国立能楽堂

トピックス

【千駄ヶ谷だより】9月公演が間もなく発売開始です!

 間もなく発売開始となる、国立能楽堂9月主催公演のラインナップをご紹介いたします。残暑の中にも秋の気配を感じる季節、皆様のご来場をお待ちしております。

 9月の公演も盛りだくさんの企画でお届けします。台詞を手話と声で表現する《手話狂言》や、面や装束を用いずに演者の声や動きがダイレクトに伝わってくる《素の魅力》。 さらに、7月から3か月にわたってお送りしている《国立能楽堂ショーケース》では、能楽を初めて観る方や海外の方にも気軽にご覧いただける演目をコンパクトにまとめ、能楽師の解説とともに、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語の字幕付きで上演します。

2-3日(水-木) 国立能楽堂ショーケース  2日午後1時/3日午後7時

仏師

 信心深い田舎者が、仏像を注文するために都へやってきます。仏師を名乗るすっぱ(騙り者)に騙されたとも知らず、注文の翌日、約束の場所に仏像を受け取りに行くと…。

安達原

 旅の山伏・祐慶の一行が奥州・安達ケ原にさしかかり、野中の一軒家で一夜の宿を借りることにします。一人暮らしだという家の女主人は、夜中に暖を取るための薪を採ってくると言い家を出ていきます。出がけに「けっして私の部屋をのぞかないように」といった女の言葉が気になってしかたない能力(荷運びなどの雑用係)が、我慢しきれずに部屋をのぞくと、そこには累々と積みあがった死体の山!女は、安達ケ原に棲む鬼女だったのです。

5日(土) 手話狂言 午後1時

佐渡狐

 年貢を納めに都へ向かう途中、道連れになった越後と佐渡のお百姓。「佐渡に狐はいるか、いないか」をめぐって賭けとなり、奏者(年貢の取次役人)に判定を頼みます。佐渡のお百姓は、奏者に賄賂を渡して、狐を「いる」と言ってもらいます。ところが見たこともない狐の特徴を越後のお百姓に問われると…。

清水

 主人から、茶の湯に用いる野中の湧き水を汲んでこいと命じられた太郎冠者は、面倒なので鬼に襲われたふりをしてほうほうの態でもどってきます。すると主人は、太郎冠者が置き忘れてきた手桶を惜しんで、自ら取りに行くと言い出します。鬼がいたことを証明するため、太郎冠者は先回りをして鬼の面をかぶり主人を脅すのですが…。

六地蔵

 新築したお堂に祀る六地蔵を求めに、田舎者が都にやって来ました。親切に声をかけてきた男に事情を話すと、男は自分が仏師だと名乗って、明日までに六地蔵を作ることを約束します。ところがこの男、実はすっぱ(騙り者)だったのです!いったいどんな手を使って田舎者を騙すのでしょうか?

12日(土) 普及公演 午後1時

太刀奪

 通りがかりの男が見事な太刀を持っているのに目をつけた主人と太郎冠者。その太刀を奪おうとたくらむのですが、逆に主人の太刀を奪われてしまいます。ふたりは太刀を取り戻すべく男を待ち伏せし捕らえたのですが…。

花筐

 越前で暮らしていた大迹辺皇子は、天皇に即位することが決まり上洛します。寵愛を受けていた照日の前のもとには皇子から贈られた手紙と花筐が残りました。即位した皇子は継体天皇となり、ある日、紅葉狩の行幸を行います。その一行の前に、皇子への思いを募らせて物狂いとなった照日の前が、あとを追い、形見の花筐をもって現れます。天皇の前で舞うよう命じられた照日の前は、漢の武帝と寵妃・李夫人の物語を歌い舞います。天皇は、かつて自分が贈った花筐を目にして、物狂いが照日の前だと気づき、ふたたび照日の前を召し使うこととなりました。

18日(金) 定例公演 午後6時30分

菊の花

 無断で旅に出た太郎冠者を叱るつもりの主人でしたが、京内参り(京都見物)をしてきたと聞いて、許すかわりに都の様子を語るよう命じます。太郎冠者が語るには、祇園に向かう途中で大輪の菊の花を手折って頭に挿して歩いていると、身分の高い女性から歌を詠みかけられ、誘われるまま祇園の野遊びについていき…。

天鼓

 天鼓と名づけられた少年は、天から降ってきた不思議な鼓を持っていました。その音の素晴らしさを聞きつけた帝は鼓を差し出すよう命じますが、天鼓は拒み、呂水に沈められてしまいます。以来、その鼓は誰が打っても鳴りません。帝が天鼓の老父・王伯を召し出して鼓を打たせたところ、妙なる音が響きわたります。帝は王伯に宝を与え、天鼓の霊を回向することを誓います。やがて約束通り呂水のほとりで管絃講が行われると、天鼓の霊が現れて弔いに感謝し、鼓を打ち、舞うのでした。

25日(金) 企画公演 午後6時30分

忠度

 かつて藤原俊成の臣下で今は法体となった僧が、旅の途中で須磨の浦を訪れます。由緒ありげな桜の木のもとに現れた老人に一夜の宿を頼むと、老人は平忠度の和歌をひいて「この木の陰以上の宿はない」と言い、姿を消してしまいます。その老人こそ、俊成の和歌の弟子で、一の谷で命を落とした平忠度の亡霊だったのです。やがて夜になり、本性となって現れた忠度の霊は、消えやらぬ歌の道への執心と、自らの討死の顛末を物語るのでした。

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●8月公演発売開始日
  • ・電話インターネット予約:8月16日(日)午前10時~
  • ・窓口販売:8月17日(月)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/

 ※9月公演につきましては、こちらもあわせてご参照ください。