歌舞伎公演ニュース

2023年12月19日

令和6年初春歌舞伎公演

尾上菊五郎、中村時蔵、尾上菊之助、坂東彦三郎、
中村梅枝、中村萬太郎が意気込みを語りました!

 初代国立劇場閉場後、初の歌舞伎公演となる「令和6年初春歌舞伎公演」が、初台の新国立劇場・中劇場で開催されます。
 公演に先駆け、尾上菊五郎、中村時蔵、尾上菊之助、坂東彦三郎、中村梅枝、中村萬太郎が意気込みを語りました!



(前列右より)尾上菊五郎、中村時蔵
(後列右より)中村梅枝、尾上菊之助、坂東彦三郎、中村萬太郎

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尾上菊五郎
(『勢獅子門出初台』鳶頭 音羽の菊五郎)

 2024年初春歌舞伎は、今までの三宅坂とは違って、この初台の地で勤めさせていただきます。私も今日初めて来ましたが、楽屋もとっても広いんですよね。
 私は三つ目の狂言『勢獅子門出初台』の鳶頭で出演させていただきます。『勢獅子門出初台』では、“初春歌舞伎らしい演出”になにを持ってこようかと考えております(笑)。前の二つは、しっかりと演じてもらって、最後の『勢獅子』はちょっとお遊び風にできたらいいなと考えております。
 今年は孫(尾上眞秀)の初舞台がありましたし、菊之助と丑之助は親子で『連獅子』を演じたりと、みんな活躍してくれまして、とても良い年だったと思います。



中村時蔵
(『芦屋道満大内鑑―葛の葉―』安倍保名/『勢獅子門出初台』芸者 お時)

 令和6年初春の歌舞伎公演、初めての新国立劇場での公演です。舞台は国立の小劇場よりも若干大きく盆もございます。歌舞伎の醍醐味のある舞台をお届けしたいと思い、『葛の葉』では、盆を使った三方飾りなどをお見せしたいと考えております。
 歌舞伎をお好きなお客様にとっては、馴染みの少ない劇場ではございますが、ここに足を運んで、歌舞伎を観て良かったと言ってもらえるような舞台を勤めたいです。
 今回は息子たちに加え、孫の大晴も出演いたします。子役のうちは、あまり教え込まず、こどもらしくいられるようにしていますし、元気に一ヶ月間、休まず勤めてくれればいいなと思っております。



尾上菊之助
(『梶原平三誉石切』梶原平三景時/『勢獅子門出初台』鳶頭 鶴吉)

 新しい国立劇場へ向かっての第一歩を、この初台の地で踏み出すことができて、とても嬉しく思っております。今回は義太夫狂言の時代物と時代世話の名作、そして舞踊と、見どころに溢れる狂言だてです。
 『石切梶原』はお正月に相応しい演目です。懸命に生きる人たちの生きざまの美しさ、そして梶原平三の思いの高さ、深さ、仁と義、智仁勇、そうした日本人が大切にしなくてはいけない心がたくさん詰まっています。
 今回は岳父・中村吉右衛門が、初代吉右衛門から受け継いだ刀、そして岳父が生前、次に梶原平三を演じるときに使おうと思って新しく作った印籠を使います。岳父の教えを守り、勤めたいと思います。
 『勢獅子門出初台』は、父、私、倅や眞秀の音羽屋三代、時蔵のお兄さんのご一家も親子三代、彦三郎さんも親子と、一月は睦月=“睦む月”でございますから“一家総出で睦む”、そして勢いよく勤めさせていただきたいと思っております。



坂東彦三郎
(『梶原平三誉石切』大庭三郎景親/『勢獅子門出初台』鳶頭 亀吉)

 来年は辰年ということで、年男になります。国立劇場も新しい節目の第一歩を踏み出す時ですので、私も年男として、一緒に新しい一歩を踏み出して、龍のように飛躍できればなと思っております。
 『石切梶原』では、襲名で梶原を、また、それ以前に俣野を勤めました。襲名の時に大庭を勤めていたのが父(坂東楽善)でございます。父からは、「大庭は大名らしくしていることが大事だ」という事ですので、そのように勤めたいと考えています。
 新国立劇場には、新宿から京王新線に乗らないと来られないのが少し心配です(笑)。京王線に乗ってしまうと「初台」を通らずに「笹塚」まで行ってしまうので、ご注意ください。



中村梅枝
(『梶原平三誉石切』六郎太夫娘梢/『芦屋道満大内鑑―葛の葉―』女房葛の葉・葛の葉姫
/『勢獅子門出初台』芸者 お梅)

 初めての初台での歌舞伎公演でございます。いつもの国立劇場の1月公演のように、肩ひじを張らずに楽しんでいただける演目が並んでいます。
 『梶原平三誉石切』の梢(こずえ)は初役です。祖父(四代目中村時蔵)が昭和37年歌舞伎座での一月公演の千穐楽の日に亡くなりましたが、その時に勤めていたのが梢でした。そういう意味でも一度させていただきたいなと思っておりましたし、六郎太夫との親子の情というものを大事に勤めたいです。
 『葛の葉』も初役でございますが、人ならざる者だからこその深い愛情、それをストレートに出すことができればと思っております。


中村萬太郎
(『梶原平三誉石切』俣野五郎景久/『勢獅子門出初台』鳶頭 萬吉)

 『梶原平三誉石切』は作品自体に出演するのが初めてで、いきなり俣野を勉強させていただけるということで、とてもありがたいですし、精一杯勤めたいと思っています。
 俣野は赤っ面の敵役。大庭がどっしり構えているなかで、俣野は大庭が届かないところに手を伸ばしてあげるようなお役です。変に遠慮しても面白くないですし、見ているお客様に「なんだこいつは」と思っていただけるよう憎々しく勤めあげたいと思います。

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 現代舞台芸術の殿堂である新国立劇場で本格的な歌舞伎が上演されるのは今回が初めてです。『梶原平三誉石切』『芦屋道満大内鑑』という義太夫狂言と、華やかな歌舞伎舞踊『勢獅子門出初台』の三本立てで、世代を越えて継承される歌舞伎の芸、そして醍醐味をご堪能いただきます。
 毎年恒例の手ぬぐいまきもございます。国立劇場おなじみの初芝居をお楽しみください。



  
新国立劇場・中劇場のホワイエ

 今回の取材会は、高い吹き抜けと窓から差し込む陽光が印象的な新国立劇場・中劇場ホワイエにて開催しました。
 公演会場の新国立劇場は、京王新線初台駅中央口直結で、新宿駅からのアクセスも大変便利な場所です。今後は、都内様々な場所で歌舞伎公演を開催いたします。
 これからは、新たな場所で皆様のご来場をお待ちしております。

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