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都03(晴海埠頭―銀座四丁目―四谷駅)
「三宅坂」徒歩1分(本数僅少)
宿75(新宿駅西口―河田町―四谷駅前―三宅坂)
「三宅坂」徒歩1分(本数僅少)
奥州白石(宮城県)の姉妹が亡父の敵である剣術指南の侍を討ち果たした事件を劇化し、江戸幕府に反抗を企てた由比正雪(ゆいしょうせつ)をモデルとした軍略家の活躍を軸とした物語です。第一部は事件の発端から、宇治兵部助常悦(うじひょうぶのすけじょうえつ、実説は由比正雪)の登場に至る、五十一年ぶりの上演となる「逆井村(さかいむら)の段」までを上演し、第二部の江戸篇につなげます。通し狂言の上演、稀曲の伝承を目的としてきた国立劇場ならではの企画です。
奥州白坂宿(福島県)近くの逆井村で代官志賀台七(しがだいしち)は百姓与茂作(よもさく)を手討ちにします。騒ぎに駆け付け理不尽な手討ちを責める村人たちに、台七は自分が斬ったのではないと言い張ります。大きな悲しみに打ちひしがれる娘おのぶたち遺族は、先日から泊めている旅の浪人をその下手人と疑います。貧家が悲しみに暮れる前半から、後半は剣豪と軍略家が肝胆を照らし合う勇壮な展開となる稀曲「逆井村」をこの機会に是非お楽しみください。
家屋を建てる際、初めて柱を立てる儀式"柱立"。太夫(たゆう)と才三(さいぞう)が、門口で小鼓と扇を片手に柱立を披露し、家々の繁栄を祈りつつ、賑やかに舞います。このおめでたい演目で、いよいよ建て替えに臨む国立劇場の前途も祝します。
第一部で幼いながらも気丈に仇討ちへの決意を示したおのぶは奥州から江戸へ出て、吉原の廓(くるわ)で宮城野(みやぎの)と名乗り傾城(けいせい)をしている姉に再会します。宮城野は父の非業の最期を知り、嘆き悲しみ、姉妹手を携えての仇討ちに向かおうとするのですが……。盛り場浅草雷門での珍騒動、絢爛(けんらん)たる吉原揚屋に現れた田舎娘おのぶの不釣り合いな姿、そして悲嘆にくれる宮城野の哀感、姉妹を見守る揚屋の亭主惣六(そうろく)の心配りと、洒落た劇的展開と様々な情感が織り込まれた名作です。
朝廷と対立した奥州の豪族・安倍頼時(あべのよりとき)が源頼義(みなもとのよりよし)・義家(よしいえ)親子に滅ぼされた「前九年の役」を基にし、頼時の遺子の貞任・宗任兄弟が安倍家再興と奥州独立をめざして闘いを挑むという壮大な物語です。
皇弟・環の宮(たまきのみや)が失踪し、その守役である平傔仗(たいらのけんじょう)は責任を問われ進退窮まっています。また、傔仗の娘・袖萩(そではぎ)は不義のため勘当され、落ちぶれた身となります。そんな親娘が偶然に出逢いますが、傔仗は袖萩の夫が逆賊で環の宮の失踪に絡んでいる安倍貞任であることを知って驚愕します……。雪降る夜、寒さに凍えながら三味線を弾いて親に詫びを乞う袖萩の哀愁、義家への復讐を期しそれぞれの方法で忍び寄らんとする貞任・宗任兄弟の執念と、息をもつかせぬ展開となる大作にご期待ください。また、環の宮探索のため奥州への旅路を歩む義家の家臣・生駒之助(いこまのすけ)と恋絹(こいぎぬ)夫婦の様子を描いた道行が彩りを添えます。