日本芸術文化振興会トップページ  > 芸術文化振興基金  > 伝統構法による建築の修理技術の研修

伝統構法による建築の修理技術の研修

伝統工芸技術・文化財保存技術の保存伝承活動

特定非営利活動法人 伝統木構造の会(新潟県柏崎市)

活動概要

日本の伝統木構造を育んできた環境は、時代の変遷、木造に対する意識の変化などにより、継承者問題も含め危機的な状況になりつつある。特に、地震により傾いただけで年代を経た伝統木構造は危険という印象があり、建築基準法改正によって伝統木造建築の実践に困難性を伴うものもある。近年、擬伝統木造風意匠や木の質感そのものは広く受け入れられているが、表面的な流行では伝統木構造を生み出してきた職人や幾世代もかけて育てる山林を守ることはできない。
本事業は、伝統木構造を正しく評価し、特に構造上の安全性の解明及び柱、梁などを組み合わせる技術の確立が急務であることから、構造金物、合板、接着剤に頼らずに伝統技術の中にある叡智を最大限に活かした伝統木構造の普及に努め、次世代への継承を目指している。


白山神社(入母屋造り)


諏訪神社(切妻造り)

応募に当たって

伝統木構造技術がもっぱら神社仏閣や文化財、茶室など限られた分野にしか使われず、現代の人々にとって過去のものか非日常的な存在になろうとしている現実に対して危機感を抱くようになり、実生活に結びつかなければ将来の活路は厳しくなると想定された。地震被災地の仮設住居を間伐材利用で伝統技術を駆使して造れないか、損傷を受けた木造建造物の修理に伝統技術を活かせないかと現地で情報収集するとともに会員から義捐金を募った。
新潟の会員から中越沖地震で傾いたまま取り残されている村社が柏崎市五日市に存在していることを知らされ、早速地元と話合いの上、実際の建物を教材に技術を習得する研修を開催し、村社の復興に向けて地元と協力することを確認して、事業を実施することとした。

助成を受けて

平成19年度は「伝統木構造の構造設計研修」を目的とした講習会を東京・東海・鳥取の3カ所で催し、主に講師派遣費用に充当することにより参加者の負担を軽減できた。平成21年度は実際の地震経験のない設計者、大工にとって貴重な体験となる現地実地講習会を企画したことから、講師の現地活動交通費などへの充当が可能となり参加者の負担が大きくなる懸念を回避できる。
各地で地震が起こる度に、損傷した木造建造物が修理されずに建替えられてしまうことは、伝統木構造修理技術が普及しておらず、被災地に技術者が不足していることが挙げられることから、今後、平成21年度の実績をもとに、伝統木構造技術の確立と普及に向けた活動を展開していきたい。

助成実績

助成年度 助成額 総事業費
平成19年度 900千円 2,971千円
平成21年度 1,200千円 2,110千円

東京都杉並区方南2-12-26-3N
佐々建築事務所:佐々伸子
Tel:03-3318-8168  Fax:03-3318-1074
E-mail:sassanobuko@yahoo.co.jp



その他の事例を探す

  • 舞台芸術等の創造普及活動
  • トップレベルの舞台芸術創造活動
  • 国内映画祭の活動
  • 映画製作への支援
  • 地域の文化振興等の活動
  • 基金部トップページへ
助成へ応募される方はこちら