イベントレポート

あぜくらの集い
「歌舞伎舞踊の魅力─関の扉をめぐって─」

開催:平成29年5月18日(木)開催
場所:国立劇場伝統芸能情報館 3階レクチャー室

 

 

  5月27日開催の舞踊公演「名作歌舞伎舞踊」に先立ち「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)─関の扉─」に出演される花柳基さん、水木佑歌さんをゲストにお迎えして「あぜくらの集い」を開催しました。国立劇場の織田紘二顧問の講演と進行で、「関の扉」を中心に歌舞伎舞踊の魅力を知る企画です。

  『積恋雪関扉─関の扉─』の初演は天明4年(1784)。「宝暦・天明期は歌舞伎舞踊が大きく変わった時代。初代中村富十郎の「京鹿子娘道成寺」を代表とする女形舞踊の時代から、初代中村仲蔵が創り上げた立役中心の舞踊が上演されるようになりましたが、その代表作のひとつが『関の扉』」です、と織田さん。

  今回、花柳流の型で関守関兵衛実は大伴黒主に挑む基さんは「関兵衛は、大きな間でおおどかさを表現するのが難しいのです。浄瑠璃、衣裳、雪の中に咲く桜など、ありとあらゆる面で『関の扉』の世界を感じていただければ」。佑歌さんからは「壽應先生から<墨染は桜の花の精だと思っておやりなさい>とご指導いただきました」と、貴重な稽古の話も。

  トークの合間には、昭和五53年(1978)の初春歌舞伎公演の『関の扉』の記録映像を鑑賞しました。関兵衛が二代目尾上松緑さん、傾城墨染実は小町桜の精を七代目尾上梅幸さん、小野小町姫を七代目尾上菊五郎さん、良岑少将宗貞を初代尾上辰之助さんという、懐かしくも豪華な顔合わせです。

  「映像で素晴らしい舞台を拝見し、身の引きしまる思いです。〝歌舞伎役者さんの踊りも素敵だけど、舞踊家の踊りもいい〟と言っていただけるように頑張ります!」と力を込めるお二人に、会場から大きな拍手が贈られました。

あぜくら会ではこれからも会員限定の様々なイベントを開催してまいります。皆様のご参加をお待ちしております。

あぜくら会ニュースに戻る

国立劇場あぜくら会