イベントレポート

あぜくらの集い 「新野の雪祭り」の魅力 を開催いたしました。

11月民俗芸能公演「新野の雪祭り」に際し、10月2日(木)あぜくらの集い<「新野の雪祭り」の魅力>を開催いたしました。
民俗学者の小川直之先生(國學院大學教授)による解説で、「新野の雪祭り」の見どころや折口信夫(おりくちしのぶ)との関係を分かりやすくお話しいただきました。

「新野の雪祭り」は長野県下伊那郡阿南町で毎年1月14日に行われている五穀豊穣を祈る祭りです。この祭りを評する際、「寒い、眠い、煙い」といわれるほど、真冬に夜通し行われる祭りは参加者の身にこたえるものですが、それでも毎年民俗学者をはじめ多くの人々が集まるのは、新野の雪祭りの魅力に惹きつけられるからでしょう。

小川直之氏 画像
小川直之氏

この祭りの魅力を発見し、広く知れ渡るきっかけを作ったのは大正から昭和にかけて活躍した民俗学の大家・折口信夫です。折口がこの祭りを重視したのは、祭りの中に日本の芸能の原型が含まれているからでした。豊作の兆として雪を重要視することから、古くから地元に伝承されてきた祭りを「雪祭り」として紹介したことなど、小川先生から折口と祭りとの関わりをお話しいただきました。

調査資料や直筆原稿 画像
折口の調査資料や直筆原稿が参照されました

祭祀の次第の説明では、話は「雪祭り」にとどまらず田楽や猿楽など他の芸能との関係にも及びました。次第で行われる具体的な動作の特徴を、身振り手振りを加えながら解説いただき、参加者の祭りへの理解が深まりました。

ビンザサラ舞 画像
ビンザサラ舞
幸法 画像
幸法

小川先生が実際に調査に行かれた際の祭りの様子など、臨場感あるお話と豊富な写真資料で見どころをお話いただき、公演への期待も高まりました。

写真資料 画像 写真資料 画像 写真資料 画像 写真資料 画像

参加者からは「芸能をみるヒントをたくさん教えていただきました」、「公演だけでなく、実際の祭りにも足を運んでみたくなった」などの感想をいただき、「新野の雪祭り」への関心を深める機会となりました。

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