[新作文楽]シェイクスピア=作 「不破留寿之大夫(ふあるすのたいふ)」

ブログ&コラム

2014年8月30日

河合祥一郎が語る『不破留寿之太夫』②

 どうしようもない女好きの飲んだくれが、現代日本のありようにも鋭く迫る本音をぶちまけるとは、ちょっと意外でしょうか? 脚本を手がけた河合祥一郎が、フォルスタッフ=不破留寿之太夫に託した思いを、引き続きご紹介します。


シェイクスピアと日本の古典の共通項

 今回のお話をいただいた時にはまず「大変だ!」と思いましたが、実際に脚本に取りかかってみると、日本の古典とシェイクスピアには相通じる部分が多いことをあらためて感じました。たとえば、今回「お早」と「お花」として登場させている『ウィンザーの陽気な女房たち』の2人の女房はフォルスタッフに色仕掛けで迫りますが、このあたりは『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』の「道行恋苧環(みちゆきこいのおだまき)」のやりとり(橘姫とお三輪)を利用すると、非常にしっくり行くんです。
 不破留寿の「名乗り」は狂言風に始まりますし、シェイクスピアの時代の舞台と、日本の能・狂言の何もない舞台とはとてもよく似ています。今回、石井みつるさんの装置はかなりリアリスティックなものになるそうですから、より現代的なフォルスタッフが期待できるのではないでしょうか。コスチュームについても、シェイクスピア時代のファッションと日本はとても近い部分があるとの石井先生のお話に感動しました。


人間の「生き方」を考える

 シェイクスピアが作品の中で一貫して問いかけているのが、「人間とは何か」「なぜ人間は生きるのか」ということです。酒好きで女好きなフォルスタッフの生き方は、ハル王子とは正反対に不真面目でふしだらだと私たちは考えがちです。でも作品をよくよく読み込むと、フォルスタッフはことあるごとに「本当にそうだよね」と頷けることをたくさん言っています。私たちは欲しいものも我慢して真面目に生きることに慣れてしまい、気がつけば年をとっていた、という人生を送ることが多い。でもフォルスタッフは本能のままに、欲しいものは「欲しい」と言って生きています。かなり問題を含んではいるけれど、彼の生き方には実は大いに考えさせられるところがあるのではないか。喜劇ではありますが、単にお芝居を観て笑うというよりも、そうしたことまで思いを馳せていただけるものになればと思います。
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制作者・出演者が語る『不破留寿之太夫』

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新作文楽 不破留寿之太夫

2014年9月6日(土)~9月22日(月)

電話・インターネット予約開始 8月7日(木)10時~

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