国立能楽堂

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【千駄ヶ谷だより】2月公演が間もなく発売開始です!

国立能楽堂2月主催公演のラインナップをご紹介いたします。梅のつぼみ膨らむ早春の季節、皆様のご来場をお待ちしております。

平成28年から恒例となった月間特集《近代絵画と能》。近代を代表する画家たちは、能や古典文学、神話に着想を得て名画の数々を描きました。そうした絵画のイメージを手掛かりに能の作品をお楽しみいただく企画です。

5日(水) 定例公演  午後1時

男が野辺に出て籠に入れた秘蔵の鶯の鳴き声を楽しんでいるところに、稚児の家来が鶯を捕りにやってきます。家来は鶯を譲ってほしいと頼みますが、男は承知してくれません。そこで自らの太刀を賭け、籠の中の鶯をみごとに刺す(とり餅を塗った竿で生け捕る)ことができたら鶯をもらう約束をして挑むのですが…。

草薙

比叡山の恵心僧都が熱田神宮で天下泰平を祈願する最勝王経を講じています。そこに花売りの男女がやってきて、男は自らを「草薙の神剣を守る神」、女は「齢を延ぶる仙女」だと明かし、結願の夜に再び現れると言い残して姿を消します。やがて、日本武尊と橘姫の霊が現れ、東征の際に枯野で敵の火にまかれた時に神剣で草を薙ぎ払って難を逃れ勝利したことを物語ります。宝生流のみで上演される作品です。
絵画作品=安田靫彦《草薙の剣》

8日(土) 普及公演  午後1時

二人袴

結婚後、聟が初めて妻の実家を訪ねる“聟入り”の日。ひとりでは恥ずかしいと聟が駄々をこねるので付き添ってきた聟の兄は、正装の袴をつけた聟が家に入るのを見届けて門前で待機しています。それを家の使用人の太郎冠者に目撃されてしまい、舅は兄も家に入ってくるようすすめます。ところが、対面に必要な袴は1枚しかなく…。兄弟はこのピンチをどう切り抜けるのでしょうか?

楊貴妃

寵妃・楊貴妃の死を悼む唐土(中国)の玄宗皇帝の命を受けて、方士(道教の仙術師)が楊貴妃の魂魄のありかをたずねて蓬萊宮へとたどりつきます。方士と対面し、皇帝の嘆きの深さを知った楊貴妃は、皇帝との昔日を懐かしみ愁いに沈みます。方士と会った証として形見のかんざしを渡し、皇帝と交わした秘密の言葉を明かして、去り行く方士を楊貴妃はひとり寂しく見送るのでした。
絵画作品=上村松園《楊貴妃》

13日(木) 定例公演  午後6時30分

蟹山伏

修行を終え、供を連れて国元へ帰る途中の山伏の前に、得体のしれない恐ろしい者が突如出現します。なんとそれは巨大な蟹の精! 今夜のおかずにしようと打ちかかると、思わぬ逆襲にあい、山伏は蟹と対決するハメに…。

井筒

旅の途中の僧が在原寺の旧跡に立ち寄ります。ここは、『伊勢物語』に「筒井筒」の話が伝わる在原業平とその妻・紀有常の娘にゆかりの場所です。幼なじみで、やがて夫婦となったふたりに思いを馳せて後世を弔う僧の前に、里の女が現れ、実は自分こそがあの「井筒の女」(紀有常の娘)だと名乗って消えていきます。月明かりのもと、ふたたび現れた女は、業平の形見の衣を身に着けて舞い、井戸の水鏡に業平の面影を追慕するのでした。
絵画作品=横山大観《井筒》

29日(土) 特別公演 午後1時

忠度

歌人・藤原俊成の旧臣だった僧が、津の国須磨の浦を訪れて由緒ありげな一本の桜に目をとめます。そこに現れた老人に一夜の宿を請うと、「この桜の木陰ほどふさわしい宿はない」と言い、俊成の弟子だった武人・平忠度の和歌を詠みあげます。この老人こそ、俊成が編纂した『千載和歌集』に一首を選ばれながら、朝敵ゆえに「詠人しらず」として載せられた無念を嘆く忠度の亡霊だったのです。やがて僧の夢の中に現れた忠度の亡霊は、平家都落ちに際して自身の最期を覚悟し託した歌への執心を語り、夜明けとともに消えてゆくのでした。
絵画作品=伝 小堀鞆音《薩摩守平忠度桜下詠歌之図》

孫聟

今日はめでたい聟入りの日。舅と太郎冠者は、なにかと口うるさい祖父を外出させて、そのすきに祝儀を済ませてしまおうという計画です。それを知った祖父は怒りだし、祝儀の席に加わることになり…。さて、聟入りは無事にできるのでしょうか?

室君

播磨の室の明神では、天下泰平の世には室の津の遊女たちを舟に乗せ、囃子物をして神前に参る神事があります。今日はその神事の日。遊女たちが奉納する神楽に誘われるように、室の明神の本地とされる韋提希夫人が現れ、春の夜の月光のもと、優雅に舞を舞い、明け方の雲に乗って天へと昇ってゆくのでした。
絵画作品=松岡映丘《室君》

【文/氷川まりこ(伝統文化ジャーナリスト)】

●2月公演発売開始日
  • ・電話・インターネット予約:1月9日(木)午前10時~
  • ・窓口販売:1月10日(金)午前10時~

  国立劇場チケットセンター(午前10時~午後6時)
  0570-07-9900/03-3230-3000(一部IP電話等)
  https://ticket.ntj.jac.go.jp/