日本芸術文化振興会トップページ > 芸術文化振興基金 > 東京フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会「グレの歌」
公益財団法人東京フィルハーモニー交響楽団
助成金額 1,400千円
公益財団法人東京フィルハーモニー交響楽団は、明治44年に名古屋で発足した音楽隊を母体として活動を続け平成23年、日本のオーケストラとして初めて100周年を迎えた。
現在は、新国立劇場における「オペラ・バレエ」と「シンフォニーコンサート」を両立させる日本で初めてのオーケストラとして幅広い演奏活動を展開している。
平成24年度助成対象活動として採択された本活動は、当初、平成23年3月に、当楽団創立100周年記念特別演奏会として実施予定であったが、東日本大震災によって中止を余儀なくされ、復興への願いも込めた復活公演となった。
今回取り上げたシューンベルク作曲「グレの歌」は、通常2つのオーケストラを必要とする巨大な作品で、演奏機会も稀である。しかし尾高忠明の指揮の下、楽団員数160人を有する当楽団が総力を結集することで、我が国では珍しい“単独オーケストラ”での公演として高度な芸術水準を実現することができた。
また、「グレの歌」を初演から100周年という大きな節目に取り上げたことで、この作品がクラシック音楽史上において20世紀の音楽の可能性を大きく拡げたモニュメンタルな創造であることを明確に示すこととなった。そして当楽団が日本のオーケストラとして、初めて100周年を迎えたという日本における西洋音楽の歴史と、声楽面も含む日本の演奏界100有余年の成果を国内外へ発信する機会となった。
本公演は、ソリスト5名、合唱120名、オーケストラ151名と大規模な編成で演奏されるため、十分な空間のリハーサル会場を確保する必要があり、経費面での負担は大変大きい。
助成を得られたことにより4日間のリハーサル全てを公演会場となるオーチャードホールのステージで行うことができた。それにより演奏者は表現に集中し、演奏の密度と芸術的水準を格段に高めることができた。
オーケストラとしても、20世紀音楽の豊富なレパートリーに取り組み、新たな視点や創造性を見出すことができた。
また、経費規模の大きい公演だったにも拘わらず、広くアピールすることができたことで、通常の定期演奏会と同水準の料金設定で開催することができた。
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