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国立文楽劇場

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【4月文楽公演】チケット好評発売中!!

大阪・国立文楽劇場で4月2日(土)に初日を迎える「4月文楽公演」。

今回の公演も「聴き応え・見応え」たっぷりの演目となっております!!

<話題1> 豊竹咲太夫が文化功労者に!思い出の「四の切」を語る!!

昨年秋に文化功労者として顕彰された豊竹咲太夫。本公演では第一部に出演し、咲太夫自身にとって大変思い出深い「四の切(河連法眼館の段)」を語ります。

<話題2> 「文楽座命名一五〇年」記念でもある!!

初春文楽公演に続いて、「文楽座命名一五〇年」も記念した今回の公演。さらに展示室では前回から展示替えして貴重な資料をご覧いただけます。

見どころたっぷりの4月文楽公演、お見逃しなく!


<<ここから下は、各部演目のあらすじをご紹介します!>>

第1部 午前11時開演
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

 兄の頼朝から疎まれ、兄弟の和睦は叶わぬこととなった義経は、家来数名を伴って都を落ち延びました。伏見稲荷まで来た義経に、愛妾の静御前と義経の家来である武蔵坊弁慶が追いつきます。義経は静に後白河法皇から賜った初音の鼓を与えます。そこで、討手方の逸見の藤太が、静を鼓もろとも連れ去ろうとしますが、義経の家来である佐藤忠信が現れて静を助けます。義経は、忠信に源九郎義経の名と鎧を与え、静を託します。

 その後、静と忠信は、義経がいると聞く吉野山へ向います。あたりは満開の桜、忠信は主人の鎧を取り出し、静は初音の鼓を打って、義経をしのびます。忠信は八島の合戦を追懐します。海には平家、陸には源氏、悪七兵衛景清と三保谷四郎との力競べ「錣引き」も世に広く知られました。忠信の兄継信は、能登守教経の放った矢に胸を貫かれ戦死します……。二人は涙をおさえ、励まし合いながら旅路を急ぎます。



 義経は、吉野山の河連法眼の館に身を隠しています。そこへ佐藤忠信が訪ねて来ます。義経は預けた静のことを尋ねますが、忠信は、八島の戦ののち故郷に帰っており、今久しぶりに参上したところで身に覚えがないと言います。続いて、静の供をして二人目の忠信が到着しました。怪しく思った義経は静に、初音の鼓を打って詮議するよう命じます。静が鼓を打つといつものように忠信が現れます。静が問い詰めると、偽の忠信は身の上を打ち明けます。初音の鼓は千年生きた狐の生皮をもって作られたもので、鼓は自分の親、自分はその子であるというのです。父母の恩を思い、鼓を慕って別れを惜しむ狐に、義経は鼓を与えることにします。狐は喜び、鼓を戴いてかき消えるのでした。

 

第2部 午後2時15分開演
摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)

 大名高安家の嫡子俊徳丸は、父の継室玉手御前に恋慕された挙げ句、玉手御前が鮑貝の盃で勧めた酒を吞んだ後に難病を煩い、父の館を出奔しました。
 その後、俊徳丸の許婚浅香姫は、家来の入平を供に彼の消息を尋ね歩いていました。ついに四天王寺の境内で盲目となり変わり果てた姿の俊徳丸と再会を果たします。そこに俊徳丸の妾腹の兄で姫に横恋慕している次郎丸が現れ、姫を連れ去ろうと姫達に襲いかかります。間一髪で姫と俊徳丸は、閻魔堂建立の勧進僧合邦道心に救われます。



 合邦の住まいでは、合邦夫婦が、義理の息子に恋をした不義者として処罰されたであろうと実娘である玉手御前の回向をしていました。そこに玉手が姿を現し、夫婦は戸惑いながらも親心から娘を家の中へ入れました。この後に及んでも俊徳丸と添い遂げさせてほしいと望む玉手に夫婦は呆れ果てます。この家に匿われていた俊徳丸に再会した玉手は、自分の恋を叶えるため俊徳丸に毒酒を吞ませて難病を発症させたと語りました。側で聞いていた清廉潔白な合邦が娘に怒りの刃を突き立てます。自らが話を語る間はこの刃を抜かないでくれと頼んで、玉手は本心を語り始めます。実は玉手は、俊徳丸への恋を装うことで、継母として息子たち(俊徳丸と次郎丸)の争いを回避して二人の命を救い、夫にも義理を立てようとしていたのでした。

 

第3部 午後5時30分開演
嬢景清八嶋日記(むすめかげきよやしまにっき)

 駿河の遊廓花菱屋に肝煎の佐治太夫が糸滝という少女を連れて来ます。糸滝は、幼いころに生き別れ、今は日向で盲目の乞食になっている父を養う金と、父に一目会う暇さえもらえたらありたけ奉公すると言って、奉公を願い出るのでした。その話を聞いた主人は、早速糸滝に金と暇を渡し送り出します。
 佐治太夫を供にして、日向にたどり着いた糸滝は、一人の盲目の乞食に出会いました。その男に名高き平家の侍大将悪七兵衛景清の消息を尋ねた糸滝は、この乞食こそ父の景清だと知りました。親子の再会を果たした糸滝は、大地主への嫁入先からの持参金だと偽って、実は奉公で得た金を父に渡します。しかし景清は侍の誇りから、百姓からの金は受け取らないと突き返し、杖を振り上げて娘を追い返しました。その後、糸滝が残した文の内容から、娘が自分のために身を売って工面した金と知り、娘が乗った船を呼び戻そうとしますが、叶いません。景清は嘆き苦しんで涙を流すのでした。


契情倭荘子(けいせいやまとぞうし)

 恋仲だった助国と小巻は、二人が仕える家中のトラブルに巻き込まれ、この世で結ばれることが叶わずに命を落としました。死出の旅の途中、二人は生前にその睦まじさを羨んでいた番の蝶の姿となって舞い遊びます。しかし蝶の寿命ははかなく、楽しい時は過ぎ、地獄の責めが二人を待っているのでした。