- 2018.05.24
吉田文哉の休演について
- 2018.05.12
初日を迎えました!
- 2018.05.11
タイムテーブルを公開しました
- 2018.05.11
お仕事帰りに文楽を!「アフター6BUNRAKU」のご案内
- 2018.05.11
竹本文字久太夫の休演について
- 2018.05.11
代演について
- 2018.05.09
『彦山権現誓助剣』の安全祈願祭を行いました!
- 2018.05.02
くろごちゃんが解説! 『彦山権現誓助剣』の魅力
- 2018.04.25
あぜくらの集い「吉田幸助を迎えて」イベントレポートを公開しました!
- 2018.04.12
【4月文楽公演】戦国BASARA×文楽コラボレーション パネル展示、スタンプのご案内
- 2018.04.12
【4月文楽公演】吉田玉助初日メッセージ(動画)
- 2018.04.11
第二部『彦山権現誓助剣』予告編(動画)を公開!
- 2018.04.11
【4月文楽公演】ご観劇記念スタンプのご紹介
- 2018.04.06
国立文楽劇場〈幕見席のご案内〉4月文楽公演
- 2018.04.02
第二部『彦山権現誓助剣』吉田和生インタビュー(動画)を公開
- 2018.03.23
吉田幸助からのメッセージ動画を公開
- 2018.03.23
4月、5月文楽特設サイトをオープンしました
- 2018.03.02
戦国の世を生きる「戦国BASARA×文楽 2018コラボレーション」のご案内


玉助を五代目として継がせていただきます。玉助という名前は53年ぶりの復活ですが、この名前を皆様に知っていただけるように、私も決意を新たに、今までとは全然違うところを皆様に観ていただきたいと思っております。私の父であり師でもある玉幸は、生前玉助襲名を胸に秘めており準備もしておりましたが、病に倒れ、それが叶いませんでした。

名前に負けない芸を精進して身に付け、名前を長く使わせていただくのも先代への恩返しだと思い、若輩者ですが名跡を継がせていただくことにしました。先代は戦前戦後の文楽を支えた人形遣いですが、ある師匠が先代の芸についてお話しになる時、「三代目はすごい大きな人形遣い、人形が大きく見える人形遣いだ」とおっしゃっていました。私も輪郭の大きな立ち役遣いとして先代に一歩でも近づける様に芸道に邁進してまいります。
芸は一つ一つの積み重ねですので、その積み重ねをしっかり勉強し、これからもっと大きな人形、そしていろいろな役を持つことができるように頑張ります。
新しい玉助を何卒宜しくお願い致します。


- 【三代目吉田玉助】
明治28年(1895)~昭和40年(1965) - 明治39年(1906)三代目吉田玉造(玉蔵)に入門し玉小を名乗る。翌年9月文楽座へ入座。その後、玉幸を経て、昭和17年(1942)5月四ツ橋文楽座『本朝廿四孝』の山本勘助、『平家女護島』瀬尾太郎で三代目吉田玉助を襲名した。初代吉田栄三の後、座頭格の大役を数多く遣った。
- 【四代目吉田玉助(追贈)】
昭和13年(1938)~平成19年(2007) - 昭和27年(1952)3月に養父三代目吉田玉助に入門し、玉幸を名乗る。同年4月四ツ橋文楽座で初舞台。玉助没後は吉田玉男門下となり、力強い動きのある立役や、老け役に定評があった。

近松半二・三好松洛らによる合作で、五段続きの時代物です。明和3年(1766)1月、大坂の竹本座で初演されました。戦国時代の武田信玄・長尾(上杉)謙信の争いを題材とした作品です。作品名は、二十四人の親孝行な人物の話を集めた中国の故事「廿四孝」からとられたもので、その故事に着想を得た孝行話《雪中の筍》も登場する三段目「勘助住家の段」はみどころの多い一段です。

戦国時代を代表する名軍師・山本勘助誕生秘話が、時代物の壮大なスケールに乗って展開されます。三代目が襲名披露の際に遣い、四代目も晩年に遣った〈横蔵後に山本勘助〉を五代目玉助が遣います。どうぞご期待ください!



-
第二部『彦山権現誓助剣』予告編
-
第二部『彦山権現誓助剣』
吉田和生インタビュー


伝説の名軍師の名跡、
継ぐのは兄か弟か
足利将軍の暗殺をめぐる武田、長尾(上杉)両家の確執を描く五段構成の大作から、異形の軍師山本勘助(やまもとかんすけ)の誕生を描く三段目をご覧いただきます。
武田と長尾の領土境に捨てられた幼子峰松(みねまつ)は、軍師山本勘助の身内でした。武田の執権高坂弾正(こうさかだんじょう)と妻の唐織(からおり)、長尾の執権越名弾正(こしなだんじょう)と妻の入江(いりえ)は、幼子を奪い合いますが、唐織の機転で高坂が手に入れます。
勘助は既に亡く、その未亡人で名跡を預かる母は、兄の横蔵(よこぞう)に甘く、弟の慈悲蔵(じひぞう)にはつらく当たります。弟を叱ったはずみに母の下駄が脱げると、長尾の嫡男景勝(かげかつ)は下駄を拾い、横蔵を家臣に望みます。
桔梗原の段
景勝下駄の段
峰松を連れた唐織は、親の慈悲蔵に武田家への仕官を勧めますが、慈悲蔵は断ります。女房のお種(たね)は、門口に残された峰松に駆け寄りますが、何者かが放った手裏剣が峰松を貫きます。
雪中で筍(たけのこ)を探す慈悲蔵は、軍書を納めたと思われる箱を横蔵と争います。母が景勝の家来になれと迫ると、横蔵は足に受けた手裏剣で片目をえぐり、武田信玄と意気投合していたと語り、箱から足利家の幡(はた)を取り出すと、慈悲蔵実は長尾の家臣直江山城之助(なおえやましろのすけ)を圧倒します。弟に軍書を譲り、横蔵は自ら山本勘助を名乗るのでした。

三代目吉田玉助は戦後の文楽で立役の第一人者として活躍した人形遣いでした。このたび三代目の孫幸助が、師でもある父玉幸に四代目を追贈し、横蔵後に山本勘助役で五代目を襲名いたします。

道行の代表作
大作「義経千本桜」から白拍子静御前(しずかごぜん)が愛する源義経(みなもとのよしつね)の元に向かう道のりを描く一幕。護衛役の佐藤忠信(さとうただのぶ)[実は狐忠信]を相手に舞と軍(いくさ)物語が繰り広げられます。華やかで豪快な語りと三味線の演奏、花盛りの吉野山を背景にした、道行の醍醐味が味わえます。



女剣士の助太刀は
父が認めた許婚
養父の敵を捜し求める女剣士お園(その)、その敵で強悪な剣士京極内匠(きょうごくたくみ)。互いに出生の秘密を持つ二人の因縁と、お園の助太刀となる豪傑毛谷村六助(けやむらろくすけ)との巡り逢いを描く仇討物で、18年ぶりの半通し上演です。
中国の大名郡(こおり)[毛利]家の剣術師範吉岡一味斎(よしおかいちみさい)は、同じ家中の京極内匠に闇討ちされ、妹娘のお菊(きく)は幼子の弥三松(やそまつ)と従者の友平(ともへい)と共に国を発ち、須磨浦で内匠と出会います。お菊は自分に横恋慕していた内匠を油断させようとしますが、返り討ちにあいます。
姉娘のお園は辻君に姿を変えて内匠を探していましたが、小栗栖(京都市伏見区)の池のほとりで、友平から敵の手がかりの守袋を託されます。守袋を池に投げ込むと、お園が懐中している真柴久吉(ましばひさよし)[羽柴秀吉]ゆかりの千鳥の香炉が音を発します。その音に誘われた博徒の銅八(どうはち)は、明智光秀(あけちみつひで)の霊の導きで小田(おだ)[織田]家の名刀蛙丸(かわずまる)を手に入れます。銅八こそ内匠で、内匠は光秀の遺児だったのです。瓢簞棚を舞台に、お園と内匠は死力を尽くして闘います。


毛谷村(現大分県中津市)の百姓六助は母の墓参のもどりがけ、浪人の微塵弾正(みじんだんじょう)から仕官のために試合に負けてくれと頼まれ、瀕死の一味斎の家来佐五平(さごへい)に弥三松を託されます。
領主立浪(たつなみ)[立花]家の使者の前で六助は弾正に勝ちを譲ります。六助の元を訪れた老女お幸(こう)は、六助に親子になろうと持ち掛け、虚無僧姿の女性は、六助に斬りかかります。その女性はお園で、実は六助の許婚だったのです。お幸は一味斎の未亡人、弥三松はその孫と分かり、また弾正は内匠の変名で欺かれたことを知った六助は、再試合の後、助太刀することを誓うのでした。


『彦山権現誓助剣』
主な登場人物

- 吉岡一味斎(今回は登場しない)
- 長門国(現・山口県)郡(毛利)家の剣術指南役。豊前国(現・大分県)彦山の麓の毛谷村に住む兵法の達人・六助を見込んで、高良の神の使いを名乗り、彦山権現の鳥居前で彼に剣術奥義の一巻を授けた。御前試合で打ち負かした京極内匠に逆恨みされ、鉄砲で暗殺されるという非業の死を遂げる。一味斎を失った家族は二手に分かれて仇討の旅に出るが、その道はいずれも困難を極めることになる。

- お園
- 吉岡一味斎の娘でお菊の姉。大力の持ち主であり剣術に優れ、身の丈が六尺(約180cm)あまりある長身だが、見目麗しい女性。父の横死後、母から自らが一味斎の実の子ではなく拾い子であったこと、そして豊前国に住む六助という剣の達人が許婚であることを知らされる。拾われた時に添えられていた真柴久吉(羽柴秀吉)ゆかりの名宝「千鳥の香炉」を所持している。

- お菊
- 吉岡一味斎の娘でお園の妹。家老の息子の衣川弥三郎とはすでに弥三松という幼子まで儲けているが表向き披露できずにいる。京極内匠に横恋慕されており、このことが内匠による一味斎闇討ちの要因の一つとなった。仇討には弥三松を連れて出立する。須磨浦で敵の内匠と邂逅するが……。

- お幸
- 一味斎の妻。夫が殺された後、仇討を許可され一家で出立することになるが、出立の目前、子たちの中でただ一人の男子で盲目の三之丞が足手まといになることを苦にして自害してしまう

- 弥三松
- お菊と弥三郎の子で、年の頃は五つくらいの男の子。里子に出されていたが、仇討の旅にはお菊に連れられて出立する。

- 京極内匠
- 長門国郡家に新たに召し抱えられた剣士。お菊への横恋慕を一味斎に咎められ、御前試合にも敗れた遺恨から一味斎を闇討ちにする。出奔した後も、吉岡家ゆかりの人々を返り討ちにする極悪非道の男。実は明智光秀の遺児であり、亡父の霊魂に触れたことでついに覚醒。小田春長(織田信長)遺愛の名剣蛙丸を手に入れることになる。

- 毛谷村六助
- 豊前国彦山の麓・毛谷村に住む天下無双の豪傑。その才覚を知った立浪(立花)家から仕官を望まれるが、老いた母への孝心篤くそれを固辞した過去がある。温厚で素朴な人柄。母の墓参の際に浪人から襲われている若党と幼子を助けたことがきっかけで、思いがけない出会いを果たすことになる。