国立劇場

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【2月声明】「薬師寺の花会式」の魅力を紹介します!


 「声明」とは、仏教儀式において僧侶が唱える声の表現です。国立劇場ではその音楽性や芸能的要素に着目し、1966年の開場以来、声明公演を継続的に行っています。  令和2年2月の声明公演でご紹介するのは、「薬師寺の花会式(はなえしき)」です。その魅力と見どころ、聴きどころをご紹介します。


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  花会式とは、法相宗大本山薬師寺(奈良県奈良市)で最も歴史のある行事で、奈良の春の風物詩として親しまれています。旧暦二月に行われる法要「修二会(しゅにえ)」の別称で、期間中、12個の大きな鉢に飾られた造花が堂内を荘厳することにその名をちなみます。



  造花は、薬師寺に縁のある家の方々により、古くから伝わる手法で手作りされています。今回の公演では、特別に、実際の花会式で用いられるものと同様に作られた造花が舞台上に飾られます。華やかな舞台にもどうぞご注目ください。






  花会式で唱えられる声明の特徴は、明るくのびやかな響きにあります。 「お経」というと暗くて単調なもの、と思う方も多いかもしれませんが、そうしたイメージを覆すような音楽性の高い旋律や、僧侶の大音声の迫力をご鑑賞いただけます。



  また、独特の作法も見どころの一つです。 『咒師作法(しゅしさほう)』において行われる秘法「咒師走り」では、二本の剣を持った僧侶(咒師)が堂内を巡り、天地を結界します。前半で読唱される『薬師悔過(やくしけか)』から一転、法螺貝や太鼓等の鳴り物が異様な雰囲気を醸し出す、緊張感と迫力のある作法です。



咒師走り

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  美しい花々の中で行われる、ドラマチックな展開に富んだ「花会式」。春を迎えるにふさわしい公演に、ぜひ足をお運びください。

写真提供=薬師寺、野本暉房(「咒師走り」のみ)