伝統芸能のおしごと
伝統芸能の舞台に立つには?
伝統芸能について知り、自分もあの舞台に立って演じる人になりたい!と思ったらどうすればいいのでしょう?その夢をかなえる方法のひとつに、国立劇場養成所があります。
国立劇場養成所は伝統芸能の舞台で活躍することを目指す人たちを募集し、育てる、伝統芸能のプロになるための学校のような場所です。
伝統芸能は人から人へ伝えられ今までつながってきた“技”であり、その“技”には単純な技術だけではなく、それを受け継ぐ“心”もふくまれています。もちろん、“技”を映像や写真、本などで残すことはできますが、それで全てを正確に伝えることはできません。人から人へ直接受け継ぐこと、そして受け継ぐ人を決してとぎれさせないことが大切であり、その役割を担うのが国立劇場養成所です。

国立劇場の養成事業は、国立劇場がオープンした4年後の1970年からスタートしました。「歌舞伎俳優」を育てるコースから始まり、その後、「文楽」「歌舞伎音楽」「大衆芸能」「能楽」の各分野に広がっていきました。
現在では、養成所を卒業した人(修了生といいます)のうち、約270名がプロとして活躍しています。芸能の種類によっては、プロのうち養成所の修了生が90%を超えている分野もあり、養成所の役割はますます重要なものになっています。
研修生に応募するための条件はそれぞれのコースで決まっていますが、経験がない人でも応募でき、受講料も無料です。経験がなく入所しても2年から3年の研修で、各芸能を代表する先生方が、本格的に教えてくださるので心配はいりません。無事に養成所を修了すると、経験を重ねていき、伝統芸能を担うプロとして実際の舞台に立つことができるようになります。
それではどんな研修のコースがあるのか見てみましょう。
国立劇場養成所のコース(現在研修を行っているもの)
研修生になるとどんな生活が始まるのか、修了後の生活はどんなものになるのかなど、養成所が行っている研修見学会などでお話ししていますので、もし興味があれば気軽に参加してみてください。また、実際のお稽古の体験会なども行っています。
今後、国立劇場こどもサイトでは、普段、プロの人たちがどのように舞台に立っているのかなど伝統芸能のおしごとについてシリーズで紹介していきます!どうぞお楽しみに!

2023年8月 稚魚の会・歌舞伎会合同公演より『車引』