歌舞伎公演ニュース

2022年5月26日

【7月歌舞伎鑑賞教室】

『新歌舞伎十八番の内 
紅葉狩』

尾上松緑、中村梅枝が
意気込みを語りました!

 7月の歌舞伎鑑賞教室は、歌舞伎舞踊の人気演目『紅葉狩』を上演します。昨年度、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した尾上松緑が、武勇に優れた余吾将軍平維茂を勤め、次代を担う若手女方、中村梅枝が更科姫実ハ戸隠山の鬼女を初役で勤める話題の舞台です。
 公演に先立ち取材会が行われ、尾上松緑、中村梅枝が意気込みを語りました。



[左より]中村梅枝尾上松緑

◆◆◆



尾上松緑
(余吾将軍平維茂)

 平維茂は舞踊会を含めて幾度か勤めております。最初の『紅葉狩』の記憶は、(六代目)中村歌右衛門のおじ様の更科姫で、私の父(初代尾上辰之助(三代目松緑))が平維茂を勤めておりました。その時は、素敵な役だな、いつかやりたいなと思っていましたが、このように何度もさせていただけて、本当に役者冥利に尽きます。ありがたいことです。

 『紅葉狩』は舞踊劇ではありますが、セリフも多く、ただの日本舞踊ではなく、お芝居に近いので、きっと学生の方にも楽しんでいただけると思います。
 平維茂という役は、出てきてから幕が閉まるまで常にかっこよくて、父の維茂もとてもかっこよかったです。維茂は踊りませんが、更科姫や、自分の家来たちとのやり取りが多い役ですので、芝居でしっかりと受けるということを大事にしたいと思っています。

 父は髭を付けておりましたので、私も初めて維茂を演じた時から髭を付けております。髭というのはある程度の年齢にならないと様にならないようで、初役の頃は少し恥ずかしいといいますか、すっとした色男でやりたいなと思ったこともありました。今は息子(尾上左近)が成長し、私も歳を重ねてまいりましたし、最近は老けの役をさせていただくこともあって、このような髭も自然になってきたのかなと思います。
 維茂は、気品と貫禄が大事ですので、皆様に、初役の頃よりも貫禄が出てきたなと思っていただければありがたいです。歌舞伎でいうところの“気のいい役”ですので、最初から最後まで武勇に優れた武将であることがお客様に伝わればいいなと思います。

 今回初役で更科姫を勤める梅枝さんの『紅葉狩』で維茂ができるというのは、普段仲の良い自分としてもとても嬉しいことです。梅枝さんは芝居勘があって、舞台度胸も素晴らしく、お客様に喜んでいただけるお姫様を勤めてくれると確信しています。初々しいお姫様とどういう対決ができるのか、非常に楽しみにしております。

 私が『紅葉狩』に初めて出演したのは、先代の中村雀右衛門のおじ様の更科姫で、十二代目市川団十郎のおじ様の平維茂、松本幸四郎さんの右源太で、私の左源太でした。 実はこの従者、右源太・左源太は非常に難しい役で、踊りもかっちりとは決まっておらず、味やキャラクターで見せるようなところもあって、当時の私には手も足も出ず、悔しい思いをいたしました。

 今回は息子の左近が左源太を勤めます。この難しい役を経験して、これからの役者人生のために勉強してもらいたいですし、もう一人の従者の右源太が坂東亀蔵さんと中村萬太郎さんのダブルキャストですので、お二人の右源太と共演できるとても良い機会になり、ありがたく思っております。

◆◆◆


  
中村梅枝
(更科姫実ハ戸隠山の鬼女)

 今回、初役で更科姫を勤めます。『紅葉狩』は、十二代目市川団十郎のおじ様がフランスのパリ・オペラ座公演をなさった時に、私も参加させていただきまして、その時の印象が非常に思い出深く残っております。

 この作品は単に舞踊というのではなく、芝居の中で舞踊を踊るというイメージがあります。特に前半は、とにかく振りも派手で、二枚扇も“これでもか”というほどありますし、扇で使う技はほとんど入っています。そういう意味でも歌舞伎役者のための舞踊といえると思います。立役の方もなさいますけれど、私は女方として見せられる舞踊ができたらいいなと思いますし、そこに魅力を感じています。

 後に出てくる鬼女のような役を勤めるのは、ほとんど初めてです。先日スチール撮影を行いましたが、隈を取ったこともほとんどなく、基本的なことを何も知らなかったので、立役の弟(中村萬太郎)に聞いてみたり、先輩の隈の写真を見ながら真似をしてみたり。その都度写真を撮ってみて、どういう隈が自分に合っているのか、バランスが良いのはどれかを考えて……大変でした。

 隈は勢いがとても大切だと思いますので、公演が始まり、時間に追われた中で隈を取ってみると、自然に勢いが出てまた何か違うものになってくるのかなと思います。

 松緑のお兄様には私が歌舞伎に出始めた頃から声をかけていただき、共演しております。父(中村時蔵)もお兄様のことが好きで度々共演しておりますし、私の中では、本当に何でも言える、困った時に意見をうかがえる先輩です。相手役になった時には、非常に息が合い、呼吸を分かっていただける松緑のお兄様は私にとって特別な存在です。

 そのお兄様との“対決”がどのようになるのかまだ分かりませんが、作品としても役としても魅力的な『紅葉狩』をお兄様の胸を借りて精一杯勤めるつもりです。

◆◆◆

 歌舞伎鑑賞教室は、解説付きで歌舞伎の代表的な演目をお楽しみいただける公演です。価格もお手ごろで、観劇の手引きになる豆知識をまとめた歌舞伎読本やプログラムを無料配布いたします。美しい姫の踊りや、勇敢な武将と鬼女との立廻り、その他さまざまなキャラクターたちの見せ場も満載な『紅葉狩』は、初めての歌舞伎観劇にもぴったりです。

 8日(金)と20日(水)には、午後7時開演でお勤め帰りの方にもご観劇いただきやすい「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」を、20日(水)~26日(火)は夏休み特別企画として、お子様向けリーフレット付きの「親子で楽しむ歌舞伎教室」(親子先行予約・親子割引あり)を開催します。
 また、27日(水)には、英語を交えた解説や、英語字幕・イヤホンガイド付きで楽しめる「Discover KABUKI ―外国人のための歌舞伎鑑賞教室―」を開催いたします。

 感染症対策を徹底し、皆様のご来場をお待ちしております。


【関連トピックス】
“紅葉狩”で『刀剣乱舞-ONLINE-』とのコラボレーション決定 !



チケットは6月13日(月)予約開始!
※親子先行予約は6月1日(水)開始。
詳細はこちら≫


国立劇場チケットセンターはこちら ≫