芸術文化振興基金

第27回京都国際子ども映画祭

芸術文化振興基金助成事業令和3年度助成事業事例集

特定非営利活動法人 キンダーフィルムフェスト・きょうと(助成金額:233千円)

活動概要

近年、私たちの周りにはテレビやゲーム、YouTubeやスマートフォンなど、多様な映像メディアが溢れ、年齢を問わず誰でも簡単にアクセスできるほど身近な存在になっています。そのようななか、改めてメディア・リテラシーについて考ることは、私たちにとって大きな課題の一つと言えるでしょう。

世界中には様々な文化や価値観があることを知り、理解しようとすることは、これからの国際社会で生きていくうえで、とても重要なことです。

そこで、子どもたちの自主性を育み、異文化理解を深め、想像力を豊かにし、すべての子どもに活躍の場を与えることを目的として、私たちは2002年に特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト・きょうとを設立しました。

「子ども」「芸術・文化」「国際交流」の三つを軸に、映画鑑賞や映像制作ワークショップの活動を通して、たくさんの子どもたちが活動できる場を提供しています。

毎年、夏には子どもたちが企画や運営を行う「京都国際子ども映画祭」を開催。子どもが主人公の映画を上映し、小学4年生から中学3年生までの子ども審査員がグランプリ作品を審査会議で議論の上、決定。また小学生から高校生までの子どもスタッフが当日の司会や進行、受付、場内案内などを行います。

2020年は新型コロナウイルスの影響により夏の開催を中止し、2021年3月に延期。規模も大幅に縮小して開催しました。そして、2022年3月はオンライン上で映画祭を開催しました。

助成を受けて

新型コロナウイルス感染症の影響によって、映画祭開催に向けた準備が十分に行えない状況が続き、通常の現地開催(京都文化博物館フィルムシアター)よりオンラインでの映画祭に変更しました。

今回は過去に映画祭で上映した作品や、子どもスタッフが制作した映画を選定。たくさんの子どもたちに気軽に映画を観てもらえるよう、会員登録やクレジットカードの登録が必要のない方法を採用しました。また配給元にも方針についてご賛同いただき、無料で上映を行うこととしました。

助成の意義

手法にこだわったアニメーションや、日本ではほとんど公開されない子どもを描いた外国映画、また子どもたち自身が制作した映画をオンライン上で上映することができました。いつでもどこでも気軽に映画を観ることができたため、多くの人に届けることができたと思います。映画祭最終日にはオンライン上(zoom)で感想会を行い、映画を見て、人と思ったこと、感じたことを話し合い、映画を深く理解できる時間を作ることができました。

本イベントは20年以上毎年実施してきましたが、毎年資金繰りが困難な状態です。助成がなければ映画祭そのものの開催が出来ませんでした。助成により国内の作品だけではなく普段劇場では観ることのできないような様々なジャンル・国の映画を上映でき、映画の多彩な魅力を知ってもらいまた様々な国の人々や彼らの生活を理解し多様な文化に対する子どもの想像力を育むことができると思っています。

今後の活動

今回のオンライン映画祭では子どもたちが活躍できる場が少なく、達成感を感じづらい状況だったようにも思います。実際に来場者の方の顔を見て接することで、子どもたちの経験に深く刻まれると思いますし、今後は会場での現地開催とオンライン開催を併用し、どちらの利点も考慮しながら、映画祭を発展させていきたいと思います。

特定非営利活動法人 キンダーフィルムフェスト・きょうと

  • 住所〒604-0931
    京都府京都市中京区榎木町87 河二ビル401
  • TEL075-212-8612
  • E-mail
  • Webサイトhttps://www.kff-kyoto.com/