歌舞伎公演ニュース

2019年5月30日

【7月歌舞伎鑑賞教室】
尾上松緑、中村松江、坂東亀蔵、坂東新悟が
意気込みを語りました

 7月歌舞伎鑑賞教室では、鑑賞教室では初めて上演する『菅原伝授手習鑑-車引-』と、当劇場での上演が51年ぶりとなる『棒しばり』をご覧いただきます。鑑賞教室の出演は8年ぶりの尾上松緑をはじめ、中村松江、坂東亀蔵、坂東新悟が公演に先立ち、意気込みを語りました。
 『車引』の主な配役は全て初役で、杉王丸を中村玉太郎と尾上左近が交互で勤めます。また、『棒しばり』では、松緑が祖父・二代目松緑、父・初代尾上辰之助(三代目松緑)と同様、持ち役にしている次郎冠者を勤め、松江と亀蔵が初役で共演します。「解説 歌舞伎のみかた」は、今回が3回目となる新悟と共に、玉太郎が初めて解説に加わります。



(左より)坂東新悟、中村松江、尾上松緑、坂東亀蔵

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尾上松緑
(『車引』松王丸・『棒しばり』次郎冠者)

 今回は、学生の方々も楽しめるような演目をということで『車引』と『棒しばり』の二つを選びました。『車引』では、歌舞伎でイメージされる「隈取(くまどり)」「衣裳」「鬘(かつら)」などに加え、「見得」など荒事の華やかさ、そして、三つ子それぞれのキャラクターの違いなどを楽しんでいただきたいです。また、『棒しばり』は、とても分かりやすい舞踊ですので、ぜひリラックスして観ていただきたいですね。
 『車引』では、梅王丸を多く勤めましたが、松王丸は初役です。松本白鸚のおじ様にお稽古をしていただいていますが、「荒事の部分は梅王丸、和事の部分は桜丸に任せて、それらを全部受け止める大きさが必要。そこが難しいところだ」と教えていただきました。そして“息が大事”であり、私の父の初代辰之助はとても“息が良い役者”だったので、そういうところは父の真似をしなさいとも、教えていただきました。突っ走る梅王丸を胸板で受け止めるような大きさを大切に、梅王丸とは別の荒事を見せたいです。
 また、杉王丸は、玉太郎さんと息子の左近が交互出演で勤めます。歳が近い人たちが出ると学生の方々も親近感が湧くでしょうし、そういうところから興味を持ってもらえると、とても嬉しいです。
 『棒しばり』は、何度か勤めましたが、相手との息の合わせ方が非常に大切になってきます。亀蔵さんとは、菊五郎劇団で子どもの頃から一緒ですし、最近は他の舞踊でもコンビのように踊っているので、稽古でスッと息が合っていくと思います。約束事を決めてしまうと、それがお客様に見えてしまうので、細かなところはあまり決めずに稽古を進めていきます。後半でだんだんと酔っぱらってくるところが自然に見えるようにも稽古を重ねたいです。また、これがスタートとなって、二度、三度と続いていくようなコンビになりたいです。どういう化学反応が起こるか、僕自身も楽しみです。

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中村松江
(『車引』藤原時平・『棒しばり』曽根松兵衛)

 

 藤原時平と曽根松兵衛を初役で勤めます。『車引』と『棒しばり』という二本立ては、歌舞伎の初心者にもやさしく、色々なジャンルがある歌舞伎の幅の広さを伝えるにも、とても良い企画だと思います。歌舞伎は難しいと思われる方もいらっしゃいますが、『車引』では主要な登場人物が全員、隈取をしていて衣裳も華やかで、視覚的に非常にインパクトがあります。また、『棒しばり』は観ていて面白い舞踊劇ですので、この二つの演目を楽しんでいただければいいですね。
 『車引』では杉王丸を2度勤めたことがあります。時平というと、ゲームで言う“ボスキャラ”的な役ですので、後半で時平が出てきた時に、時平の大きさを出し、舞台を締めくくるようにしたいです。『棒しばり』の松兵衛も時平と同様、偉い人物ですから、とにかくお芝居を上手く運べるように、きっちり勤めたいです。
 今回、息子の玉太郎が「歌舞伎のみかた」と、左近さんと交互で『車引』の杉王丸に出演します。今年3月に高校を卒業し、これからは歌舞伎の世界でやっていくということですので、今はどんな役をもらっても嬉しく、喜んでおります。今回、杉王丸を勤めるチャンスをいただいたことは、親としても嬉しいですし、間近で松緑さん、亀蔵さん、新悟さんたち、先輩の芝居を見ることができるので、このチャンスを精一杯活かしてもらいたいと思います。

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坂東亀蔵
(『車引』梅王丸・『棒しばり』太郎冠者)

 梅王丸と太郎冠者はいずれも初役で、“いつかはやりたい”と思っていた二つの役を同時に勤められるのは大変光栄なことですから、一所懸命勤めます。
 梅王丸は父・坂東楽善の稽古を受けています。編笠を取る前まではできるだけ演技を抑えておかないと、笠を取った時の爆発的な感情が出ないので、その変わり身をまず大事にしろと言われています。決まり決まりで様々な形がありますが、あまり考えすぎると荒事の面白さが伝わらなくなるので、できるだけ考えないようにしろとも。まずは爆発力をどう表現するか、お客様にどう伝えられるかが課題です。
 『棒しばり』の太郎冠者は初役ということもあって心配もありますが、お稽古に入って回数を重ねることで自然に松緑さんとの息も合っていくと思います。特にこういうお芝居は、舞台の雰囲気が大切になってくるので、普段の松緑さんとの関係性がよく出るのではないかと考えていて、その辺りも楽しんでいただきたいです。

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坂東新悟
(解説 歌舞伎のみかた・『車引』桜丸)

 この公演は、歌舞伎のお客様の裾野を広げるという意味で本当に大事な公演です。その中でも、「歌舞伎のみかた」で、歌舞伎を初めて観るお客様にしっかり面白さが伝わるように解説することがとても重要です。歌舞伎の幅の広さを伝えるにはとても良い二作品ですので、解説の中で楽しみ方をうまく伝えたいです。また、今回は玉太郎さんも一緒に出ます。私も二人でやるのは初めてで、とても心強いですし、楽しみにしています。
 『車引』では念願の桜丸を勤めます。尾上菊五郎のおじ様に教えていただいておりまして、私は普段女方が多いということもあり、「この場は荒事っぽくやったほうが良いよ」と仰っていただきました。そして、松緑さん、亀蔵さんと三兄弟の役に見えなくてはいけませんから、胸をお借りして臆せずにぶつかっていきたいです。

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 解説付きで楽しめる歌舞伎鑑賞教室。隈取や荒事の力強い演技など歌舞伎の華やかな魅力に溢れた『菅原伝授手習鑑―車引―』と分かりやすく楽しい舞踊劇『棒しばり』は、どちらも理屈抜きに楽しめ、初めて歌舞伎をご覧になる方にも最適です。
 12日(金)・19日(金)には、午後6時30分開演で、お勤め帰りの方にもご観劇いただきやすい「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」を開催します。
 19日(金)午後2時30分開演、20(土)~24日(水)は「親子で楽しむ歌舞伎教室」です。期間中は、お子様にも分かりやすく親しみやすいイラスト入りのリーフレットをお配りいたします。

【イベントのご案内】

 公演期間中、7日(日)・15日(月・祝)の午後2時30分開演の部の終演後、主な出演者達によるアフタートークを行います。他では聞けない貴重な話が飛び出すかも……!? 各出演者の押隈プレゼントの抽選会もございます。
 また、公演期間中、ロビーでは特設フォトスポットが出現。ご観劇の思い出として、『車引』の三兄弟とともに、記念写真をお撮りいただけます。他にも、ご来場の皆様にお楽しみいただけるイベントを企画しております。

皆様のご来場をお待ちしております。



 7月歌舞伎鑑賞教室『菅原伝授手習鑑-車引-』『棒しばり』は
7月3日(水)から24日(水)まで







 
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