に心を奪われた鬼は、女の気をひこうとあの手この手を尽くしますが、女はいっこうに心を動かしません。やがて女から「自分を妻にしたいなら」とある提案が切り出されて…。

大仏供養

 平家一門が滅び、平家の侍・悪七兵衛景清は東大寺大仏殿の修理開眼供養の機会に乗じて源頼朝を狙う計画を企てます。大仏供養の当日、景清は春日の神官を装い頼朝に近づきますが、正体を見破られ、敵の囲いを突破して姿をくらますのでした。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●1月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:12月16日(水)午前10時~
  • ・窓口販売:12月17日(木)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※1月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。