豊竹咲太夫が文化功労者に

重要無形文化財保持者(人間国宝)で人形浄瑠璃文楽の太夫、豊竹咲太夫が
令和3年度の文化功労者として顕彰されました。
文楽の太夫で文化功労者として顕彰されるのは、豊竹咲太夫で4人目です。

令和3年9月文楽公演『卅三間堂棟由来』
「平太郎住家より木遣音頭の段」
豊竹咲太夫
昭和19年5月10日生まれ
大阪府出身 父は八世竹本綱太夫
昭和28年8月
豊竹山城少掾に入門、竹本綱子太夫と名のる
昭和28年10月
四ツ橋文楽座において、『伽羅先代萩』「御殿の段」の鶴喜代君で初舞台(政岡は師の山城少掾)
昭和41年9月
道頓堀朝日座において、初代豊竹咲太夫と改名
『鬼一法眼三略巻』「菊畑の段」の虎蔵で披露
平成21年4月
切語りになる(重要な場を語る太夫に与えられる最高の資格)
令和元年10月
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される

「文楽座命名一五〇年」について

 人形浄瑠璃文楽座は、竹本義太夫が貞享元年(1684)に道頓堀に竹本座を旗揚げして以来、その芸系を伝える、唯一の劇団です。
 この劇団を代々にわたり経営した植村家の元祖、正井与兵衛の素人の浄瑠璃語りとしての号『文楽』を冠した『文楽座』が、劇場および劇団として正式に命名されたのは、明治5年(1872)1月に松島文楽座(現 大阪市西区)が開場した時のことで、令和4年(2022)は150年に当たります。この節目の年に、当公演を記念公演として開催します。

見どころ・あらすじ|HIGHLIGHTS & STORY

  • 第一部
  • 第二部
  • 第三部
  • 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)/伏見稲荷の段/道行初音旅/河連法眼館の段

    見どころ・あらすじを読む
  • 競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)/玉水渕の段/春日村の段

    見どころ・あらすじを読む
  • 桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)/石部宿屋の段/六角堂の段/帯屋の段/道行朧の桂川

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公演日程|SCHEDULE

令和4年5月7日[土]~24日[火]
令和4年5月文楽公演 公演日程表
  • 第一部 午前11時開演(午後1時50分終演予定)
  • 第二部 午後2時30分開演(午後5時終演予定)
  • 午後5時45分開演(午後8時30分終演予定)
  • ・開場時間は、開演30分前の予定です。・各部休憩がございます。
国立劇場託児室
  • ・月・水・土・日に開室。
    事前のご予約をお願いします。
    (現在、受け入れ人数を制限しております。)
  • ・料金(税込)
    0~1歳 2,200円
    2~12歳 1,100円
  • ・受付時間:
    平日午前9時~午後5時
  • ・ご予約・お問い合わせ: 0120-165-115
    イベント託児・明日香

チケット情報|TICKETS

ご観劇料(各部・税込)

1等席 7,000円(学生4,900円)/2等席 6,000円(学生4,200円)
  • ※障害者の方は2割引です。また、車椅子用スペースがございます。詳細はチケットセンターまでお問い合わせください。
  • ※出演者などの変更の場合はご了承ください。
  • ※販売席数を一部制限させていただきます。ただし、国及び東京都の催物の開催制限等にしたがって販売席数を変更する場合がございます。
  • ※障害者の方は2割引です。また、車椅子用スペースがございます。詳細はチケットセンターまでお問い合わせください。
  • ※出演者などの変更の場合はご了承ください。
  • ※販売座席を一部制限させていただきます。ただし、国及び東京都の催物の開催制限等にしたがって販売席数を変更する場合がございます。

アクセス|ACCESS

〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
TEL:03(3265)7411(代表)

  • 半蔵門線「半蔵門駅」
    6番出口(エスカレーター・エレベーターあり)
    1番出口から 徒歩約5分
  • 有楽町線/半蔵門線/
    南北線「永田町駅」
    4番出口から 徒歩約8分
    2番出口から 徒歩約10分
  • 都バス

    都03(晴海埠頭―銀座四丁目―四谷駅)
    「三宅坂」徒歩1分(本数僅少)

    宿75(新宿駅西口―河田町―四谷駅前―三宅坂)
    「三宅坂」徒歩1分(本数僅少)

  • 劇場バス
    運行は中止しております。
※駐車場は収容台数に限りがございます。
なるべく公共交通機関をご利用ください。
第一部
午前11時開演(午後1時50分終演予定)
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』
  • 『義経千本桜』

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)/伏見稲荷の段/道行初音旅/河連法眼館の段

 源義経(みなもとのよしつね)の流転を軸に、源平合戦にまつわる武将たちの後日譚を盛り込んだ大作のうち、義経の家臣で主君に愛妾・静御前(しずかごぜん)の守護を命じられた佐藤忠信(さとうただのぶ)を中心とした物語を上演します。

 都落ちを余儀なくされた義経は静御前に初音(はつね)の鼓(つづみ)を託し、源九郎(げんくろう)の名を与えた忠信を供に付けて別れます。吉野山を越え、静御前と忠信は義経のもとに辿り着きます。しかし、到着した忠信と義経との対面は何とも奇妙な模様です。義経と静は一計を案じ、忠信の正体を突き詰めようとしますが……。

 満開の桜が舞い散る絢爛たる舞台、そして正体を顕した忠信の口から親子の情愛が語られる名場面は、神秘に満ち、心を揺さぶることでしょう。

第二部
午後2時30分開演(午後5時終演予定)
  • 『競伊勢物語』
  • 『競伊勢物語』
  • 『競伊勢物語』
  • 『競伊勢物語』
  • 『競伊勢物語』

競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)/玉水渕の段々/春日村の段

 美男の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)の生涯を綴ったとされる『伊勢物語』を下敷きに、帝位争いに追われる身となった業平と井筒姫(いづつひめ)を救うためさまざまな人物が苦闘を重ねる姿を描きます。紀有常(きのありつね)と老婆・小よしが“はったい(麦こがし)茶”を服しながら亡き人をしのぶ情趣、有常が実の娘・信夫(しのぶ)を殺す覚悟を固めつつ娘の髪を梳(す)く苦衷、香気たちこめる結末……。

 東京では昭和62年(1987)以来、実に35年ぶりとなる名作の登場。この機会に、涙あふれる激情に満ちた展開とともに風雅な歌物語の趣向が数々に織り込まれた格調高い作品を、ぜひご堪能ください。

第三部
午後5時45分開演(午後8時30分終演予定)
  • 『桂川連理柵』
  • 『桂川連理柵』
  • 『桂川連理柵』
  • 『桂川連理柵』
  • 『桂川連理柵』
  • 『桂川連理柵』

桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)/石部宿屋の段/六角堂の段/帯屋の段/道行朧の桂川

 京都・桂川の川岸で中年男性と少女の遺体が発見された事件を脚色し、分別がある年齢の男性と少女の恋を軸にした物語です。

 京都・虎石町(とらいしちょう)の信濃屋の一人娘・お半(はん)は、伊勢参りの帰り、隣の帯屋の養子・長右衛門(ちょうえもん)と合流します。近江国石部(いしべ)宿(現在の滋賀県)での夜、丁稚(でっち)の長吉(ちょうきち)に言い寄られ、お半が長右衛門の寝床へ逃げ込んだことから両家の人びとを巻き込んだ大騒動に発展します。

 運命に抗えず心中に至るお半と長右衛門の哀調、夫婦の情愛、親子の慈味、はたまた長右衛門を貶(おとし)めようとする人々の奸計とおかしみ……。さまざまな人情の機微が交錯する世話物の傑作をお楽しみください。