国立劇場

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【12月文楽・文楽鑑賞教室】好評上演中、19日まで!(舞台写真あり)

12月文楽鑑賞教室・文楽公演が6日(火)に初日を迎えました。
文楽鑑賞教室は、時代物屈指の名作『絵本太功記』と実演を交えた解説がセットになっていて、文楽の魅力がより深く味わえる公演です。現在の国立劇場での文楽鑑賞教室の開催は今回が最後となります。
文楽公演では、壮大なスケールの一大史劇『本朝廿四孝』より、二段目と四段目を中心に戦国大名の勢力争いを題材にした場面を上演します。
次代の文楽を担う中堅・若手技芸員による公演をぜひお楽しみください。
舞台写真とともに、みどころをご紹介いたします。

【文楽鑑賞教室】
『解説 文楽の魅力』

文楽は太夫・三味線・人形が一体となって作られる舞台芸術です。技芸員が実演を交えながらその魅力をお伝えします。


『解説 文楽の魅力』(Aプロ)


『解説 文楽の魅力』(Bプロ)


『絵本太功記』
織田信長(作品では小田春永)に対し謀反を企て、本能寺で討ち果たした明智(武智)光秀を主人公に、 豊臣秀吉(真柴久吉)との対立を軸にした物語です。
今回上演する「夕顔棚の段」と「尼ヶ崎の段」は、謀反人となった光秀とその家族の苦悩が描かれる名場面です。

光秀の母・さつきが住む尼ヶ崎の家が舞台です。
光秀の妻・操とその息子の十次郎の婚約者・初菊がさつきを訪ねてきます。そこへ旅の僧と、それを追ってきた光秀が姿を見せます。出陣の許しを得るために十次郎もやってきて、さつきは十次郎と初菊に祝言を挙げることを勧めます。


『絵本太功記』夕顔棚の段



討ち死を覚悟している十次郎は操へ別れを告げ、初菊へは他家へ嫁いでほしいと伝えます。初菊は涙ながらに出陣の支度を手伝い、盃を交わすとすぐに十次郎は出陣してしまいます。


『絵本太功記』尼ヶ崎の段



さつきが僧に風呂に入るよう促すと、陰から様子を窺っていた光秀は、この僧こそ久吉に違いないと風呂場へ竹槍を突き立てました。
しかし中に入っていたのは……!
それぞれの人物の悲しみや情愛が描かれ、物語は山場を迎えます。


『絵本太功記』尼ヶ崎の段


『絵本太功記』尼ヶ崎の段


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【文楽公演】
『本朝廿四孝』

時は戦国時代。将軍・足利義晴が暗殺される事件が起き、対立する武田家と長尾家へ将軍殺害の疑いがかかります。3年のうちに犯人が見つからなければ、それぞれの後継者の命を差し出さなくてはならず、その期限が目前に迫っています。
武田家では、信玄の子・勝頼が死なねばならず、武田家の家老・板垣兵部は策を企てます。勝頼の切腹を巡り、戦国大名たちの深謀遠慮の駆け引きが繰り広げられ、驚くべき事実が発覚します。


『本朝廿四孝』勝頼切腹の段



長尾家でも犯人捜索が困難を極め、謙信の息子・景勝の切腹が避けられない状況となります。不穏な空気の中、奇妙な風体の老人・花守り関兵衛が現れ、謎に謎を重ねながら物語は進んでいきます。


『本朝廿四孝』鉄砲渡しの段



一方、謙信の息女・八重垣姫は許婚の勝頼が命を落としたと知り、涙ながらに弔っています。そこに現れたのは勝頼と瓜二つの花作り簔作でした。武田家の重宝・諏訪法性の兜が鍵を握る、八重垣姫の燃え上がるような恋の行方にご注目ください

クライマックスには関兵衛の正体、そして将軍暗殺の犯人など様々な謎が明らかとなり、物語は大団円を迎えます。


『本朝廿四孝』十種香の段


『本朝廿四孝』奥庭狐火の段


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12月文楽公演・文楽鑑賞教室は19日(月)まで!
初代国立劇場最後の師走を彩る舞台をどうぞお見逃しなく!


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