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土佐楮生産技術の継承及び後継者養成事業

伝統工芸技術・文化財保存技術の保存伝承活動

土佐楮保存会(高知県いの町)

活動概要

平成20年度は、土佐楮の栽培技術を保存・継承するため、次の4つの活動を実施した。平成21年度も同様に継続する。

  • 楮生産技術の研修:土佐楮の主要な2産地でモデル園を指定し、間引き作業(5~6月)、芽欠き作業(6~7月)、中耕作業(5月、7月)、施肥作業(6月、8月)、下草刈り(5~8月)を行った。
  • 楮の品種分け研修:土佐楮には5種類の品種があり、その見分けが困難な事もあって、区別なく使用されている現状に鑑み、モデル園を1カ所での同一品種栽培を行った。
  • 楮加工技術の研修:従事者の高齢化が進み、加工技術による品質の低下が見られる現状に鑑み、優れた生産技術を継承するため、各地域における独特の加工技術の研修を行った。
  • 土佐楮の品質調査:県外で使用されている土佐楮の栽培技術、加工技術等について聞き取りなどの調査を行った。

芽欠き作業
芽欠き作業

間引き作業
間引き作業

応募に当たって

高知県の中山間部で昔から栽培されてきた土佐楮は、気候風土に恵まれ、豊富で優秀な楮として全国的に知られているが、近年、楮の生産が激減し、品質の低下が顕著に見え始めてきた。世界に誇る和紙その物の危機につながりかねない。この活動に是非とも農家を引き込み、優れた生産技術の継承と後継者の育成を図りたい。本活動の特徴として、生産者、加工従事者だけでなく、原料の品種、良し悪しを吟味してもらうため、長年原料の流通に携わり実際に原料を使う手漉き和紙職人にも加わってもらい、作り手・使い手・流通による交流を進めていくことにより、国産和紙の安定供給による文化財の保存を図りたい。

助成を受けて

平成20年度は、芽欠き作業に関して期待した程の効果は認められなかったが、間引き作業等に関しては従来と比較して品質が非常に良好となることが分かった。しかし、他産地では昔も今も芽欠き作業を行っており、引き続いて芽欠き作業も実施しようと考えている。景気の大幅な悪化等により、過去の例から原料の価格が安いと生産者は栽培を止め、価格が高いと紙漉職人が購入出来できない結果を招きかねず、和紙業界には、外国産に取って代わられるのではないかという大きな不安がある。平成20年度事業の結果、活動内容を農家、関係団体に手紙を送ったところ、山奥で細々と楮を作り続けている農家の高齢者から、自分たちの仕事が認められたとの喜びの電話を貰ったことが保存会として大変嬉しく、また、お互いに励まされた。平成21年度以降は、時期をみて生産者を訪ねて作り手との絆をより一層深め、作り手・使い手・流通による交流により、納得出来る価格での安定供給による文化財保存のためにも、継続して全国的に原材料生産技術の伝承に努める。

助成実績

助成年度 助成額 総事業費
平成20年度 1,000千円 1,100千円
平成21年度 500千円 632千円

高知県吾川郡いの町波川287-4
高知県手すき和紙協同組合内
土佐楮保存会:上田剛司
Tel:088-892-4170 Fax:088-892-4168
E-mail:tosawasi@basil.ocn.ne.jp



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